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対決!!天本博士対クラウン

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第四百五十二話


                  第四百五十二話  ズボンの理由
 葵が出した条件はストッキングかタイツだった。それをはいたうえでスカートもはくというのだ。そのことを言われてだ。赤音はジップとハリーに言ったのである。
「何かね。夏でも素足だとね」
「寒いって?」
「だからどっちかは絶対になんだ」
「お姉ちゃんそう言うのよ」
 その理由がわからないという顔でだ。赤音は使い魔達に話す。
「だからいつもズボンなんだって」
「あれっ、じゃあ御姉さんって」
「ひょっとして」
「ひょっとして?」
「冷え性とか?」
「そうじゃないの?」
「冷え性ってそんなに辛いの?」
 しかしだ。赤音の返事はだ。
 どうも要領を得ないものでだ。こう言うだけだった。
「そんな。いつもズボンで素足は絶対に駄目って」
「御姉さんあれでしょ。夏も長ズボンだし」
「冬だとそれこそズボンの下に」
 ストッキングかタイツだとだ。妹に実際に言ったのである。
「それはもう確実だと思うよ」
「冷え性だよ」
「だからスカートはかなかったのね」
 ここで理由がわかった赤音だった。
「そういうことだったの。いや、あたし冷え性じゃないから」
「そうだよね。御主人はね」
「そういうのとは無関係だよね」
「起きたらすぐにテンションあがるしね」
 これが赤音だった。それになのだ。
「体温はいつも高いしね」
「同じ姉妹でも全然違うんだね」
「その辺りは」
「あたしがお父さん似で御姉ちゃんがお母さん似かな」
 赤音は二人の両親のことも話に出した。
「それであたしは体温高くてね」
「葵御姉さんが冷え性」
「そうなったんだね」
「何か御姉ちゃんババ引いたかしら」
 赤音はこう言って眉を顰めさせる。しかしだ。
 すぐにだ、こう言ったのだった。
「けれど美人だしスタイルいいし」
「胸は大きいしウエストも締まってててね」
「凄いよね、あれは」
「それで冷え性なのは神様がそうさせたのかしら」
 今度の言葉はこうしたものだった。
「何でもっていうのは幾ら何でもね」
「そうそう、チートだからね」
「それに過ぎるからね」
「そういうことよね」
 人は誰にも悩みがあるということだった。葵がスカートをはかない理由はそれなのだった。何と彼女は冷え性だったのだ。そして実際にだ。赤音の前にひらひらのミニスカート姿で出て来た彼女の脚はだ。見事な黒タイツに覆われていてだ。素足は微塵もなかった。


第四百五十二話   完


                    2011・12・23 
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