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対決!!天本博士対クラウン

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第五百三十九話


                第五百三十九話  博士はというと
 華奈子と美奈子達がマラソンに対して真摯な気持ちで向かっている時に博士は至ってマイペースであった。ただし博士のマイペースである。
 如何にも危険な巨大ロボットを設計しながら小田切君に言うのだった。
「今度も面白いものができるぞ」
「一体どんなのを設計してるんですか?」
「うむ、宇宙に出られるものじゃ」
 博士はこうした超技術も普通に設計、開発、製造が可能だ。
「そして宇宙から地球を攻撃出来る」
「ですか」
「レーザーでピンポイン攻撃じゃ」
 またしても大量殺人兵器である。
「どんな奴でも宇宙から一撃じゃ」
「あの、それで何処の誰を攻撃するんですか」
「二代目は死んだから三代目じゃな」
 博士が常に攻撃を加えているとある将軍様の国だった。その国の独裁者の一族を感情的に嫌っているから攻撃をしているのだ。
「わしは独裁が嫌いではない」
「ただ嫌いなんですね」
「ああいう美学のない悪は嫌いじゃ」
 だから感情的に嫌っているのだ。
「それだけじゃ」
「で、今度は宇宙からレーザー攻撃なんですね」
「攻撃範囲は半径一キロから数十センチまで調整できる」
「広範囲攻撃も個人攻撃も可能ですか」
「暗殺も可能じゃ」
 博士的には素晴らしいが常識で考えるととんでもない機能である。
「あの三代目だけを暗殺することもできるがじゃ」
「その能力はあの国には使わないですね」
「気紛れに無差別攻撃をする」
 無論広範囲攻撃で、である。
「そうした兵器を考えておる」
「宇宙からじゃそうそう簡単に迎撃できませんしね」
「それこそスターウォーズ計画じゃな、アメリカや中国なら反撃してくるがのう」
「博士国連からも睨まれてますよね」
 無論国連を動かしている常任理事国全てからもそうなっている。
「そのうちまた攻撃されますよ」
「望むところじゃ。売られた喧嘩は買う主義じゃ」
 博士は二百億歳だがそれを買わなかったことは一度もない。
「やってやるわい。世界のちんけなマフィアやチンピラも宇宙から次々に攻撃して抹殺してやるわ」
「博士って本当に小悪党お嫌いですね」38
「悪をやるなら美学を以て大きな悪をやるべきじゃ」
 博士の持論である。
「そんな小者はつまらん。つまらん輩はいなくてよい」
「だからいつも殺してるんですね」
「わしの趣味につき合わせてやっておるのじゃ。感謝して死ぬのじゃ」
「殺される方にとっちゃたまったものじゃないですけれど」
「小者の言うことなぞ知らん」
 そもそも博士は他人の言うことを聞かない。
「だからどうでもよいわ」
「ですか」
「では開発じゃ」
 今度は宇宙からだった。博士は相変わらずだった。


第五百三十九話   完


                    2012・11・7 
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