| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

対決!!天本博士対クラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四百三話


                  第四百三話  逆上がりの後で
 逆上がりができるようになって。美奈子は。
 次はだ。華奈子にこんなことを言った。
「次は懸垂をね」
「それができるようになりたいの?」
「私あれ駄目なの」
 つまりだ。一回もできないというのだ。
「華奈子はあれできるの?」
「懸垂ね」
「できるの?どうなの?」
「一応できるけれど」
 今一つばつの悪い顔でだ。華奈子は美奈子の問いに答えた。その答えは。
「けれどね」
「あまりできないとか?」
「六回が限度よ」
 それだけだというのだ。
「それ以上はどうしてもね」
「懸垂はそれが限界なの」
「手の力はあまり強くないから」
「そうだったの?」
「そう。あたし握力とかはそんなに強くないの」
 実は素早く運動新家は確かだ。しかし握力やそうしたものはないのだ。
 それでだ。また話す華奈子だった。
「だから。ちょっとね」
「懸垂は苦手なの」
「そうなのよね」
 こうだ。華奈子は難しい顔で美奈子に話した。
「御免、それはね」
「ううん、そうなの」
「悪いけれどやるのなら一人でやって」 
 華奈子の言葉は今は要領を得ないものだった。
「あたしはあまりできないから」
「そうなのね」
「そういうことだから」
 こう話すのだった。そんな話をした後でだ。
 美奈子はまた鉄棒に向かう覚悟を決めた。しかしだった。
 その時にだ。ふとだ。
 華奈子が来てだ。こう言うのだった。
「考えたけれど」
「華奈子もなのね」
「うん、一緒にやろう」
 これが華奈子の提案だった。
「どうせやるのならね」
「そうね。懸垂もね」
「二人でね」
 この話で決まりだった。二人は懸垂もだ。二人ですることにしたのだ。
 このことを決めてからだ。華奈子は美奈子にあらためて話した。
「じゃあね」
「また明日からね」
「二人で頑張ろう」
 こう言ってだった。また二人で向かうことを決めたのである。


第四百三話   完


                2011・7・12 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧