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久遠の神話

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第零話 炎の覚醒その三


「全く。まあいいわ」
「あいつが起きればそれでいいよな」
「美和子がね」
 そのだ。彼女がだというのだ。
「本当にそろそろよね」
「起きなければまた携帯でメールを送る」
「そうしてね」
「ああ、そうするさ」
 そんな話をしながらだった。中田はジュースを飲みベーコンエッグを食べていた。そこにだ。
 中田によく似ただ。中年の男性が来たのだった。白いカッターに黒と青のストライプのネクタイに黒のスラックスという格好である。
 その彼がだ。中田の顔を見てこう言った。
「何だ、御前だけか」
「あいつはもうすぐ起きてくるさ」
「そうか。美和子ももうすぐだな」
「そうなったら俺も何もしなくていいしな」
「全く。御前はなあ」
 中田に対してだ。その中年の男は呆れる様に話すのだった。
「昔からだよな」
「いいじゃないか。別に誰も困ってないだろ?」
「さっきもその話したのよ」
 母がだ。男に言ってきた。
「適当ってね」
「ものぐさなのはよくないぞ」
「そうそう。まあ今言ったから」
「ならいいか」
「またね。それじゃあ今から」
「ああ、今朝は何なんだい?」
「ハムエッグよ」
 それだとだ。母は彼に話す。
「お父さんの好きなね」
「おっ、いいな」
 ハムエッグと聞いてだ。彼、即ち中田の父は笑顔になって言った。
「じゃあそれ食べて元気をつけて行くか」
「そうしてね。今日も頑張ってね」
「母さんもだよな」
「ええ。スーパーのパートね」
 所謂共働きだ。パートでもそう言っていい。
 それにだ。母も行くというのだ。
「頑張って来るから」
「無理はしないようにな」
「お父さんもよ。課長になったんだから」
「いやあ、中間管理職は大変だよ」
 苦笑いしながらだ。サラリーマンに相応しいことを話す。
「何かっていうと頼りにされてな」
「仕事が回ってくるのね」
「残業も多いしなあ」
「そうよね。だからね」
「無理はするな、ってな」
「そういうことよ。くれぐれも気をつけてね」
 母は父、自分の夫に強い声で話した。
「過労にはね」
「働き過ぎて疲れたら何にもならないからな」
 こうも言う父だった。
「だからな」
「そうよ。気をつけてね」
「じゃあまずは」
 その為にだといってだった。
 彼はだ。そのハムエッグを食べる。そしてだった。
 野菜ジュースも飲む。そうしながら妻に話した。
「朝から一家団欒といきたいんだがな」
「最後の一人が今に来るさ」
 中田は明るく笑って話した。
「今すぐにさ」
「だといいんだがな」
「まあ美和子はねえ」
 ここで母がまたベーコンエッグを皿の上に置いてから話す。
「朝が弱いから」
「低血圧だからな」
「そうそう、それよ」
 母は息子の言葉に応えた。そのうえでの言葉だった。 
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