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対決!!天本博士対クラウン

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第二百七十八話


                第二百七十八話  音楽もまた
 フルートとサックスも吹いてだ。そのうえでわかったのだった。
「これね」
「掴んだのね」
「ええ、間違いなく」
 美奈子はフルートを止めてだ。そのうえで華奈子の問いに頷いた。
「掴んだわ」
「そう、やっぱりあと一歩だったのね」
「あと一歩が時としてね」
 美奈子は今度はそのあと一歩について言うのだった。
「中々踏み込めないから」
「そうなの」
「華奈子はそういうことには全然迷わないし足を出せるのね」
「そうなのよね。あたしはね」
 笑って美奈子に返す。
「そういうの全然迷わないから」
「そこは姉妹でも全然違うわよね」
「そうね、本当にね」
 それを二人でも言い合う。そうしてだった。
「あたしは迷わなくてどんどん先に進んで」
「私はその逆で」
「じっくり考えて慎重よね」
 この辺りは見事なまでに個性が出ていた。双子でもそこは違っていた。
「そこが違うから」
「けれどそれがかえってね」
 また二人で話す。
「噛み合うのよね」
「私達はやっぱり」
 美奈子は微笑んで話す。
「一人一人でもやっていけるけれど」
「それでもね」
「二人いれば余計にいいわよね」
「だって双子じゃない」
 何につけてもであった。双子だからこそそれだけの力が出せるのであった。それは二人だけがわかることであり出来ることであった。
「それも当然じゃない」
「そうね。二人だからね」
「そう、双子だからね」
 また二人で言い合う。
「音楽もできたしね」
「私達だけができたこと」
「魔法も音楽もね」
 両方共だった。そうしてだ。
「できたわね」
「ええ。じゃあ後はこれを使っていってね」
「完全に慣れるだけね」
 こう話していく。完成させて終わりではなかった。
 そうしてだ。また話す二人だった。
「後はどうするの?」
「そうね。お部屋に入っておやつとお茶にしない?」
「いいわね、それね」
「そうでしょ?チョコレートケーキとミルクティーがあるから」
「二人で食べましょう、二人でね」
「ええ」
 お菓子やお茶の好みも同じだった。そして二人はそのチョコレートケーキとミルクティーも楽しむのであった。


第二百七十八話   完


                 2010・4・6 
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