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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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後日談7 球技大会(後編)

「いよっしゃあ!!みんなやるで!!」

さて、球技大会最終日。

3日目に突入した球技大会も今日で最後に。
我等がA組は総合優勝は不可能なものの、学年優勝が狙えるということで、皆やる気が高い。

………のだが、

「あう!?」
「へぶ!?」
「ぎゃふ!?」

流石、インドアクラス。
試しに男女で別れ、ドッジボールをする事にしたのだが、男子が女子に蹂躙される状態になっていた。

「………これで本当に勝てるのか?」

そんな状況を見ていた圭が俺に呟いた。

「神崎、リーダーとしてちゃんと運動させろよ………」

「中島………」

SBS団の面子の不甲斐なさに中島のキツい指摘に何も言い返せない神崎。

「まあ今に始まった事じゃないからその分、俺達が頑張ろうぜ………」

俺達まで駄目だったら本当に女子に頭が上がらなくなる………
そんな事を思いながら俺達4人は何とか善戦したのだった………








「………それじゃあ作戦は零治、小林、中島、バカの4人以外の男子が女子の壁って事で盾になりなさい」

「アリサ、エグいなぁ………」

そんな理不尽な命令が我らが学級委員に宣告された。

「でも仕方ないやろ。零治君達4人以外、戦力にならへんもん」

だからって………な?

「俺、フェイト姫守る!」
「なら俺はすずか嬢を!」
「俺はツンっ娘を!」

「なら俺は敢えて魔王様!」

「「「勇者がここに!!」」」

以外と乗り気なSBS団だった………










「さあ、気合い入れていくで!!」

さて、試合が始まった。
先ずは2ーC組。至って普通なクラスなので特に言うことはない。

「うわっ!?」

「ナイス、圭!」

ライに言われ、少し顔がほころぶ圭。
家の3人娘達は圭と良介の事を名前で呼ぶようになった。
まあ元々俺が2人と仲が良かったのもあるが、野球の件で特にライと夜美が話すようになったのも理由の1つだろう。

そんな2人を見て、星もそうすることに決めたようだ。

「アリサ!」

「サンキュー星!」

外野にいる星の所へ転がってきたボールをアリサに渡し、すかさず投げたアリサが相手男子にぶつけた。

「くそ………」

相手の男子は悔しそうにコート外に出ていった。

今回のドッジボールはクラス同士と言うこともあり、一度当てられると外野には行かず、退場になる。しかも初期の外野の復活制度も無し。外野は6人となっている。

そして俺達のクラスの外野は、アリサ、星がいる女子6人。
アリサを筆頭にボール投げの記録が良いメンバーで構成されている。

因みに星はそのボールに愛される能力を使い、自分達の所へ転がりやすいようにしている。
お陰で結構外野で相手を当てるのが多い。

「ぐっ!?」

相手の選手のボールが自軍の男子が当たり、退場する。
だが俺達A組はSBS団の男子が犠牲になるだけで、戦力的には減らないので、結果的に………

「A組の勝利!」

余裕で勝てたのだった。







それからのA組の快進撃は続き、次々と勝っていった。
その度にSBS団の男子が傷だらけになっているが、気にしないことにした。

そしてとうとう………

「B組との試合ね………」

ベスト8というところでB組と当たることになった。

「ふっ、B組など烏合の衆、我等の鉄壁の守備の前では赤子に等しいわ!!」

「………いったい何があった野中!?」

「うん?何を言っておる?我はいつもこうだったではないか」

「明らかに別人だよ!!」
「レイ、リアルに恐いです」
「我等は離れた方が良さそうだな、あとは頼む」

「いや、守ってもらうのはお前らなんだからな?星、ライ、夜美」

「要らないよ僕。ボール取れるし」
「我も要らん。むしろ視界が遮られて邪魔だ」
「私は外野ですから」

………確かに3人には要らないな。

「ふははは、強からずとも我等がしっかりお守りするので安心して相手にボールをぶつけるがよい!!」

ワハハハと豪快に笑いながら野中は何処かに言ってしまった。
ひょろひょろな体にあのしゃべり方だとすごく違和感あるんだけど………

「まあ役に立てば良いよな………」

今までも役に立ってたし………











「ねえ桐谷、大悟の作ったSBS団、何か様子がおかしくない………?」

「ああ、確かに………」

いつも変な事ばかりしてる奴等だったけど、今日はいつもと違う雰囲気に私達は不気味さを覚えた。

「兄さんの仕業………?」

「いや、零治はアイツらと関わろうと思わないだろ」

………確かに。
だったら一体何があったのだろう?











「あー!!もううざったいからやめなさい!!」

「何を言いますか殿!勝つためには殿達を命がけで守り向かなければ合戦には勝てませぬぞ!!」

「ドッジよドッジ!!私達は合戦じゃなくドッジボールを………」

「皆の衆!陣形を組め!!命がけで守り通すのだ!!」

アリサの叫びも空しく陣形を組み始めるSBS団。
アリサも苦労するな………

SBS団は、俺、神崎、圭、良介を除く女子全員を囲んだ。
確かに守られてるけど、俺達も入れろよ!?

「貴様達は一番槍だろうが!!始まりと同時に突撃せい!!」

先頭にいるSBS団のリーダー格に怒鳴られる俺達4人。
いつの間に俺達が一番槍?
しかもドッジボールに突撃無いし………

「両クラス、ジャンプボールを始めるので、代表来てください」

「あっ、なら俺がいく」

ハブられた事はとりあえず置いといて、俺はジャンプボールするため、センターラインへと向かった。









「やっぱりお前か」

相手のジャンプボールは予想通り、桐谷だった。
参ったなぁ………

ジャンプ力で絶対に勝てない事は分かってる。
こうなったらどうやっていかに避けるか考えておくか………

「では………行きます!!」

審判が投げたボールは真上に行き、俺と桐谷は同時にジャンプしたが………

「よし!」

やはり桐谷には勝てなかった。

「くっ!?」

俺は慌てて自軍エリアに戻るが、ボールは投げてこない。

一体何を考えているんだ?
そう思ってると桐谷は自軍のエリアの中央付近まで行き………

「行くぞ!!」

そう言ってボールを持ったままこっちに走り出した。

………まさか!?

「ジャンプスロー!?」

自エリアギリギリの所からジャンプし、こっちのエリアに入りながら地面につく前にボールを投げる桐谷。

そのボールはひし形を作っていた先端のSBS団男子の顔面に直撃した。

「門倉!?」

真後ろに吹っ飛ぶ門倉。
それほど威力があった。

「審判!あれってOKなのか!?」

「リリース寸前は自エリアなので有りで!むしろ昔あったゲームのバトルドッジのジャンプシュートみたいでカッコいいからOK!!」

本音が出たな審判………
まあ流石に女子に向けては投げないだろう。

「零治、わざと当たってアウトになるのは………」

「後でクラスの魔王様にオハナシされても良いなら良いんじゃね?」

「なんてドッジボールなんだ………」

そんな神崎の言葉に俺も頷いた………











「陣形を崩すな!!守れ、守れ!!」

今や、百戦錬磨の壁となったSBS団も桐谷のボールには恐怖感を覚えたらしく、足を震わせながら、女子達の前に立ち塞がっていた。

根性が無い奴等だと思っていたが結構根性あるじゃん。

「うし!」

相手外野から投げられたボールを掴み、相手目掛けてボールを投げた。

「きゃ!?」

ボールは相手の女子に当たり、1人退場。
人数は後………15人か………

だが………

「そろそろ壁も居なくなってきたな」

そう。桐谷の言う通り、壁がもう後5人となってしまった。
人数的には外野のアリサ達が頑張って当ててくれたお陰で7人程こっちが有利だが、壁が居なくなってからが問題だ。
相手の残りの大多数が男子。
こっちは4人以外女子と、能力的には劣る。
いくら人数差があってもキツいかもしれない………

「行くぞ!!」

掛け声と共にジャンプする桐谷。
角度のあるボールは、5人の真ん中にいた下田の方に行く。

「負けはせん!負けはせブゴ!?」

ボールは下田の腹に突き刺さり、その場でうずくまる下田。

「「「「下田!!」」」」

「済まない、後は………」

「「「「下田!!!」」」」

下田は天に召された………

「いつまで試合中断してるのよ!!早くボール寄越しなさい!!」

とアリサの逆鱗に触れ、慌ててボールを拾ってアリサに渡す4人。
アリサはすかさず近くにいた男子にボールを投げたが意図も簡単に取られてしまった。

「ナイス神田!」

「ああ、あれくらいなら問題ない。桐谷!」

神田と呼ばれた男子はすかさず桐谷にボールを渡す。

「行くぞ!!」

前と同様にジャンプシュートで投げる桐谷。

「ぐあっ!!」

そのボールはSBS団の男子の1人に当たり、しかも………

「ライ、食らいなさい!」

「しまっ!?」

跳ね返ったボールが加奈の所へ転がり、一番近くにいたライにすかさず投げた。

「きゃ!?」

いくらライでも半身の状態ではボールを捕ることが出来ず、ボールに当たってしまった。

「あー!!悔しい!!」

「油断してるからよライ」

加奈の言う通りではあるのだが、ここでライを失うのは痛い………
女子の中でも随一の攻撃力を誇るライがいないとなるとこちらの戦力が大分下がったと言ってもおかしくない。

「レイごめん………」

「気にするな、後は俺達で何とかする」

そう自信があるようにライに言うが、正直本当に厳しい。
だがやるしかないか………

「よし、私も………」

「フェイト、悪い、ボールくれ」

「えっ?う、うん………」

ボールを拾って投げようとしたフェイトからボールを受け取る。
さて、真剣に狙っていくか………

「気をつけろ、恐らく零治が一番曲者だぞ………」

桐谷の指摘が俺の方まで聞こえた。

「行くぞ!!」

狙いは………

「なっ!?」
「桐谷じゃなく神田!?」

俺は桐谷に向けて投げようと見せ、桐谷からかなり離れた神田にノールックでボールを投げ、ぶつけた。

「ノールック………」
「しかもあんなに正確に………」
「桐谷の言う通り、会長は危険だな………」

上手くいきすぎだっての………
かなり警戒させちゃったじゃねえか………

「レイ、ナイスだ!」
「凄いよ零治君!!」

近くに来た夜美となのはが声をかけるが、そんなに楽天的にはなれない。

「いや、むしろ俺、次生きてられるかな………」

「零治、それってどういう……」

とフェリアが聞こうとした瞬間、俺の足下をボールが通過する。

「兄さん、覚悟!!」

「なんの!!」

外れたボールはそのまま外野の加奈に渡り、直ぐに俺に投げられた。
足下に投げられたボールだったが、何とか捕る事が出来た。

「少しくらい余韻に浸らせろよ………」

「兄さんはのらりくらりとしてるけど意外と要注意人物だからね、容赦しないわ」

………本当にやりづらいなぁ。

「零治、ボール」

「あ、ああ」

俺からボールを受け取った神崎は直ぐに、近くにいた男子にボールをぶつける。

「よし!これで………」

「くっ、だが、まだまだこれからだ………」

桐谷の言う通り、勝負はこれからだ………











さて、ドッジボールも終盤。

A組は残り、男子4人とすずか、フェリア、フェイト、はやて、夜美、なのはの10人。
B組は桐谷を含めた6人になっていた。

何とかこっちが有利になっているのは外野とノールックが結構効果的だったのが幸いした。

「きゃ!?」

「なのは!?」

意外にも結構ボールを避けていたなのはも直撃。
これで残りは9人………

「ごめんみんな………」

「仕方ないよ。後は私達に任せて」
「そうや、なのはちゃん勝利を信じててな」

はやてとすずかにそう言われ、コートの外に出るなのは。

「零治君!」

ボールをフェイトが俺にボールを渡してくる。
今や、俺と桐谷のボールの投げ合いに成りつつあった。

「ぐあっ!?」

またもノールックが決まり、相手男子が1人減った。

「ちっ、本当に厄介な………」

「どうする桐谷?」

「ノールックは人数さえ減れば、段々効力が無くなってくる。だからこそあえて、零治のノールックならと期待を持たせたままの方が良いだろう」

「………桐谷って実は結構黒い?」

「失敬な。負けず嫌いなだけだよ」

そう言って受け取ったボールを外野に回しながら、逃げ遅れた良介に向かってボールを投げた。

「うわっ!?」

足下に投げられたボールを完全に避けきる事が出来ず、足にボールが当たってしまった。

「ごめん、後は頼む」

そう言って良介は早々とコート外へ出ていく。

「良ちゃん、残念だったね………」
「仕方が無いよ、後はみんなを応援しよう」

………坂巻とイチャイチャしたかったわけじゃないよな?

「はっ!!」

そんな事を思ってると神崎がボールを当てた。

「ナイス神崎!」

「零治ばかりに任せっぱなしは駄目だしな」

神崎、結構カッコイイじゃないか………
しかし、

「あぐっ!?」

そのすぐ次に加奈に当てられてる神崎。

「締まらないわね………カッコつけたんなら最後までカッコよく終わりなさいよ………」
「そう思うなら当てないでくれよ。痛てて………」
「本当に隙だらけだったのよ………」

神崎………






「アリサ」

取り敢えずアリサにボールを回し、一息つく。
さて、相手の人数は後4人。対してこっちは7人と人数的にはまだ余裕があるが、相手の人数が減った事でノールックの効果が薄れてきただろう。

「零治!」

だったらこれからは小細工なしでいくしかない!!

「でやっ!!」

投げたボールは結構な速さで桐谷に向かう。
逃げ回っていた桐谷は少し体勢を崩しながらも俺のボールを何とかキャッチした。

「危ない危ない………」

「良く捕れたな桐谷………」

「ああ、結構ギリギリだったけど………やっぱり危険だな零治は………」

「どうする………?」

「零治優先にして狙うか………」











「くっ!?」

「零治!!」

圭が俺の弾いたボールを何とか拾ってくれた。

「悪い、圭」

「ああ。………だけど狙いを零治だけに狙いを絞って来たな………」

確かにさっきからB組の連中は俺に集中してボールを投げてくる。
何とか避けたり捕っているが、結構辛い………

「零治君を守った方がええか?」

「いや、俺に集中してるならそうさせるべきだ。こっちの方が人数は多いし、今回みたいにフォローしてくれればボールもキープ出来る」

「だが、零治の負担は大きいだろ?」

「そこは気張るさ」

「………我も出来るだけフォローする」
「わ、私も!」

「ああ、ありがとうフェイト、夜美………」

「頑張ろう零治君」

「ああ………」

すずかの励ましを聞き、再度、試合に集中した………












その後も何とか俺は生き残ったが、その内、加奈の機転ですずかやはやてに投げ、2人にボールを当てていた。対してこっちは圭の投げたボールで1人を退場させたが、それ以降は広いコートを使い、上手く避けられ、当てられない。

「くっ!?」

「夜美!!」

「済まないレイ………」

「仕方ないさ、後は任せろ」

「ああ、頼む」

そう言って夜美は出ていった。
しかし………

「これで後4人か………」

俺達もとうとう残り4人になってしまった。
俺、圭、フェリア、フェイト。

そして桐谷達は3人。

「どうする零治?」

「………ボールを回しながら、相手の隙を突いてボールを投げる。そうするしか無いだろう。それか………」

そう言って俺の考えをみんなに話した。

「本気なのか零治………?」

「あのボールをだよ?」

「やるしかないか………確かにあの状態なら桐谷を当てられる」

「もし失敗したとしても………」

「ああ、分かった。必ず当てる」

「私も、桐谷を必ず仕留める」

「私も!!」

「みんな頼むぞ!」

後はその機会まで生き残る事だな………












「しぶといな………」

「どうする桐谷?」

「………俺が仕留める。ボールを貸してくれ」

味方が所持していたボールを受け取り、助走を付けるために離れた。

「零治!!」

「ああ、みんな頼むぞ!!」

そう言って俺を中心に囲むような形を取った。

「何をする気か分からないが、これで終わりだ零治!!」

そう言って思いっきりジャンプして俺めがけてボールを投げる。
勢いの付いた角度のあるボールは真っ直ぐ俺に向かって来る。

「ぐっ!?」

重く、速い球は俺の腕を弾き、地面に付いた。

「よし、零治を!!」
「だが、それだけじゃ終わらないよ!!」

そう言ってボールを構えるフェイト。

「しまっ!?」

「これで終わりだよ桐谷!!」

フェイトの投げたボールは見事桐谷に当たったのだった………









その後は桐谷を失った残りの2人では圭、フェリア、フェイトを当てることは出来ず………

「あっ………」

「よし!!」

「試合終了!!A組の勝利!!」

最後の1人を圭が当て、A組の勝利で終わった………











「いやぁ、最高やったな………」

「うん、あそこでフェイトちゃんが当ててくれたおかげでA組は勝てたよね!」

結果として俺達A組はその後も1勝し、見事学年優勝を掴んだ。
そして、表彰を終え、放課後。興奮収まらず、俺達は教室で盛り上がっていた。

「まあアリサも外野の皆を引っ張ってたしな」

「な、何よ珍しい………アンタが褒めるなんて………」

「それほどアリサも頑張ってたと言うことだ」

プイとそっぽを向く、アリサにフェリアが言う。
照れてんのか?

「レイ、僕は?」

「ライは1つ大人になれて良かったな」

「………ねえレイって何か僕の事をよく子供扱いしてない?」

「そんな事無いぞ、なんてったってスタイルは………」

「「レイ………?」」

「えっ?何で睨むの?」

「「分かりますよね(分かるよな)?」」

「はい………」

本当にごめんなさい………

「ねえ、この後家に来ない?」

「なのはちゃんの家?」

「あっ!!翠屋!!」

「うん!せっかく優勝したんだしパーティしよう!みんなで!!」

みんなと言ってもいつものメンバーなのだが………
因みに圭は部活に、良介は坂巻の家に遊びに行くとか。

確かに良介みたいに星達か家族みんなで優勝の余韻に浸るのも悪くは………

「ケーキ食べる!!」
「私も………今日は沢山動いたし、少しくらい食べても………」
「我も大丈夫だよな………?」

ケーキの誘惑には敵わない様です。
………まあアギト達にもケーキを買ってあげれるし、コーヒーも飲めるし良いか。

「よし、それじゃあ行くか!!」

ということで皆で翠屋に行くことになった………












「それじゃあみんなジュースええか?行くで………乾杯!!」

「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」

皆でジュースで、俺はアイスコーヒーを当て合う。
それから皆はケーキに集中し始めた。

「さて、俺も………」

そう思ってケーキを選んでいると………

「零治君!!」
「先ずはチョコレートケーキを………」
「無視しないで零治君!!」
「せっかく優勝したのに、死の淵をさ迷うのは遠慮したいので………」
「大丈夫!!愛情は込めたから!!」
「愛情で毒が消えるのなら毒キノコでも食えます」
「毒じゃないから大丈夫よ!」
「似たようなものなので勘弁を」

毎度の事ながら美由希さんが俺にケーキを食べさせに来た。
しかし俺はそれをスルーし、チョコレートケーキを食べる。
うん、大人の苦味が広がりとても美味しい………

「苦味ならこのケーキにも………」

「腐ってる?」

「酸っぱい場合でしょ!!これは大丈夫、味見したから!!」

「味見………だと!?」

「何でそんなに驚いてるの!?」

だって、やっと………

「俺、嬉しいです………」

「何で泣いているの!?」

「レイ〜!!このモンブランも………って何してるの?」

俺と美由希さんを見て、ジト目で俺達を見るライ。
何でそんなに睨むの?

「レイって本当に年上のお姉さん好きだよね………?」

「えっ、今のやり取りでそう捉える?」

「そうよね〜いつも零治君って私のケーキを食べたいってごねて………」

「人を食物兵器で殺そうとした人の言葉とは思えない………」

「食物兵器!?そんなの作ってないよ!!」

「本当に心からそういえます?」

「…………………………食べ物です」

「長い間だな………」

「うう………!!レイ、こっちで食べよう!!」

「ちょ!?ライ?」

唸りながら俺の手を取り、無理やり星達の所へ連れていくライ。
一体どうしたんだ?

「このケーキどうしよう………」











「全く、レイは本当に年上にはヘラヘラするんだから………」

「いやしてないし………」

「そう言えばはやての家に行ったときもシャマルにデレデレしていたな………」

「ホンマか!?あの母性にやられたんか!?」

「いや、デレデレなんて………」

「でも私の母さんと会ったときもデレデレしてたって母さんが………」

「「「「人妻狙い!?」」」」

「なのは、すずか、アリサ、はやて、ぶん殴って良い?」

「零治、流石に女の子に言うセリフじゃないぞ」

その後も俺の好みでかなりからかわれた………
決して年上好きって訳じゃないぞ!! 
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