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万華鏡

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プレリュードその十三


 三人も先輩に挨拶をして今はその場を離れた。その中でだ。
 中央にいる美優がだ。こう左右の琴乃と里香に言ってきた。彼女から見て琴乃は右手にいて里香は左手だ。その二人に言ったのである。
「で、楽器だよな」
「そうよね。それよね」
「どの楽器を演奏するかよね」
「あたしは。そうだな」
 何を演奏したいかをだ。美優は言った。
「ドラムかな」
「美優ちゃんはドラム?」
「それしたいの」
「いやさ。ゲームセンターの太鼓のゲームあるだろ」
 美優は笑ってこのゲームの話もした。
「あたしあれ好きなんだよな」
「ああ、あのゲームね」
「確かに面白いわよね」
「だからな。あれにしようかってな」
 微笑んでだ。左右にいる二人に話したのである。
「思ってるんだよ」
「じゃあ美優ちゃんはドラム?」
「それなの」
「ああ、そう考えてるんだよ」
「ううんと。じゃあ私達は」
「どうしようかしら」
 美優を挟んでだ。琴乃と里香は二人で話した。
「とりあえず私は歌うの好きだけれど」
「じゃあ琴乃ちゃんヴォーカル?」
「ヴォーカルって一人とは限らないじゃない。だからね」
 ここでだ。琴乃は首を捻りながら話した。
「ゲームセンターじゃ。スタープラチナよく行くけれど」
「ああ、あのお店ね」
「そこでギターのゲームやるから」
「ギターにするの?」
「そうしようかしら」
 首を捻ってだ。そのうえでの話だった。
「私はね。そうしようかしら」
「それでいいんじゃないかしら。後私は」
「里香ちゃんは何にするの?」
「ううんと。ピアノなら時々触るけれど」
「じゃあキーボードどうだよ」
 里香がこう言うとだ。すぐに美優が言ってきた。
「ピアノできるんならそれはどうかな」
「キーボード?」
「ああ、それな」
 美優が里香に勧めるのはこれだった。
「それどうだよ」
「ううん、ピアノと同じ感じなら」
「できるだろ」
「ええ、何とか」
 できるとだ。里香も答える。
「なるかも知れないわ」
「じゃあ里香ちゃんはそれな」
「で、私はギターなの」
「琴乃ちゃんはそれでいいだろ」
「そうね。それじゃあ」
「後は。そうだな」
 これで楽器を三つ決めてだ。それからだった。
 美優は考えながらだ。こうも言うのだった。
「後はベースだな。それと」
「それと?」
「他にもバンドの楽器ってあるの?」
「チェッカーズだったらサックスがあったけれどな」
 かつて一世を風靡した伝説的グループの名前も出す美優だった。
「けれどこれを使うとな」
「ジャズって感じするわよね」
「そっちになるわよね」
「それにサックスって難しいからな、あれで」
 美優はサックスについては首を捻ってこう言った。
「吹くだけじゃないからな」
「だからなの」
「それでだっていうのね」
「ああ。誰でも最初って訳じゃないからな」
「じゃあサックスはあまりなのね」
「いない方がいいっていうのね」
「ああ、そう思うよ」
 こう言ったのである。二人の間で首を捻ってだ。  
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