下書き(Art of War Leviathan 兵法伝説リヴァイアサンラフ置き場)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
7話雷神 ⑥キモいモンスターに侵食される一花
## ⑥ 捕まる一花(侵食イベント)
ドンッ!!
巨大モンスターが跳ぶ。
速い。
「え――」
避ける間もない。
ぬるっ
腕。
足。
腰。
一瞬で絡まれる。
「ちょ、ちょっと待って!!」
引っ張られる。
床を滑る。
「やめてってば!!」
ズルッ
完全に捕まる。
(やばい)
そのとき。
ぬるっ
体の表面を何かが這う。
「……っ!?」
冷たい。
でも。
それだけじゃない。
じわっ
中に、入ってくる感じ。
「なにこれ……」
「やだ……」
ぞわぞわする。
気持ち悪い。
でも。
同時に――
(……あれ?)
何かが“分かる”。
魚モンスターの動き。
連携。
感覚。
(これ……)
ヒロシが叫ぶ。
「侵食型か!!」
「能力を取り込むタイプだ!」
(いらないよそんなの!!)
でも。
さらに。
ぐにゃっ
モンスターの腹が割れる。
「……え」
中。
真っ黒。
大きな口。
開く。
ギチッ
「ちょっと待って」
私は叫ぶ。
「これコメディだよ!!」
誰に言ってるか分からないけど叫ぶ。
「そんな!」
口が近づく。
「入ってこないでぇ!!」
飲み込まれる。
ズルッ
暗い。
「残酷描写は自重して!!」
(遅い)
その瞬間。
外。
雷牙が叫ぶ。
「離せえええ!!」
ドンッ!!
殴る。
でも。
ビクともしない。
「くそっ!!」
さらに殴る。
無理。
ヒロシが叫ぶ。
「効かない!装甲が厚い!」
「内部に衝撃通すしかない!」
(中って私いるんだけど!?)
外。
雷牙、止まる。
深く息を吸う。
「……」
構える。
オーラ、収束。
ライオンの形が、さらに濃くなる。
「一発で終わらせる」
(やめて)
「うおおおおお!!」
ドンッ!!!
拳が叩き込まれる。
内部まで響く。
「うわあああ!!」
(普通に痛い!!)
その瞬間。
ぐにゃっ
モンスターの体が歪む。
バッ!!
口が開く。
「……っ!」
ズルッ
吐き出される。
ドサッ
床に落ちる。
「……げほっ、げほっ」
息が戻る。
視界、戻る。
「……生きてる」
(よかった……)
雷牙が立ってる。
息荒い。
「大丈夫か!」
「大丈夫じゃない!!」
即答。
私は立ち上がる。
ふらつく。
でも。
体、動く。
(……あれ?)
少しだけ、感覚が違う。
ぬるっ
手元に残る感触。
(さっきのやつ)
ヒロシが近づく。
「……どうだ?」
「なんか」
私は手を見る。
「ちょっと分かるようになった」
(いらないけど)
ヒロシ、うなずく。
「やっぱりな」
「侵食で能力取得」
(だからいらないって)
私はため息をつく。
「……はあ」
「ほんと何これ」
でも。
まだ終わってない。
目の前。
巨大モンスター。
まだ立ってる。
(マジかよ)
私は小さくつぶやく。
「……ないない」
「そんなのあり得ない」
でも――
ある。
しかも今回は、
ちょっとだけ“できること”が増えてしまった。
(やだなこれ)
私はもう一度、構えた。
後書き
雷牙の一撃で、一花が吐き出される。
ドサッ
「……げほっ、げほっ」
息を整える。
その前で。
雷牙が立っている。
肩で息をしながら。
でも、まだ構えてる。
オーラ、残ってる。
ライオンの影が揺れる。
「……」
一瞬、静かになる。
そのとき。
「……すげえ」
アキラがぽつり。
目、キラキラ。
完全に見惚れてる。
「雷牙さん……カッコいい……」
(出た)
その横で。
陽菜も。
「……」
じっと見てる。
いつもの勢いがない。
顔、少し赤い。
完全に――
乙女。
(あ)
一花、思わず声に出す。
「めっちゃ乙女顔で浸ってる!?」
二人、ビクッとする。
「なっ!?」
陽菜、慌てて顔をそらす。
「そ、そんなことねえし!!」
アキラもバタバタする。
「ち、違うぞ!!」
(いや分かりやすすぎる)
その間にも。
モンスターは動いてる。
ぐにゃっ
体を立て直す。
「来るぞ!」
ヒロシが叫ぶ。
雷牙、前に出る。
「任せろ」
(いや任せすぎ)
私はため息をつく。
「……はあ」
「戦闘中なんだけど」
誰も聞いてない。
私は小さくつぶやく。
「……ないない」
「そんなのあり得ない」
でも――
ある。
この世界では、
戦闘中でも恋愛は進行するらしい。
(意味わかんない)
ページ上へ戻る