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魔法少女リリカルなのは 在り来りな転生記

作者:秋陽
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第二話 その後――訓練

 とりあえず転生を果たした俺は青崎大地(あおざきだいち)と名乗っている。
 住む場所や生活費など必要最低限のものはあの管理者が用意してくれたらしい。
 らしい、というのもこの世界の俺には親が居らず管理者が残しておいたのであろう、女性の字で

【転生後の貴方の詳しい情報を紙に残しておきます。転生後のあなたの名前は青崎大地。両親は居ません。そのほうが貴方にとっても何かと都合がいいでしょう。貴方は私立聖祥大学付属小学校の3年1組の生徒として転校してきたことになります。住む場所は転生した先のマンションを使ってください】
 
 その次の行に【貴方の管理者】と書かれている。
 正直、怖いとしか言えないような差出人名だ。

【PS, 横においてある通帳は貴方の口座です。自炊をしながら普通に暮らしていれば、問題ないくらいのお金は入っています。そして他の転生者もいるそうなので気をつけてください】

 結構良い待遇を受けているとは思える状況だ。正直、この小さい体では働けるところなんて殆ど無いからな……。
 というかどうせこういう世界に入るのならば、今までの自分を変える第一歩としても原作介入をしたいところなのだが、訓練する時間などは殆ど無いらしい。
 実際、俺はチート系の能力をもらっているわけじゃない。(他の転生者がチート能力をもらっているとは限らないが)
 少なくとも俺は、原作に出てくる少女達のような力は持っていないだろうから訓練をして、少しでも魔法などに慣れておきたかったのだが……。

『こういう時のための私ですよ。マスター』

 そう言っていきなり話しかけてくるのはデバイスのセレネ。こういう時のためっていう意味がよくわからないが……。
 
『一旦、セットアップしてください。魔力量や魔導師ランクを測るので』
「んじゃ、セレネ。セットアップ」
 
 言われるがままにセットアップする俺。
 アニメとかだとこのシーンは長かったが、やっぱり一瞬のようだ。男は元々一瞬だった気がするが……。
 そんな、どうでも良いことを考えながら今の俺の格好を確認する。
 動きやすそうな黒のトレーニングスーツと思われる服装に、左右の腰には拳銃が二丁。

「へー、セットアップすると銃になるのか」
『はい。他の形態になることもできますが、基本は銃の形です』

 銃の形をしたデバイスと言えば原作にもティアナ・ランスターのクロスなんとかとか言うデバイスがあったはずだ。
 俺の工夫次第では結構いい線まで行けるのではないだろうか?
 
『マスター。結果が出ましたよ』
 
 そんな事を考えているうちに、魔力量などの測定結果が出たらしい。

『マスターの魔力量はランク”B”。魔導師ランクは陸戦”A-”、空戦”C+”です。全て成長の余地はあります』

 魔導師的には結構な素質があるのではないだろうか? そんな事を思いながら自画自賛する、俺。まぁ、原作組の少女たちには負けますがね。
 やはりというべきか空戦より陸戦のほうが得意らしい。

「そもそも、前世だと空を飛ぶことなんてなかったもんな」
『そのあたりは、慣れですよマスター』
「まぁ、慣れしか無いだろうな……」

 正直、数値的にも前世の経験的にも戦うことになるのならば、空戦よりも陸戦でやりたいものだ。前世の経験といっても道端での喧嘩程度だが……。

『でもさすが私のマスターです。特別な力もなしに、この年でこれだけのスペックを持っていれば十分ですよ』
 
 ”さすが私のマスター”という言葉の意味が、ちとよくわからないが、確かに”チート系オリ主”とか言うのと比べると見劣りはするかもしれないが十分な力は持ち合わせていると思う。何事も程々が一番なんだよ、きっと。
 今この世界の力の大きさとかを考えると……所謂、チート系転生者>原作組>俺≧その他管理局員 あれ? 俺下手すると、KU☆U☆KI確定じゃね?
 どこぞの世界の破壊者とか呼ばれる仮面の戦士のお供になったのに、名前と掛けてクウキとか呼ばれるネタ的な運命だけは絶対に嫌だ。

「よし、セレネ。今から特訓するぞ」
『了解。といきたいところですが、まずはバリアジャケットのイメージを固定してください』

 そう、セレネに言われバリアジャケットのイメージを考えてみることにする。こういうのは、詳しく考えると全く案が出てこなくなるやつだよな……。






 結果、三時間ぐらい掛けて何とかバリアジャケットが出来上がった。
 黒を基準とした戦闘服に、白のコートをマントのように羽織っている形だ。
 防御力があるかとか動きやすいかとか言うよりかは、ビジュアル面を意識しすぎたような気がするが大丈夫だろう。
 原作でもシグナム達、守護騎士(ヴォルケンリッター)も騎士のような服だったはずだし基本的に防御力は魔力依存になるようだし大丈夫だろう。

 バリアジャケットが出来上がった後、セレネに、
「術者のイメージでバリアジャケットは殆ど自動で作られるんじゃなかったか?」
 と聞いた所、
『マスターのイメージがまとまらなさ過ぎていて、形が固定できなかったんです』
 のこと。

 俺はそこまで優柔不断だろうか?

「さて、気を取り直して訓練と行きますか」
 
 そう言って、俺達は近くの人気のない場所で結界を張りながら魔法の練習を夜まで続けた。
 マンションを出ていく時に一人の人物に見られていることも気付かずに……。



 Side ???

「さて、気を取り直して訓練と行きますか」

 いつもの私ならば気にもしない言葉。それが少しだけ気にかかる。
 理由はいくつかあるけど、一番はこれまでに”なかった”反応が、今日は”あった”こと。
 私達の部屋の前をその少年。歳は私とそう変わらないぐらいの少年が、一人で駆けていく。

「……」
「どうしたの?」
「ん、なんでもない」

 一緒に暮らしている同居人が私のことを心配して話しかけてくれる。
 多分、この同居人もそのことには気づいているのだろうけど……、心配はかけないようになんでもない振りをする。

「そう? それならいいけど……。無茶だけはしないでよ?」
 
 多分大丈夫、たとえそれがどんな障害になったとしても、母さんのためなら……私は……。


 
 

 
後書き
名前は出しませんが、主人公以外の主要人物の登場です。セリフや地の文でどのキャラクターか解る方もいるかもしれませんが……。(筆者の表現力不足、間違いなどでわからないかもしれませんort)

誤字脱字指摘、感想などお待ちしています。

【PS追加説明】
投稿した時にはアパートとなっていましたが主人公の住む場所をマンションと変更させていただきました。 
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