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忍術と食を極めし者

作者:青空
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第2巻

 
 
 魔法世界。新世界とも言われる魔法を生活の一部とし人々が住み暮らし、人間以外にも亜人と呼ばれる獣の姿のような人々と魔族に竜や魔獣やら等がいる魔法によって発達した技術があるファンタジーのような世界。

 だがゲームや物語のような世界だが、今現在。魔法世界は戦争が行われている。戦争の理由は人間と亜人の人種の問題。

 もともと魔法世界には世界が生まれた時から亜人と僅かな人間が先住民として暮らしていた、そこに旧世界からの人間が流れ込んできた。が、流れ込んできた人間たちが問題だった。

 先住民として暮らしていた人間は世界に魔法をもたらした『はじまりの魔法使い』の末裔、国は別れてはいたが亜人とも良い関係を築いていた。しかし流れ込んできた人間たちは、その関係を良しとしなかった。魔法世界の住人を大半をしめる亜人族を、その者たちは否定する。

 亜人は人外、亜人は人語を喋る獣、亜人は所詮獣程度の知能しか持たない野蛮な種族と上から目線で同じ立場で交友を持つような存在ではないと否定したのだ。

 そこから小さな小競り合いが始まり小競り合いが大小の争いに発展し、ついには世界規模の戦争に。

 北の大陸にある魔法使いたちが本国と呼ぶメガロメセンブリアを中心に幾つかの国が連合を組んだ〝純粋〟な人間たちの『メセンブリーナ連合』。

 魔法世界が生まれた頃より長寿のヘラス族の皇族が納める亜人が多く住む南の大国『ヘラス帝国』。魔法世界は我々人間が支配すると侵略殲滅の北と、納得できるわけがない国を護為の南の大国による戦争だ、世界規模に発展して当然。




 そんな戦争をしている世界に麻帆良を後にした俺は来ている。

 本来は新旧世界各国の各所にある世界を繋げる関所のようなゲートを通らなければいけないんだが、俺にはノアの方舟がある。ノアの方舟は新旧世界の次元の狭間に固定されているので、方舟からのゲートを繋げれば自由に行き来できるという訳だ。

 俺は時代の人間じゃない。長年生きすぎたせいで国籍など有るわけがなく、身分を証明する物を持っていない。偽造なりすると金はともかく時間がかかるしな。だからノアの方舟にはおお助かりだ。

 さて、その便利な方舟を通して魔法世界の何処にきたかというとアリアドーネにある一室。

 アリアドーネはヘラス帝国の隣の国だが中立国のため今回の戦争には参加はしていない。学ぶ意志があるのならば人間、亜人と人種問わず犯罪者であろうと受け入れる魔法の知識技術が魔法世界トップクラスの学者が多く集う学問の国だ。

 何故そのような国にいるのか、ただ単純に今の戦況を知るためだ。ヘラス近隣にある国だ、そのため亜人が数多く暮らしている。それが理由で連合が攻めてくる可能性があるのと、ヘラス側から協力を強要されるかもしれないので、中立という立場を利用し両軍の情報をかき集めているので戦況を確認するのにもってこいだからだ。

 なお、情報収集は忍び込み書類やらを盗み見するのではない。アリアドーネを含め新旧世界各国に木遁分身を変化させた俺の分身を各所に数人づつ潜ませていて、そこから情報を得ている。今いる部屋は分身が住む部屋だ。

 分身を自身に戻し記憶を還元させ集めさせた情報を見るだけなのだからなんとも楽なことか。

 水晶の木から採れる実から作られる500年物の水晶コーラを飲みつつ還元させた記憶を確認しながら集めさせた書類やらを読む。

 転生前からコーラが好きだったのでトリコに出てきたコーラが飲めるようになったのは物凄い喜びだった。だからコーラ作りを頑張ってやり、頑張り過ぎたせいで方舟内にコーラ専用の貯蔵庫が10個もできてしまったぐらいだ。メロウコーラを採る為に何度グルメピラミッドに足を運んだことか。




 さて、どうやら情報よるとヘラス側が近々空中都市オスティアに攻め込むらしい。

 空中都市オスティア

 はじまりの魔法使いが降り立った場所とされ、魔法世界の始まりの地と称される。魔力により浮く鉱石を多く含んだ浮く幾つかの島で構成された文字通り空中にある都市で、はじまりの魔法使いの子孫である初めから魔法世界にいた人間の多くをしめるウェスペルタティア王家が納める国。

 オスティアは、はじまりの地と呼ばれているだけあって聖地ともいわれている。が、今は王家が連合寄りで連合軍がヘラス進行の為に多く滞在している、それを良しとしないヘラス軍は聖地の奪還とし攻め込む訳だ。

 実際はアリアドーネと同じ中立国なのだが王家が連合寄りなのは仕方ない。オスティアは連合と帝国の丁度中心部に在り、戦争による被害が出る可能性が高い。なので亜人よりかは同じ人間で構成された連合側に民を護為に寄ってしまうのだ。

 ……まあ、表向きには王よる苦渋の決断となっているがな。


 ふむ。オスティアか、どうするかな。

 〝あの娘〟がいるから見学しに足を運んでもいいが、今行くと原作組となる将来の英雄たち『紅き翼』が来てしまう。

 絡まれても負ける気はしなくとも、あの赤毛に絡まれるのは凄く面倒だ。気に入られて仲間になれとか言われそうで困るし。まだ努力と経験により天然チート化した歩くバグキャラであるジャック・ラカンが仲間になってないだけマシ何だろうがな。気合で何でもやってのけてしまう奴のことだから神威を気合で攻略してしまいそうなのが恐ろしい。

 それに紅き翼には、あの古本がいる。今は奴に俺が魔法世界で活動していることを悟られたくない。900年程の付き合いだが彼奴より性格が悪い奴にいまだ出会ったことがない。奴のことだ、俺が魔法世界で活動していると知ったら何をしているか探りを入れながら面白そうとかっていう理由で赤毛バカをふっかけてくるに違いない。

 本当にどうするか。ラカンがいないことだし視線から勘で俺を見つけ出すようなことはおきんだろ。原作で知っているが、実際に奴らの実力を見といた方が良いだろうし。うむ、行くかオスティアへ。





 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△ 





 現在、ヘラス軍側に紛れ『黄昏の姫御子』を置き魔力無力化の防壁を張る塔近くに輪廻眼状態の木遁分身を潜ませ、自身の輪廻眼に木遁分身の視界情報を繋げ戦場を視ているのだが……本当にあの赤毛のバカは非常識だな。


 「――走れ稲妻! いくぜっ!!〝千の雷〟!?」


 今使った鬼神兵を倒した『千の雷』がいい例だ。あの魔法は最上級古代魔法だというのに何だあれは。アンチョコに乗っている呪文の詠唱を適当に読んで術式が滅茶苦茶なのに魔力を力任せで流し込んだ魔法で、何故あそこまでの威力が出る。殲滅魔法だからといって、あんな滅茶苦茶な威力に普通はなるはずがない。

 奴の息子である原作主人公のネギがラカンとの勝負で勝つためにラカンを調べた結果で分かった際に述べていた「戦場の経験もなく10代前半で戦争に出て結果を残したことが異常」的なことを言っていたことが実際に眼で視ると異常さを実感できる。

 同じ天才でも努力と経験によって実力を得た青山詠春の方がマシだ。詠春は相手の力量を計算し戦っている。なのに赤毛のガキはセンスだけでやってのけてしまう。もっとも魔力が膨大でなければ芸当だがな。

 さてと、せっかくオスティアに来たんだ国王に会っていこうとしよう。〝奴ら〟の動向を知るには丁度いいしな。



  ◆


 アスカが紅き翼を視る為に潜ませていた木遁分身の変化体を術を解き地に戻し『神威』で王宮に潜入した瞬間。


 「……ん?」


 紅き翼のリーダーの赤毛の少年ナギは木遁分身が只の木になり地に戻った場所に視線を向け振り向き足を止めた。


 「おや、どうかしましたかナギ?」

 「まさか調子にのりすぎて怪我でもしたんじゃないだろうな」

 「うんなわけあるかよエーシュン。このオレ様がそんなヘマするかってんだ」

 「ならどうしたんだ、急に足を止めて」

 「視線を感じたんだよ視線を」 

 「……視線をですか?」

 「ああ。アルとエーシュンは感じなかったのか?」

 「いえ、私は感じませんでしたね……」

 「俺も感じなかったな。お前の勘違いじゃないのかナギ」


 最後の一瞬とはいえ、長い時を在り続けた魔導書アルビレオ・イマと職業柄気配に敏感であるはずの退魔の神鳴流を修める青山詠春の二人に勘づかせなかったアスカの視線を感じとっていた。アスカがオスティアにくる前に警戒した長年の経験を持つラカンならともかくこの少年、本当に規格外である。

 本当に世界がプログラムのようにバグって発生した人間なんじゃないだろうか。



  ◆



 神威による時空間移動で王宮に潜入した俺はオスティア国王その人の目の前にいる。


 「何者だ貴様!? たった賊一人の進入を許すとは……兵は、兵は何をやっている!!」


 やれやれ。仮にも一国の王だろうにその賊一人を目にしただけで、これ程うろたえるとは。まあ、奴らの駒になりなさがるような王だからな仕方ないか。こんな不出来な王の相手をするだけ無駄だな、さっさやってしまおう。


 「……俺が何者など貴様には関係ないことだ。貴様は、ただ俺の質問に答えるだけでいい」

 ― 万華鏡写輪眼・月読!!

 「な、なにをい…………あ、ぅあ……」


 うちはイタチの月読は左眼なので右眼しか開いてない面をずらし左眼を王に見せ幻術にかける。俺の眼は、イタチの憧力による術の時間を操る月読の再現が可能。体感時間で時間を永久に感じる幻術内に精神を閉じ込めた。

 さあて、かの者が統べる組織の駒として持つ奴らの情報を我が憧力をもって全て洗いざらい吐いてもらおう。

 そう、はじまりの魔法使い『造物主』を長とし魔法世界を裏から動かず『完全なる世界』の情報をな。










 
  
 

 
後書き
 
なんか纏まっているようで纏まってないような気がする。
  
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