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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第三十二話 遭遇


それから数日経った放課後、闇慈たち5人はエクスカリバーの足を掴みたいと意気込んではいたが、手掛かりを掴めず時間だけが過ぎていく。

「ふぅ。今日も収穫なしか」

匙が気落ちするように言った。しかし小猫は何かを感じ取ったかのように顔をしかめた。

「・・・闇慈先輩」

そして光子状態になっていた黒羽からの念話が入った。

(闇慈様。悪魔祓い達が近づいています)

「(ありがとう、黒羽)分かってる。みんな!構えろ!来るぞ!!」

闇慈が叫んだ瞬間。闇慈たちの上空に人影が現れ、勢いよく落ちてきた。

「神父一団にご加護あれってね!!」

落ちてきた銀髪神父は剣を取り出すと闇慈に向かって振り下ろしてきたが、闇慈は素早くデスサイズ・ヘルを手に取るとその斬撃を防いだ。今ので闇慈に斬りかかった人物はよく分かった。

「フリード!!」

一誠が驚愕の声を上げる。それは前に闇慈がタコ殴りにした外道神父『フリード・セルゼン』だった。

「その声はイッセー君かい?これはまた奇妙な再会劇でござんすね~!!ドラゴンパワーは増大してるのかい?でもそろそろ殺して良い?」

フリードは右手に聖剣らしきものを手に取ると一誠に向かって斬りかかったが祐斗が[魔剣創造]『ソードバース』で『光』を喰らう魔剣[光喰剣]『ホーリーイレイザー』を作り出し、対応した。

「っ!!木場!!」

「こいつは僕に任せて!!」

「あ、ああ!!」

一誠は同意し、ブーステッド・ギアを発動させたが他のはぐれ悪魔祓いが一誠に向かって『光の剣』を振り下ろしてきた。

「貰った!!死ねぇぇぇ!!」

「しまっ・・・」

しかし闇慈がそうは問屋が卸さなかった。セイクリット・ギアを発動させた闇慈は斬りかかった悪魔祓いの首をデスサイズ・ヘルで斬りおとした。斬り裂かれた肉体と首は堕天使同様に霧散してしまった。

「ひぃ・・・」

その光景を見ていた他の悪魔祓い達が軽い悲鳴を上げた。

「さて・・・やるか?小猫」

「・・・はい。闇慈先輩」

そしてその場に居た悪魔祓いを小猫の手を借りて、全滅させた。一誠曰く、それは一方的なリンチと言っても過言ではなかったらしい・・・

「せめて痛みを知らずに輪廻に落ちろ・・・」

闇慈がそう静かに呟くとこう言った光景を見慣れていない匙は冷や汗を流した。

「兵藤。黒神ってやっぱり死神・・・なのか?」

「まあ。お前がそう思いたい気持ちはよく分かるぜ・・・」

イッセーは匙に共感していたがその間に一誠は小猫から持ち上げられていた。

「あ、あの~小猫さん?これは一体?」

その疑問には闇慈が答えた。

「祐斗が押されているみたいだから、イッセーのブーステッド・ギア・ギフトで祐斗の力を高めてあげようと小猫ちゃんと相談していたんだ」

「でも何で俺は持ち上げられてんだ?」

「こうした方が早いと思ってね。・・・小猫ちゃん。お願い」

「・・・はい。闇慈先輩。イッセー先輩・・・行きますよ?」

「ちょっと待て!?俺の脳裏には一つの事しか浮かんでこないんだけど!?」

「多分それが正解だよ。じゃあいってらっしゃい」

闇慈の掛け声と共に小猫は一誠を祐斗に向かって豪快に投げ飛ばした。幸いブーステッド・ギアを発動させ少し時間が経っているため強化は可能だろう。

「うおおおおお!!闇慈~~~!!!覚えてろよ~~!!」

一誠は投げ飛ばされ、祐斗のもとに飛んで行き力を譲渡出来たようだ。祐斗は貰った力でソード・バースで魔剣を大量に作り出し、フリードに飛ばした。

「うっは!これは面白サーカス芸だね!しか~し!!俺様のエクスカリバーは[天閃の聖剣]『エクスカリバー・ラピッドリィ』!速度だけなら負けないんだよッ!」

フリードの聖剣の切っ先がブレ出し、普通の人間になら目にも見えない速さで飛んでくる魔剣を全て破壊して行き、最後は祐斗が両手に持っていた魔剣を粉々にして、聖剣を振り下ろそうとした。

「祐斗!!」

「やらせるかよ!」

ここで匙が自身の手にトカゲの顔らしい物を見に纏うとその口から伸ばした舌でフリードを引っ張った。それと同時にトカゲの舌が淡い光を放ち、それが匙の方へ流れて行った。

「・・・これは!クッソ!俺っちの力を吸収するのかよ!」

「へっ!どうだ!これが俺のセイクリッド・ギア![黒い龍脈]『アブソーブション・ライン』だ!こいつに繋がれた以上、お前さんの力は神器に吸収され続ける!そう、ぶっ倒れるまでな!」

(なんて恐ろしいセイクリッド・ギアなんだ。見る限り聖剣でも切れないみたいだし・・・斬れるとしたら僕のデスサイズ・ヘル位かな?)

闇慈が一人で疑問に思っていると匙は祐斗に止めを刺すように促した。

「祐斗!今がチャンスだ!とりあえずフリードをブッ潰せ!エクスカリバーも危険だが、今はそいつの方が危険だからな!」

「・・・不本意だけど、ここで君を始末するのには同意する。奪われたエクスカリバーはあと二本ある。そちらの使い手に期待させてもらうよ」

しかしここで第三者の声が響いた。

「ほう、[魔剣創造]『ソード・バース』か。使い手の技量次第で無類の力を発揮するセイクリッド・ギアか」

闇慈達はその声の方を向くと神父の格好をした初老が立っていた。闇慈はふと、とある名前を思い出し老人に尋ねた。

「もしかして貴方は『バルパー・ガリレイ』ですか?」

「いかにも」

バルパーは闇慈の言葉に肯定する。

「何をしているんだ?フリード」

「じいさん。この訳の分からねぇトカゲくんのベロが邪魔で逃げられねぇんスよ!」

「聖なる因子を篭めろ。そうすれば切れ味も上がる」

説明を受けたフリードは切れ味の増した聖剣で舌を断ち切った。

「逃げさせてもらうぜ!次に会う時こそ、最高のバトルだ」

捨て台詞を吐くフリードだが、「逃がさん!」と言う声と共に新達の前にゼノヴィアとイリナが駆けつけていた

「やっほ。イッセーくん」

「イリナ!」

「フリード・セルゼン!バルパー・ガリレイ!神の名の下断罪してくれる!!」

ゼノヴィアがそう言うとフリードがしかめっ面をして言い返した。

「俺の前で憎ったらしい神の名を出すんじゃねえ!バルパーのじいさん!ここは引くぜ!!コカビエルの旦那に報告だ!!」

「致し方あるまい」

そう言うとフリードは閃光玉を地面にぶつけ視界を奪ったその隙に消えていた。

「追うぞ!イリナ」

「うん」

「僕も追わせて貰おう!逃がさないぞ!バルパー・ガリレイ!!」

その三人組はあっという間に消えてしまった。

「何やっているんだ!?あの三人は!?今、敵本拠地に入り込めば返り討ちにされるよ!!」

「闇慈。どうする?」

「これは幾らなんでも分が悪い。リアス部長とソーナ会長に協力してもらうしかないよ」

闇慈の提案に匙は否定の意を示した。

「それだけは勘弁してくれ!!このことがソーナ会長にばれたら俺は殺される!!お前の死神の力ならなんとかしてくれるよな!?」

匙は闇慈に寄り添ったが、しかめた顔になった。

「・・・どうやらその必要はないみたいだよ」

「「えっ!?」」

「こんな夜中に何をしているのかしら?」

「「ビクッ!!」」

一誠と匙が振り向くとリアスとソーナが仁王立ちで立ってた・・・その後説教を受け挙句の果てには『尻叩き』もあったそうだ。イッセーと闇慈の尻は死んだらしい・・・

「何で僕まで・・・」
 
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