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久遠の神話

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第九話 戦いの意義その十三


 それでだ。すぐにこう高橋に告げたのである。
「そしてそこでだ」
「戦いましょう」
「怪物は倒す」
 このこともだ。絶対のことだった。
「そして他の剣士がいてだ」
「そいつが戦うのなら」
「止める。いいな」
「わかりました」 
 こうしてだ。二人はだ。
 今度は工藤が操縦するジープに二人で乗りだ。そしてだった。
 神戸駅の裏に向かう。その中でだ。
 助手席の高橋がだ。こう言ったのである。
「前兆ですけれど」
「それか」
「はい、俺達も感じますけれど」
「防衛省と警察庁がそれを察知するシステムを開発してくれたのはな」
「有り難いですね」
「時には今みたいにな」
 どうかとだ。工藤は操縦しながら話していく。
「俺達が察する前にな」
「報告してくれますからね」
「それが有り難いな」
 こう言うのである。
「神戸県警や地連から伝えてくれてな」
「ええ、本当に助かります」
「バックアップは受けている」
 彼等の場合はそれぞれの組織からだった。
「ならそれを使わせてもらおう」
「はい、それじゃあ」
「さて、今度の怪物はだ」 
 それは何かということもだ。工藤は話す。
「一体何かだな」
「またあれですよね。何かと何かが合わさってるか頭が幾つもあるか」
「ギリシア神話の怪物だからな」
「それで狂暴で」
 高橋はこれまでの戦いを思い出しながら話していく。
「そうした奴ですから」
「大体わかってきたな」
「ですよね。相手のことも」
「それならな」
 どうかというのだ。その相手のことをだ。
「油断せずに向かってだ」
「勝ちましょう、今度も」
「そうしよう、絶対にな」
「はい、絶対に」
 そうした話をしてだった。彼等は神戸駅の裏に向かうのだった。


第九話   完


                 2011・9・23 
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