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万華鏡

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第六話 ゴールデンウィークその十三


「本当に和食専門なのよ」
「それを何とかしたくて」
「やってみるわ。せめてカレー位はできないとね」
「カレーだと簡単にできない?」
 彩夏も料理は出来るからこう言えた。
「お肉とかお野菜を切って入れてそれでよね」
「ええ、じっくりと煮てルーを入れてね」
 カレー乃作り方はそうは変わらない。
「それで作るけれど」
「まさかカレーライスじゃなくてカレー丼になったりしないわよね」
「カレー丼は作ったことはあるわ」
「カレーうどんとかは?」
「あるわ」
 和食なのでそういったものはあるというのだ。
「簡単に、だけれど」
「それでもカレーライスはないのね」
「お母さんが作るのよ」
「ううん、何か本当に」
「そうなの。私洋食はないから」
 そこはあえて冒険をしてだというのだ。
「やってみるわ」
「そうするのね」
「そういうことでね。期待していてね」
「そうしておくわね。私はね」
 景子の話を聞き終えてからだ。美優は溜息混じりにこう言った。
「味が濃いのをね」
「私もね」
 ベクトルは正反対だが状況は似ている里香が応えた。
「薄いのを」
「何とかしたいわよね」
「いつも言われるの。味が薄くて」
 それでだとだ。里香は豆腐、醤油をかけていないその冷奴を食べながら焼きそ、ソースで黒くなっているそれを食べる彩夏に述べた。
「パンチが弱いって」
「味が薄いっていうと」
 彩夏はそこからこの町の名前を出した。
「京都みたいな感じ?」
「そうかも」
 実際にそうかもだと自分で言う彩夏だった。
「実際にね」
「やっぱりそうなの」
「うん。神戸にいるけれど」
 大阪程ではないが神戸の味も濃い方だ。
「それでもね」
「味付け薄めなのね」
「昔からそうなの。私が作ったお料理って」
「味が薄いって言われてきたのね」
「それをね」
 少し困った顔になりながらも言う里香だった。
「何とかしたいって」
「思ってるのね」
「ええ、何とかね」
 そうだというのだ。
「私も挑戦してみるわね。お泊り会で」
「じゃあ私もね」
 彩夏も笑って応える。
「チャレンジね」
「濃い味をなの」
「薄くしていってね」
 彩夏の場合はそうなった。
「そうしていくわ」
「じゃあお互いにね」
「ええ、頑張ろう」
 里香と彩夏も話をした。そしてだった。 
 二人も決意をした。そしてリーダーの美優も笑顔でこう言った
「あたしも今回はね」
「また美味しいもの作ってくれるのね」
「そうしてくれるのね」
「ああ、考えてるからさ」
 美優は笑って言う。
「とびきり美味くて身体にいいのをさ」
「ふうん、じゃあね」
「楽しみにしてるね」
「安くて美味くて身体にもいい」
 見事な三拍子だ。
「そういうのを考えてるからさ」
「安く、もあるのね」
「というか安くて美味くてだろ?」
 美優は景子に彩夏にもこう返す。 
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