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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第四十話 魔王少女


「よくできているわね」

授業参観が終わり昼休みになった。オカルト研究部の部員たちは部室に集まっていた。結局一誠と闇慈は自分たちが作ったそれぞれのミニチュアを譲らなかった。

「あらあら。本当に良くできていますわね。私も作って貰いたいですわ。再現してもらうためなら脱ぎますわよ?」

「マジっすか!?」

そう言うと一誠は、ぜひと答えそうになったがリアスとアーシアが両方の頬を引っ張った。

「ダメよ」

「ダメです」

その光景に闇慈は苦笑していた。そして闇慈が作った小猫のミニチュアも小猫自身に見せた。

「・・・先輩って何時も私の事を見ててくれたんですね」

「えっと・・・嫌だった?」

「・・・いえ。嬉しいです」

「そう。なら良かった」

ここで祐斗が気になったことを思い出し、部室を出ようとしたがリアスが気付き尋ねた。

「あら?どうしたの?祐斗」

「いえ。何やら魔女っ子が撮影をしていると聞いたものでして、ちょっと見に行ってみようかなと」

「「魔女っ子?」」

闇慈は小猫と顔を見合わせながら、首を傾げた。

~~~~~~~~~~~~

祐斗が聞いた廊下に着くとその一角で写真撮影が行われていた。その少女は如何に魔女っ子らしい服装をしていた。そしてスカートも極端に短く、その下の下着がチラチラと見えていた。その少女を一目見ようとリアスが人ごみを掻き分け、進んで行きその顔をみると驚いたような表情を浮べた。

(唯のコスプレをした人かなと思っていたけど・・・この力は)

闇慈はそのコスプレ少女の正体に気付いたのか、表情を一瞬だが強張った。そして生徒会委員である匙がこの騒ぎを鎮めるためにやってきた。

「ほらほら、解散解散。今日は公開授業なんだぜ?こんな所で騒ぎ起こすな」

匙の姿を見ていた闇慈は匙の仕事っぷりに感心していた。

「あんたもそんな格好をしないでくれ。それとも親御さんですか?そうだとしたら、場に合う衣装をちゃんと選んで貰わないと困ります」

「え~、だってこれが私の正装だもん☆」

匙の注意をコスプレ少女は軽く流し、聞く耳を持たなかった。そうしている間にソーナがサーゼクスともう一人の紅髪の男性を連れてやってきた。恐らく彼がリアスとサーゼクスの父親なのだろうと闇慈は感じていた。

「何事ですか?サジ、問題は簡潔に解決しなさいといつも言って━━━」

「あっ!ソーナちゃん、見つけた☆」

コスプレ少女は事もあろうかソーナの事を『ちゃん付け』で呼んでいた。それを見ていたサーゼクスはコスプレ少女に話しかけた。

「セラフォルーか。君も来ていたんだな」

(セラフォルー?・・・何処かで聞いた名前だ)

闇慈は疑問に思っていたがイッセーがリアスに問いかけたのか答えた。

「レヴィアタン様よ。あの方は現四大魔王のお一人・・・『セラフォルー・レヴィアタン』様よ。そしてソーナのお姉さまよ」

それを聞いた一誠は絶叫を張り上げた。それもそうだろう、コスプレ少女が魔王なのだから。

(あの人が『レヴィアタン』の名前を持つ人か・・・でも僕が見る限りではソーナ会長の方がお姉さんに見えるよ)

「セラフォルー様、お久しぶりです」

「あ!リアスちゃん!おひさ~☆ 元気にしてましたか?」

「は、はい。おかげさまで。今日はソーナの授業参観に?」

「うん☆ソーナちゃんったら酷いのよ。今日の事、黙ってたんだから!もう!お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから☆」

(そんな理由で戦いを引き起こそうとしたの!?この人!?とんでもない冗談を言う人だね・・・)

闇慈は心の中で溜め息を付いているとリアスが一誠に挨拶するように促した。

「イッセー。ご挨拶なさい」

「あ、はい!は、初めまして。兵藤一誠です。リアス部長のポーンをやってます。よろしくお願いします」

「はじめまして☆私、魔王のセラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』って呼んでね☆」

セラフォルーは横ピースをすると、一誠をじろじろ見始めた。

「サーゼクスちゃん。この子が噂のドライグ君?」

「そうだよ。セラフォルー」

ここでセラフォルーは何かを思い出したかのようにリアスに尋ねた。

「そうだ☆リアスちゃん。ここには『黒衣の死神』さんがいるって聞いたんだけどそれって誰?」

「それは・・・アンジ。セラフォルーさまに自己紹介を」

それを聞いた闇慈は軽く答えるとセラフォルーの前に移動し、自己紹介を始めた。

「初めまして、黒神闇慈です。今貴女がおっしゃった通り、黒衣の死神を名乗っています。以後お見知りおきを」

「アンジ君だね、よろしく☆」

そう言うと一誠同様にジロジロと闇慈の身体を見始めた。

「あ、あの・・・何か?」

「ちょっとね☆先の大戦のコカビエルをボッコボコにした人がいるって聞いたからね☆どんな人か見てみたかったんだよ☆うんうん。背は高いし、カッコイイし、タイプかも☆」

「えっ!?」

「・・・っ!!」

セラフォルーの告白に近い言葉に闇慈は少し動揺したようだったが、小猫の反応は研究部の中で最も大きかったみたいだ。そしてどうやらセラフォルーは妹のソーナことが大好きらしいが、ソーナにとっては少しかなり滅入っているようだ。そして耐えられなくなりその場から逃げようすると・・・

「待ってソーナちゃん!お姉ちゃんを置いてどこに行くの!?」

「ついてこないでください!」

「いやぁぁぁん!お姉ちゃんを見捨てないでぇぇぇぇぇぇっ!ソーたぁぁぁぁん!」

「『たん』付けはお止めになってください!」

魔王姉妹の追いかけっこが始まった。

(何ともシュールな光景だよ・・・)

それを見ていた闇慈は苦笑しながら、それを見ていたらしい。そしてその後はそれぞれの教室に戻り、授業を受けた。
 
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