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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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絶望の未来IF⑮

 
前書き
原作のセルゲームの悟飯の左腕の負傷は歴史の修正力が働いてる説好き。 

 
悟飯に仙豆を与えて神の神殿に訪れた悟空達。

約束通りに先にベジータと未来トランクスが精神と時の部屋に入った。

「それで次の部屋は誰が入る?」

「私とお父さんが入るよ、未来の私は?」

「私は後でピッコロさんを誘って一緒に入るさ。久しぶりにピッコロさんに技を鍛えて欲しいしな」

未来悟林からすれば本当に久しぶりの師匠との修業であり、魔族の技を鍛え直して欲しいのだ。

「え!?あ、あの…僕は?」

「「1人で入ればいいだろ(じゃない)?」」

1人ハブられる悟飯に2人の悟林からの容赦ない言葉が炸裂する。

「ええ!?そんなぁ…」

「お前は1人で入って、その甘ったれな性格と軟弱な精神を鍛えるんだな、たまには1人で試行錯誤して修業しろ」

「悟飯って動きが単調だから一緒に修業してもつまらないんだよねえ、修業サボってるから効率的なやり方が分からなくなるんだよ。ピッコロさんとお父さんに教えてもらってるから修業のやり方は普通に身に付くでしょうに」

「お姉ちゃん達、ピッコロさんより厳しい…昔は優しかったのになぁ…」

「「悟飯?」」

「ごめんなさい」

悟飯の甘ったれな性格をここまで考えてやっていると言うのに減らず口を言う愚弟に絶対零度の視線を向けると即座に謝る悟飯。

ただし、2人の悟林から拳骨はされた。

「取り敢えず、今はベジータさんとトランクスの修業が上手く行くのを祈るだけだね」

「大丈夫だ。トランクスにもある程度教えている。2通りの進化をな…後は2人がどれだけ意志疎通が出来るかだが…まあトランクスなら大丈夫さ」

「トランクスのこと、信じてんだな」

「当たり前さ、私の弟子だし…私が認めた男だ」

「あなた本当にお姉ちゃんですか?ごはあっ!?」

余計なことしか言わない愚弟の腹に蹴りを入れて吹き飛ばす未来悟林。

もう1人の現代の悟林はそんな弟をゴミを見る目で見ていた。

2人は部屋の方に視線を向け、悟空は苦笑しながら倒れている息子に歩み寄る。

「悟飯、おめえ言い過ぎだぞ。後でちゃんと未来の悟林に謝っとけよ」

「だ、だって未来のお姉ちゃんが僕の知ってるお姉ちゃんじゃないみたいで…」

「おめえとトランクスは違えだろ?未来の悟林にとってトランクスは大事なんだ。トランクスと弟のおめえとじゃ違うのは当たりめえだ。」

「………」

「悟飯、おめえ未来で辛い目に遭ってる姉ちゃんに幸せになって欲しくねえのか?」

未来悟林は9歳の頃に仲間を喪って未来トランクスが闘える年齢になるまでずっと酷い時代を生きてきたのだ。

生きて恋愛や結婚出来るだけでどれだけの奇跡なのか。

「そ、それは…幸せになって欲しいです」

悟飯も自分の知る悟林とのイメージの乖離からどうしても口から出てしまうだけで姉には幸せになって欲しい。

「なら、姉ちゃんのことを悪く言うな。おめえに悪気はねえんだろうけどな、そんなことばっか言ってたらおめえ姉ちゃんに嫌われっぞ。嫌ならそんなこと言うな、分かったな?」

嫌われはしなくても、相手にしなくはなるかもしれないが。

それからしばらく未来トランクスはベジータと共に修業し、超サイヤ人の限界は超えたが、どこか腑に落ちない。

それを感じていた未来トランクスは未来悟林から教わったもう1つの方法もやってみるべきかと考えていた。

「父さん、大分超サイヤ人を超えたパワーに慣れてきましたね……実は俺の時代の悟林さんにもう1つの超サイヤ人を超えるやり方を教わったんです。大分このパワーに慣れてきたので、もう1つの方法を試すなら今が丁度いいんじゃないかと…」

「ほう?どう言うことだ、聞かせろ」

その方法に興味が湧いたのかベジータが促す。

「悟林さんは、一番最初の超サイヤ人に徹底的に慣れることだと言っていました。基本の超サイヤ人に体を慣らして超サイヤ人の力を引き出すと…」

「なるほどな、普段から超サイヤ人の力に体を慣らしておけば戦闘力を上げても体への負担が僅かで済むと言うことか…考えやがったぜ」

「この際、両方を試してみませんか?どちらが有効なパワーアップなのか」

「良いだろう、なら寝る時以外は超サイヤ人のままだ。」

ベジータも未来悟林の考えの有効性を理解し、残りの時間を超サイヤ人を慣らすことに費やすことに。

そして未来悟林のもう1つのやり方のパワーアップは今までの修業とは比べ物にならない程で、慣れていくのと同時に超サイヤ人特有の興奮状態の解消とエネルギーの効率が良くなっていくのを感じた。

確かにこの修業方法は過酷で落ち着かない未来では出来ないだろう。

「チッ、頭に来るが…認めるしかあるまい。あいつもまた天才だとな」

「はい、やっぱり悟林さんは凄いです。」

誇らしげに言う未来トランクスにベジータが口を開く。

「貴様は運が良い、貴様に闘いを教えていたのが悟林でなければ実力は部屋に入る前より低かっただろうぜ。」

地球人のクリリン達やナメック星人のピッコロ、同じ混血でも地球人の性質が強い悟飯ではサイヤ人の闘い方を教えるなど出来なかっただろう。

未来トランクスが過去に来るまでの実力は、未来悟林が未来トランクスにマンツーマンで指導できたのも大きい。

かなりの影響を受けているのか未来トランクスと手合わせしていると性格とは裏腹に闘い方に悟林の攻撃的な容赦のなさが見える。

「…俺の師匠は悟林さんだから、他の人達がどういう教え方をするのか分かりません。でも、俺が強くなれたのは悟林さんのおかげです。だから俺は強くなりたいんです。母さんやみんなを守りたいし、それが俺を強くしてくれた悟林さんへの恩返しになると思いますから」

「ふん、それがお前の目標なら好きにしろ。だが、サイヤ人の王族なら…男ならせめて自分の女よりは強くなるんだな」

「え!?」

「あんな態度を取っていて気付かれないと思っていたのか?あんなのに気付かないのは余程の馬鹿くらいだぜ」

一方部屋の外。

「ハクション!!」

「何だ悟飯、風邪か?」

「お前のような部屋から出ない能天気馬鹿でも風邪引くんだな」

「1日中部屋に引きこもって不摂生してるからだよ全く」

因みにピッコロも謎の悪寒を感じていたが、くしゃみはしなかった。

ナメック星人に性別はないのである。

取り敢えず悟飯はどうするかは分からないが、超サイヤ人になれるようにはしておいた。

どんな修業をするにしても超サイヤ人にならなければ話にもならないからである。

そしてしばらくしてピッコロが人造人間と闘うことになり、悟飯が助けに行こうとするが、未来悟林に足払いされて転倒する。

「な、何をするんですか!?」

「何をするんだだと?それはこっちの台詞だ。ピッコロさんの元に向かうのは私が許さん」

「そ、そんな!?どうしてですか!?ピッコロさんが殺されるかもしれないのに!!」

「お前が行った所でピッコロさんの邪魔にしかならない。お前に出来るのはピッコロさんの足を引っ張ってピッコロさんを死なせることくらいだ…超サイヤ人のコントロールさえまともに出来てない未熟者が」

「み、未来のお姉ちゃんはピッコロさんが死んでも良いって言うんですか!?」

「お前、何のために私達がここに集まってると思ってるんだ。私達がピッコロさんより弱いから強くなるためにここに集まったんだぞ。強くなるためにな、ピッコロさんもそれを理解している。だから下界に残ってくれてるんだぞ、セルや人造人間のこともあるにしろな。お前のやろうとしていることはピッコロさんの努力を水の泡にしようとしているんだ。それを理解しろ馬鹿」

感情に任せて無謀な突撃をする悟飯に自分の世界の、自分ならまだしもチチやたくさんの人を悲しませたこちらの悟飯を思い出してか未来悟林の声はどこまでも冷たい。

「悟飯、言うことを聞きなさい。そう言うのは相応の実力がないと駄目。大体お前が行ってピッコロさんの何の役に立つのさ?足引っ張るのが関の山だよ。ここに残ってなさい」

悟林も冷静に感情的になっている弟を諌めるが、悟飯もカッとなって反論した。

「僕は…僕はお姉ちゃん達みたいにピッコロさんが死んでも平気な薄情者じゃないんだ!!」

「「はあ?」」

2人の悟林の表情から感情が消え、手に気が纏われる。

「僕はピッコロさんを助けに…うわあっ!!?」

「「え!?」」

2人が殴るよりも先に悟飯を殴ったのは悟空であった。

「お、お父さん…?」

「と、父さん…」

「悟飯、気持ちだけでどうにかなるわけねえだろ!ピッコロだって今じゃあ信じられねえような達人になってんだ。頭を冷やせ!!そして今すぐ姉ちゃん達に謝れ!!!」

2人の悟林が悟空の怒声に頭が冷え、悟飯も頭が冷えたようで、普段怒らない人間が怒鳴った時の威力を身を以て知る3人である。

「ご、ごめんなさい…」

「「ふん」」

悟飯の謝罪に対して2人の視線と反応はどこまでも冷めていた。

歴史の修正が働いているかのように姉弟仲が悪化している。

悟飯は確かに優しい子供だが、同時に感情に任せてしまうところもある。

今回はそれが最悪な形で出てしまい、悟空はこの重い空気に深い溜め息を吐くしかなかった。

途中でセルの気が動き出し、2人が出てこないままセルの気が大きく膨れ上がった。

人造人間のどちらかが吸収されたとしか思えない。

ピッコロが既に倒され、天津飯が気功砲を撃つ。

けれど一発撃つごとに、どんどん天津飯の気が落ちていく。

どう考えても並みの減り方ではない。

こんなに急激に減らし続けては命が危ういのに、それでも天津飯は撃ち続け、ついには力尽きて動かなくなった。

悟空が瞬間移動で天津飯を、そして辛うじて生きていたピッコロを助け出した。

ピッコロ達に仙豆を食べさせて悟空からセルのことを聞くと空気が重くなるが、ようやくベジータと未来トランクスが部屋を出たようで、全員が部屋の前に向かうのだった。 
 

 
後書き
小説本編は未来悟飯で悟飯の気持ちを理解出来るから穏便に終わったけど、厳しくリアリストな姉相手には暴言が出てしまった。

そして悟空も父親モードで叱るし、心労凄そう。

因みに超サイヤ人慣れルートに入ったからベジータと未来トランクス強くなりました。 
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