| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

城塞都市メルキド

<メルキド>

「何だ、このやる気の無い町は!?」
周囲を高い壁に囲まれる町メルキド…
そのメルキドの町を散策して、リュカが嫌悪を込めて言い放ったのが先程の台詞だ。

人々は大魔王の恐怖に脅え、生きる気力を無くしきっている…
最早死ぬだけなのだから、働いても意味がない…そんな事を言って怠惰に生きるだけで働かないのだ!
「確かに不愉快な根性の持ち主が多い町ですね!」
アルルも周囲を観察しながら軽く憤慨している。

「こんな町、さっさと滅んでしまえばいいんだ!」
「ちょ、父さん…流石にそれは言い過ぎでは?…それ程までに大魔王の存在が大きすぎるのですよ」
ティミーが優等生らしく、父の暴言を戒めるが、
「ドムドーラを思い出してみろ!大魔王の影響に脅えるという点では同じなのに、あんなにも前向きに生きている!…しかもあの町は、もう少しで水が干上がってしまいそうなんだぞ!それなのに僕達が辿り着くや、レミーラの魔法を憶えようと努力した!井戸が枯れ、大魔王に滅ぼされるだけの運命であれば、人工の光を作り出す必要なんてない…でも彼等は生きる事を諦めてないんだ!……それに比べてここの連中は……」
リュカの嫌悪は止まらない…

「わ、分かりましたよ…そんなに怒らないでくださいよ…情報を仕入れたら、さっさとこの町から出ましょう…」
リュカの剣幕にティミーもタジタジで、これ以上刺激しない様に心がける。
「じゃぁ…早く探さないと…ゾーマの島へと渡「オルテガ様!!」…え!?」
殆どの住民は家に引き籠もり、町行く姿を見せない中、一人の女性が路地から出てきて、アルル達を見るや大声で叫び走り寄ってきた!

「オルテガ様ー!お会いしたかったです!!」
「あ、いや…私は…むぐっ!」
泣き叫びながら走り寄ってきたと思ったら、勢いそのままにアルルへ抱き付き熱烈な口づけをしてきた!
「あ、良いなぁ…」
因みにコレはリュカの一言です。

「ん~…ぶはっ!…い、いきなり何すんのよ!!!」
力任せに女性の口づけを引き剥がし、アルルは大声で怒鳴りつける。
「…あら?…オルテガ様…背が縮んだ?」
「ち、縮む訳ないでしょ!別人よバ~カ!」
「え…べ、別人…!?う、うそ…」
女性はアルルを見据えて絶句する。
「良く見ろバカ!女よ…私は女なのよ!少しだけど化粧だってしてるでしょ!コレでも最近は少しは女っぽくなってきたって言われてるのよ!ぶっ殺すわよアンタ!」

「じゃ、じゃぁ…オルテガ様は…?」
「知るかバカ!こっちだってあのクソオヤジを探してんのよ!ホント不愉快な町ね!」
「お、落ち着いてよアルル…この人も悪気があった訳じゃ…むぐっ!?」
激怒する彼女(アルル)を落ち着かせようと、アルルの前に立ち塞がり宥めるティミー…
その彼氏(ティミー)へ徐にキスをするアルル。

「………んぷはっ…な、何ですか?いきなり…」
急にキスをされて驚き混乱するティミー。
「そんな事聞くなよな…消毒だよ!…アルル的に清めなんだよ!」
情けない息子に教えるリュカ。
「しょ、消毒!?清め?」
「そうよ!私はあのバカ女に、唇を汚されたの!貴方の唇で浄化して!」
アルルは言い切るや、またティミーにキスをする。

「お嬢さんの唇は、僕が浄化しましょうか?」
リュカはスカした態度で女性に詰め寄り口説き出す。
「い、いえ…私は大丈夫ですから…」
「じゃぁ私が…ん…」
女性には断られたが、妻には受け入れられた様で、アルル同様に人目も憚らずキスをしてくる。



さて…
イチャつく2組のカップルが落ち着いたところで互いに自己紹介し、女性(フィリ)に現状を伝えた。
「………そんな…オルテガ様では無いどころか、奥さんと娘さんなんですか!?あんなに激しく愛し合ったのに…」

「は、激しくって…ふさけんじゃないわよ!アンタとは………」
アルルは怒りに任せて酷い事を言いそうになったのだが、ある事が気になって最後まで言えなくなった。
「…リュ、リュカさん…ちょっと確認してほしい事があるんですが…いいですか?」
そう言うとリュカの耳元で囁くアルル…

「うん。確認してみるね…」
リュカはアルルの依頼を受け、徐にフィリの腹部を触り出す。
「ちょ、何ですかいきなり!」
「うん…大丈夫だよ。誰も居ない!」

「ふぅ~…ここでもかと思っちゃいましたよ…ありがとうございますリュカさん」
どうやらアルルは、フィリが妊娠していないかを確認した様だ。
「ちょっと、何なのよ!説明しなさいよね!」
「うるさいわね、アンタは黙ってなさいよ!」
フィリに対して怒りを隠さないアルル…見かねたティミーが詫びを入れる。
「申し訳ございませんでした。アルルは…彼女は貴方のお腹の中に、オルテガの子が宿ってないかを確認しただけなのです…」
父の頭を掴み、無理矢理フィリに頭を下げさせるティミー。

「はぁ?良く見なさいよ!私が子供を産んだババアに見えるの!?まだピッチピッチなんだからね!」
「「な…こ、子供を産んだババア!?」」
どうやらフィリはKYな女らしく、2人の母親を敵に回したようだ!
「ふざけんな小娘!私なんか3人も出産したのに、このプロポーションを意地してんのよ!」
「私だってアルルを産む以前の体型を、頑張って維持してきたんですよ!」
凄い剣幕で捲し立てるビアンカとアメリア…
流石のKY女もたじろむしかない。

女性の怒号が町中に響き渡る…
やる気のない町民達も、好奇心を擽られたようで、集まってきた。
居たたまれないフィリは…
「ご、ごめんなさい…と、ともかく…ここでは何だから、私の家で続きを…」
そう言ってアルル達一行を、自分の家へと案内する事に。

女性を怒らせると怖いです…



 
 

 
後書き
ご出産された女性にも、お美しい方は多数いらっしゃいます。
子供嫌いな私でも、パパになりたいと思う程… 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧