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ロボスの娘で行ってみよう!

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(偽)最終回 リーファよ永遠に

 
前書き
にじファン最終日に出そうかと思った話です。お蔵入りも何なので、投下します。 

 
宇宙暦800年 新帝国暦2年6月1日

■イゼルローン回廊 巡航艦レダⅡ


「ヤン先輩!!危ない!!」
「リーファー!!」
咄嗟にヤン先輩を突き飛ばしながら、私はヤン先輩を狙う地球教の狂信者?からの攻撃を浴びながらもブラスターで撃ち倒した。

耳の彼方でヤン先輩の声と共に、ユリアン達の声が聞こえる。
「ヤン提督!!」
「リーファがリーファが!!」

先輩耳元で怒鳴らないで下さいよ、鼓膜が痛くなるよ。
「リーファさん!!」
「軍医を呼べ!!」

リューネブルク、冷静沈着なあんたも慌てる事があるんだ。
「リーファ、確りしろ!」
ダスティーか、最初は冗談半分だったけど、良い旦那だったよね。子供達のこと頼むね。

「軍医は未だか!!!」
「血が止まらない!!」
「リーファ、傷は浅いぞ!」

「リーファ義姉さん!!」
カリン、母さんをお願いね、ユリアンと仲良くね。

皆の声を聞きながら私の意識は闇の中へと引きずり込まれていった。


宇宙暦796年 帝国暦487年2月

■アスターテ星域 第1遊撃艦隊旗艦プロメティウス

何だ?夢だったのか?嫌な夢だったなー。
まあ、しかしアスターテ星域会戦か、あれだけ頑張っても歴史の修正力はかかるんだな、ラインハルトがローエングラム伯になり上級大将で遠征だから、向こうは2万此方は4万6千という原作よりうちの艦隊が増えた分有利だけど、あのチートキャラじゃねー。

此方の艦隊は第3艦隊ルフェーブル中将、第4艦隊パストーレ中将、第6艦隊パエッタ中将の3個艦隊と第1遊撃艦隊アッテンボロー少将の4人ですけど、私が一番下なのでみんな言う事を聞いてくれません。このままだと各個撃破の餌食です。

結局第4艦隊、第3艦隊が壊滅的打撃を受け、第6艦隊はパエッタ中将の負傷の後、副艦隊司令官ヤン少将の指揮で何とか生き残りました、無論私も遊撃しながらラインハルトを狙いましたけど、マジチートだわ、当たりもしない。

宇宙暦796年 帝国暦487年8月

ヤン先輩がよせばいいのにイゼルローン要塞を落としてしまいました、その為に帝国領侵攻作戦がGOされました、親父がトチ狂って精神病院を脱走したフォークに暗殺未遂で重傷を負ったので、ドーソンが宇宙艦隊司令長官代行になってしまったからです。

フォークがいなくてもアホな参謀が侵攻作戦を立案した結果、原作道理の焦土作戦で大変な事に成っています。


その頃イゼルローン要塞の司令室ではドーソン大将にグリーンヒル大将が作戦の経過を説明していたそうです。

「ドーソン閣下既に第7、第8、第12艦隊通信途絶、第9艦隊のモートン中将は重傷、第10艦隊のウランフ大将は戦死、両艦隊とも半数以上を失ったとの報告が入っています。第2、第4、第5艦隊は辛うじて敵の追撃を逃れましたが、やはり3割近い犠牲を出しています。ヤン中将の第13艦隊は健在ですがドヴェルク星域で足止めを受けて既に八時間が経ちました、我々は敵の策に乗せられたのです。此処は一刻も早くイゼルローン要塞まで撤退させるべきで閣下ご決断を」

「兵力の再編成を行う全艦隊アムリッツァ恒星系に集結せよ此は命令である」
「閣下!」
「このまま引き下がるわけにはいかんのだ!アムリッツァに集結せよ!」

この糞野郎《ドーソン》のせいで、原作道理に大負けして、OVAでの第8艦隊の位置にいたカールセン提督もビッテンフェルトの猛攻で旗艦が沈み名誉の戦死を遂げました。

何とか私と第4艦隊も生き残りましたけど、またぞろクーデター騒ぎで第11艦隊をヤン艦隊と共に倒して結果、同盟軍残存艦隊は、第1、第4、第13の三個艦隊になったのです。ラグナロックで生き残れるか不明だ!しかもあれだけ排除しようとしたトリューニヒトが最高評議会議長だし、もう軍人止めたい気分だけど、オーベルシュタインの草刈りに付き合いたくないので頑張らなければ。


宇宙暦799年 帝国暦490年2月8日

■ランテマリオ星域

ランテマリオ星域会戦です、無論参加ですよ。
参加艦艇45800隻ですから原作に第4艦隊1万2900隻を足した計算ですけど、OVAのナレーション的に言うと。

“自由惑星同盟軍はこの数年来の動乱で機動部隊の大半を喪失。イゼルローン要塞に居るヤン艦隊を除けば現存する纏まった艦隊は第1艦隊と第4艦隊だけと成って居た。第1艦隊はクブルスリーの統合作戦本部長就任に伴って嘗ての第6艦隊司令官パエッタ中将がその任に付いていた、又各地の警備隊や星間パトロールから重装備の艦艇、廃棄寸前の老朽艦からテストも終わっていない新造艦までがかき集められ、その数だけは2万隻に達した、それを二分し第14、第15の2艦隊が編成されそのぞれの指揮官にマルコム・ワイドボーン、ウイリム・ホーランド両提督が任命された”と成るわけです。

ワイドボーン先輩は軍政畑にいたんですけど、急遽艦隊を率いることになり、ホーランドはやっと中将に昇進出来たと、モートン提督、カールセン提督の代わりと言う訳です。

けど結局は敗退しました。

その後ヤン艦隊と共にゲリラ戦の後、バーミリオン会戦で後一歩まで行きましたが、結局原作通り降伏で終了!トリューニヒトの阿呆!!

それから大変でしたよ、ヤン先輩がMrレンネンに付け狙われないようにしたんですけどね、結局はヤン一党はハイネセンを脱出しました。自分も行きたかったんですけど、丁度宇宙艦隊副司令長官に任じられていたので、動けなかったのです、その際ダスティーとは偽装離婚になりました。子供は母さんに預けました。レベロの馬鹿!!


宇宙暦800年 新帝国暦2年1月16日

■マル・アデッタ星域

同盟軍最後の戦いが始まりました、30歳以上は参加出来ない戦いですが31歳の私は参加できます。ビュコック提督達からはハイネセンに残るように言われましたが、自分の部下達を見捨てることは出来ないので強引に参加しました。どうせ一度死んだ身ですし、イレギラーのわたしですからね。

ホーランド提督が、カールセン提督の役割でラインハルト艦隊に突っ込んでいきましたが、全滅したのです。

『ロボス大将』
「ビュコック総司令」
『そろそろ、終いじゃな』

「その様な事は」
『其処で、儂の最後の命令じゃ、貴官は残存艦艇を率いて戦場から離脱せよ』
「閣下!」

『少しでもヤンに届けてやらねばなるまい』
「それならば、閣下が届けて下さい、小官が殿を勤めます」
『年寄りをこれ以上こき使わんでくれんかの』

「閣下」
『ヤンの事頼んだぞ』
ビュコック提督、チュン参謀長達に敬礼し、泣きそうになりながら命令を出した。

「戦場から脱出する、損傷した艦を内側にして紡錘陣形を取り敵の包囲網一角を突き崩せ!」
「砲火を集中しろ!撃って撃って撃ちまくれ!!」


宇宙暦800年 新帝国暦2年6月1日2時55分

■イゼルローン回廊 巡航艦レダⅡ

マルアデッタ会戦の後、イゼルローン要塞へ辿り着きヤン一党に参加した後、帝国軍と何度となく戦闘し、遂にラインハルトとの和平交渉を行う事に成ったのですけど、この日にヤン・ウェンリー暗殺がおこるんですよね。しかし今回はそうはいかないぞ、ローゼンリッター連隊は原作以上に乗り込んでいるし安全だと思ったのが間違いでした。

地球教だけじゃなく、オーベルシュタインまでが、手を打っていたとは。

フォークの乗った武装商船を帝国軍駆逐艦が撃沈しそいつ等が地球教徒の擬態だと知っていたので、シェーンコップ達に準備させて撃退に成功したのですけど、その後にユリシーズだと思ってドッキングした同盟軍戦艦までが、地球教徒に擬態した、オーベルシュタインが放った刺客だったと思われるのです。

何故なら狂信者にしては目が狂気に覆われていないのですよ。
そうしている合間に、ヤン先輩とはぐれてしまい、探している最中です。
またもブラスターで地球教徒?を撃ち倒しながらヤン先輩を捜していると、今にも撃たれそうなヤン先輩を発見し、敵を撃ち倒したのです。

「ヤン先輩、大丈夫ですか!」
「リーファ、助かったよ」
「全く、フラフラ逃げないで下さい、危ないですから」

「済まない」
ヤン先輩は済まなそうに頭を掻きながら謝ってくれます。
「まあ、無事で何よりです、隠れますよ」

「ああ」
その矢先、狂信者?見つかり攻撃を受けたが、それを撃退している最中、ヤン先輩が不注意にも廊下から顔を出した瞬間、ヤン先輩に生き残りの狂信者のブラスターが発射される瞬間に体が動いていたのです。

「ヤン先輩!!危ない!!」
「リーファー!!」
咄嗟にヤン先輩を突き飛ばしながら、私はヤン先輩を狙う地球教の狂信者?からの攻撃を浴びながらもブラスターで撃ち倒した。



そうだ、私は撃たれたんだ。思い出した随分長い走馬燈だったな、耳元では皆の声が聞こえる。

抱きかかえられながら、心臓の鼓動と共に血が噴き出すのが判るほどだ。

「リーファ確りしろ!」
「リーファさん!」
「リーファ!」

「あんたはこんな事でくたばる人間じゃない!」
「義姉さん!」

混沌とする意識の中で、最後の力を振り絞って喋り始める。

「ヤン提督」
「リーファ喋るんじゃない!」
「言わせて下さい」

「しかし」
「ヤン提督、この襲撃は地球教徒だけじゃありません、オーベルシュタインに気を付けて」
「リーファそれは?」

「襲撃者の目が狂信者の目ではなく、殺し屋の目」
「判った、もう喋るんじゃない」
「ダスティー、子供達の事宜しくね、良いお母さんじゃなかったけど、愛してるって伝えて」

「馬鹿言うな、お前が伝えるんだ!」
「カリン、ユリアンと宜しくヤルのよ」
「義姉さん!」

「私はこの世に居ないはずの人間だった。ラインハルトを倒し同盟を生き残らせるために、神が使わした使徒だった。ラインハルトを倒すことは出来なかったけど、みんなが無事で良かった。そしてみんなに会えて本当に良かった。此処で散る私だけど、幸せだった。ありがとう・・・・・・」

その瞬間私の意識も命の灯火も永遠の闇の彼方へ旅立って行った。

「リーファ!!」
「リーファ!!」
「リーファさん!!」
「提督!!」
「義姉さん!!」
「大将!!」
「おい!リーファ嘘だろう、又ぞろ冗談で目を開けるんだろう。なあそうだろう!!」
「斯くして、麒麟は時の彼方へ旅立つか」

「気を付け、ロボス大将閣下に敬礼」
「リーファ、君のために必ず和平を成功させるよ」


  



ハッと目が覚めた。見たこともない白い天井だ。此処は何処だろ?
腕には点滴が刺さって居るところを見ると病院らしいが、助かったのだろうか?
そうなると随分と恥ずかしい嘘を並べたから、辻褄あわせが大変だな。まあ出血多量による意識の朦朧で済ませばいいか。

ガチャッと言う音共に看護師2人が部屋に入ってきた。
「渡邉さん、お加減は如何かしらね」
「話しかけても、意識不明の重体患者だもん、答えなんか返ってこないって」

「渡邉?私はアッテンボローだけど?」
私の問いかけに、看護師がギョッとした顔をみせた。
「先輩、患者さんの意識が戻ってますよ!」

私の問いかけにも答えずに看護師達はテキパキと動き始める。
「中根、貴方は先生を呼んできて」
「はい」

年上の看護婦は私の方へ向かって来る。
「渡邉さん、貴方は階段から落ちて脳挫傷になって、意識不明で1年間も昏睡状態だったんですよ」
「は?渡邉?」

私はリーファ・ロボス・アッテンボローなのに、この看護士勘違いしているのかな?それに撃たれたのに階段から落ちただなんて、それより1年もたったんじゃ、和平はどうなったんだろう。

「イゼルローン要塞はどうなりましたか?ヤン提督は?」
「はぁ?」
この看護士何も知らないのか?

そう思っていると先生が来て、診察を始めた。
診察が終わり先生に質問する。

「和平はどうなりました?イゼルローン要塞はどうなりましたか?ヤン提督は?」
先生もなんだか?マークが頭の上に出てる状態だ。
「渡邉さん、イゼルローン要塞って、銀河英雄伝説の話ですか?」

えっ?先生も転生者なのかな?
「そうですけど」
「渡邉さん良く聞いて下さいね、貴方は銀河英雄伝説のビデオを見ている最中に階段から落ちて頭を強打して入院したのです。恐らく記憶が混乱して物語とリアルがごっちゃに成ったのではないかと」

えっ、じゃあアレは夢?恐る恐る先生に此処が何処で今日が何時だか聞いてみた。
「先生、此処は何処で、今は何時ですか?」
「此処は、東京中央病院で、今日は平成24年8月14日(火)ですよ」

「えっ、地球ですか?」
私の問いかけにチンプンカンな事を言うなという感じで医者と看護士が見る。
「無論地球の日本ですよ」

じゃあアレは全て夢?あんなリアルな夢だったの?




精密検査を受けて病室でボッーとしていると、おばさんが病室に来るなり、泣きながら抱きついてきた。
「絵美!良かった。意識が戻って良かった!」
「どちら様ですか?」

その言葉におばさんは驚きながら、独り言を言いつつ私に向かい合って話してくる。
「絵美、お母さんですよ」
「えっ」

記憶の混乱で薄くなった、前世だったと思われた記憶から母の顔が浮かんできた。
「あっ母さん」
「良かった。絵美」


それから半年後、私は退院し自宅で養生している。
仕事も辞めて家でニート暮らしだ。

家に戻ってきた荷物をひもといていると銀英伝の小説が見つけられた。
懐かしくて、読んで見ようとしたら、各巻とも所々が真新しい紙に変わって居るのを発見したし巻数が少なくなっていた。

興味につられて読んでみると・・・・。
「何此?」

登場人物の欄にあった名前は・・・・リーファ・ロボス・アッテンボロー 宇宙暦768年7月22日~宇宙暦800年6月1日2時55分  
 

 
後書き
最終回じゃありませんので、リアル引越が終わったから更新します。 
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