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インフィニット・ストラトス~黒き守護者~

作者:eibro
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ブリュンヒルデと対談

「待たせてしまってすみません。それで話って何ですか?」

 さっきまでとは違い、俺は普通にラフな格好でいた。別に外に出る予定などないからだ。

「………一夏みたいに、綺麗に片付いているんだな」
「いや、これが普通だから。というか本題に入れよ」

 思わず素に戻ってしまった。

「ああ。またお前に怪我をさせてしまったなと思ってな」
「というかいい加減に鍛えたらどうだ。一夏は弱すぎて話にならない」
「………やはりな。ところで、だ。お前は白いISをどこまで知っている」

 ああ、それか。
 あれは実際に白いIS()()()()のだがな。まぁ、ISと対等に戦えるしIS扱いでいいか。弁解するのが面倒だし。

「何故そんなことを?」
「更識姉に聞いた。そのISの搭乗者がお前を『兄さん』と呼んでいたと言っていたからな」
「………その件については黙秘させてもらいます」
「ダメだ。話せ」
「断る」
「何故だ?」

 聞かれて俺は口を閉じる。が、

「これは俺個人の問題だ。それ故だ」
「だが、あのISは既に二度も襲撃している。これはどういうことだかわかるか?」
「え? 教員側が弱いからだろ」

 俺の言葉に織斑先生が押し黙った。

「あ、先に言っておきますけど、今まで襲撃がなかったなんてふざけたことは言わないでくださいね。IS学園の防衛システムがヌルイだけなんですから。今年度は貴重な男性操縦者もいる。それなのに現状を放置していた委員会にも責任がありますので。VTシステムごときでドイツにガサ入れしている暇があるならこっちの防衛力を高めろって話だ」
「……………」
「それに、その白いISの攻撃で距離が遠かったとはいえ回避できなかった間抜けもいたんだから仕方ないだろ。簪が壊していなかったら今頃無人機の技術が盗まれていたかもしれないのにな」

 仮面すら剥ぎ取って愚痴を浴びせると、織斑千冬はその言葉を遮った。

「だが、それとこれとは話が別だぞ」
「……チッ」

 かと言っても情報はあんまりないんだよなぁ。

「もう一度聞く。あのISの搭乗者とはどういう関係だ?」
「………詳しくは言えない。だが、このIS学園にいる人間の中で勝てるのはアンタを入れても俺だけだ」
「……何?」

 俺の言葉が意外だったのだろうか、疑問の声を上げる。

「これでも私は世界最強だが?」
()世界最強な。アンタ自身を軽視して話しているわけじゃないが、俺はアンタがマトモにISを動かしているところを見たところなんてないからな。大体、言われたくないならちゃんと特訓でもするんだな」
『そうね。ちなみにだけど祐人の言っていることはあながち間違いじゃないわよ』

 シヴァが俺の追い打ちを担当するが、織斑千冬は軽く流した。

「それほどの技量を持っているのか?」
「知るかよ。俺が言えるのはそれまでだしな。ああ、委員会には報告するなよ。あのクズどもと篠ノ之束にはこの世界から退場してもらいたい気分だからな」
『ぶっちゃけて言えば『女性優遇制度』なんて馬鹿な制度を設けた政府も、ね。というかISを造るよりロボット造った方が安いわよ』

 俺とシヴァがそう話していると、織斑千冬はこっちを睨んでいた。それに気付いたらしいシヴァが声をかける。

『千冬、文句があるなら先に言っておいたほうがいいわよ』
「ああ。なら言わせてもらおう。アイツには手を出すな」
『それは難しいわね』
「何度も殺されかけているからな。情状酌量の余地はない」

 だが俺たちも引く気はさらさらなかった。

「まぁ、安心しな。場所がわからないからこっちから責める気はさらさらないぞ」
「……そうか。長話に付き合わせて済まなかったな」
「いや、気にしてない。こっちも話せてよかったと思っているからな」

 こうして俺と織斑千冬による対談は終わった。

「……ってこれ、事情聴取も兼ねていたんだな」
「当たり前だ」

 あ、やっぱりね。





 ■■■





――――千冬side

 風宮の部屋を出て、私は職員室に向かう。

『あら、随分とお悩みね』

 前から思うのだが、こいつの実力はどれくらいなのか。一度戦ってみたい。

『止めておいた方がいいわ。弟を守るつもりなら私を相手にすると死ぬわよ』

 そして鋭い。彼女が言うのならそれくらい強いのだろう。戦うのは一夏が一人前になってから―――

『その前にあなたの弟さんは死ぬわね。主に自業自得で』

 私はシヴァの言葉に頷くしか出来なかった。

 ―――閑話休題

 ちょうどシヴァもいることだし、私はふと気になったことを尋ねてみた。

「シヴァ、私には今の風宮が束に―――すまん。一緒にしようとしたわけではないから今すぐその武器を降ろしてくれるとありがたい」

 本題開始と同時にナイフを向けられてしまった。おそらくゼロ距離からでも相手を殺す方法でもあるんだろう。

『言葉に気をつけることね』
「ああ。そういうことにする」

 しかし、こいつの殺気も尋常ではなかったな。

「だが、私は怖いんだ。風宮が束みたいな人生を歩むことになるのが」

 だから私は本心を言った。

『大丈夫よ。祐人はちゃんと礼儀をわきまえているから。というより祐人がISを発表すればもっとマシになっていたでしょうね』

 おそらく発表しなかったでしょうけどと付け加えるシヴァに私はふと思った。それはつまり―――祐人もISコアを作れるということか? だが、仮にそうだとしたらそれは大問題だぞ。
 だが、シヴァにとっては私の考えていることはお見通しらしく、

『あなたが心配しているほど祐人は弱くないわよ。それに、死にたくなかったらちゃんと彼の手綱を握っておきなさいよ。じゃないと―――本当に絶望するか死ぬわよ』

 そう言ったシヴァは踵を返してその場から離れた。
 どうやら、今のが忠告らしい。

「ああ。お前の言ったこと、肝に銘じておく」

 誰もいない廊下。私はそこでそう呟いた。 
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