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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第三十九話 参観


「はあ・・・気が進まないな」

「私も同意見よ、アンジ」

闇慈とリアスと一誠とアーシアは同じ通学路を歩いていた。今日は授業参観の日となってしまった。闇慈の家からは父親は仕事で来れない為、母親が来ることとなった。そしてリアス家からはサーゼクスとその父親が来る事になったらしい。

「そう言えば。イッセーの家からは両親二人が来るの?」

「そんなとこだ。目的はアーシアなんだろうけどな」

「あはは・・・」

「イッセーさん。今日は頑張りましょうね?」

肩を落としていた一誠にアーシアは天使の微笑みのような笑顔を浮かべ、励ました。

「そ、そうだな。アーシアが頑張るってんなら、俺も頑張らねえとな!!」

そんなことを言っている間に学校に着き、それぞれの教室に移動した。と言っても闇慈たち三人組は同じクラスだった。教室に入るとゼノヴィアが一誠に話しかけた。

「イッセー。先日はあんな事を言って申し訳なかった」

「まあ・・・ああ言うのは早すぎだと俺も思うからな」

(先日?何のことだろう?)

疑問に思ったのか闇慈は一誠に尋ねた。

「イッセー。一体何の事?」

「だからこそ―――」

しかしその問いかけをイッセーが答える前にゼノヴィアがポケットから何かを取り出した。

(って・・・あれって!!)

「バカァァァァ!!こんな大衆を前にそんなものを取り出すなーーー!!!」

一誠は声を張り上げるとすぐに『それ』をゼノヴィアのポケットにしまわせた。そして一誠とゼノヴィアは二人で話をするために出て行った。

「一体何だったのでしょうか?アンジさん」

「アーシアは気にしない方が良いと思うよ・・・」

「??」

~~~~~~~~~~~~

そしてとうとう授業参観の時間帯になってしまった。授業内容は『英語』だった。勿論闇慈の母親も教室に着いていた。

(さてと・・・出来れば簡単な英語の授業だと良いな)

闇慈は心の中で呟いていた。しかし各生徒の机の上に置かれたのは・・・

「・・・?紙粘土?」

普通の紙粘土だった。ここで担当教師が説明を始めた。

「今渡した紙粘土で自分の好きな物を作ってください。何でも構いません。物体を使った英語のコミュニケーションも必要だと私は考えています。頑張ってください!!レッツトライ!!」

(・・・まあ。分からなくもないけど。こう言うのってあまり得意じゃないんだよね)

「あうう。難しいですぅ」

アーシアは自分なりに何かを作っているようだが中々うまく行かない様だった。それを見ていた一誠の両親は応援を始めた。

(ちょっと・・・イッセーのことを完璧に忘れてませんか?あの両親。っと今は自分のことに集中しないと・・・でも何を作ろうか?)

闇慈はしばらく右人差し指で自分のこめかみを突付きながら考えていた。ここで一誠を見てみると一誠は鼻血を出しながらリアスのミニチュアを作成しているようだった。

(イッセーはリアス先輩か・・・)

ここで闇慈は脳裏に小猫の事を思い浮べた。

『闇慈先輩♪』

何時も昼食の時に見ていたあの笑顔を思い浮かべながら紙粘土に手をかけた。そして小猫の制服姿の大まかな形を作ると制服の形や髪型などの細かい所をを魔力で削るなど、形を整えて行った。

「ひ、兵藤君・・・」

『『おおっ!』』

どうやら一誠は完成したらしく周りからは賞賛の声が上がっていった。闇慈も一旦手を止め見てみるとリアスそっくりの紙粘土のミニチュアが出来ていた。

(凄いね、イッセー。僕も頑張らないと)

闇慈はスパートをかけ、一気に小猫の制服姿のミニチュアを完成させた。

(上手く・・・出来たかな?)

ここでデスが感想を述べてきた。

(ふむ。中々、良い出来じゃないか。お前の姫、その物じゃないか)

(そ、そうでしょうか?)

闇慈が答えていると教師も闇慈の元にやって来た。

「黒神君・・・」

「あ、あの。完成はしたんですけど・・・どうでしょうか?」

「素晴らしい!!兵藤君と言い、黒神君と言い、君たちは凄い才能を持っていたようだ!!」

『『おおっ!!』』

闇慈の小猫の模型に周りも賞賛の声を上げた。周りからは・・・

「凄い!!小猫ちゃんにそっくり!!」

「小さくなったマスコットキャラの小猫ちゃん!!可愛い!!」

「でも兵藤のってリアス先輩だろう?てことは兵藤はーーー!!」

「そんな嘘よ・・・。エロ兵藤にお姉さまが!!」

「兵藤!!それを俺に五千で売ってくれ!!」

「黒神君!!それを私に七千で譲ってくれないかな?」

授業参観は何時の間にかリアスと小猫のミニチュアのオークションになっていた・・・

((これで本当に良いの(かよ)!?))

闇慈とイッセーは心の中で叫び声を上げていた。
 
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