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対決!!天本博士対クラウン

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第三百四十二話


               第三百四十二話  風を使って
 編み物を続ける美樹。しかしであった。
 彼女はここでだ。少し困った顔になって話した。
「ちょっとね」
「思うように進みませんか」
「そうなのですね」
「やっぱりね。糸がふわふわしてね」
 その糸のことを話すのだった。マフラーにするその毛糸だ。
「どうも。それが気になって」
「そうですか。それではですが」
「我々に考えがありますが」
「考え?魔法かしら」
 すぐにそれを察した美樹だった。魔女の顔になる。
「それを使ってかしら」
「はい、それです」
「魔法を使って進められては」
「ええ、わかったわ」
 美樹は彼等の言葉に頷く。そうしてだった。
 風を出してだ。そのふわふわとした間隔を微妙にコントロールさせた。
 そのうえでだ。ビルガーとファルケンもだった。
「我等もです」
「御助力させて下さい」
「あっ、有り難う」
 彼等も翼を羽ばたかせて毛糸を動かしてだった。美樹が編みやすいようにしたのだった。
 彼等の助力と魔法のお陰でだ。マフラーはすぐに終わった。
「もう終わったわね」
「はい、おめでとうございます」
「それではそのマフラーは」
「あの子にプレゼントするわ」
 美樹は優しい笑顔になって述べた。
「その為に編んだのだしね」
「そうですね。では」
「そうされて下さい」
「ええ。さて」
 ここで、だった。また言う美樹だった。
 マフラーを収めてだ。そのうえで使い魔達に話す。
「じゃあ後はね」
「勉強ですね」
「そちらをされますね」
「そっちもちゃんとしないとね」
 しっかりとした笑みであった。
「勉強と魔法。どちらもですね」
「そうですね。どっちかが駄目というのではお話になりませんし」
「ですから」
「そうなのよね。私も頑張らないと」
「ただ。美樹様の場合は」
「少し頑張り過ぎかと」
 使い魔達はここでこんなことを言った。
「少し休まれることもです」
「時には必要です」
「わかってるけれどね」
 そこは苦笑いで返す美樹だった。彼女にも苦手なものはあるのだった。


第三百四十二話   完


                  2010・12・5 
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