| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

下書き(Art of War Leviathan 兵法伝説リヴァイアサンラフ置き場)

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

7話雷神 ⑤雷神降臨www

 
前書き
## ⑤ 侵入(最悪の攻撃)

ぴちっ

ぴちぴちぴち

「……っ!?」

一匹が、服の隙間に入り込む。

「ちょっ……!」

次の瞬間。

ぬるっ

中。

服の中。

ビチビチビチビチ

「いやあああああ!!」

陽菜が叫ぶ。

「入ってきた!!中に!!」

息吹も顔を歪める。

「……っ、キモい!!」

アキラも固まる。

「うわあああ!!やめろ!!」

全員、同時にパニック。

ぬるぬるぬる

中で動く。

逃げ場、なし。

(最悪なんだけど)

私も思わず叫ぶ。

「悪意あり過ぎな位置に入ってこないでぇ!!」

(狙ってるよねこれ!?)

ぴちっ

また一匹。

ぬるっ

「やめてってば!!」

もう完全に制御不能。

そのとき。

アキラが叫ぶ。

「雷牙さん助けて!!」

必死。

完全に頼ってる。

その視線。

キラキラしてる。

その横で。

陽菜。

一瞬だけ。

じっと雷牙を見る。

顔、ほんの少しだけ変わる。

(あ)

完全に乙女顔。

でもすぐに。

「……っ!」

顔をそらす。

(ややこしいなこれ)

そのとき。

「……」

雷牙。

止まってる。

全身、ぬるぬるに絡まれてる。

でも。

目だけが変わる。

ギリッ

歯を食いしばる。

「……いい加減にしやがれ」

低い声。

空気が変わる。

バチッ

音。

電気じゃない。

でも似てる。

体の周りに、何かが集まる。

ヒロシが目を見開く。

「……来るか」

ドンッ

圧。

見えない何かが広がる。

ぬるっ

絡みついていたモンスターが、少しだけ弾かれる。

「……っ!?」

雷牙、拳を握る。

「うおおおおお!!」

バチバチバチッ!!

体から噴き出す。

黄金色のオーラ。

形を持つ。

獣。

ライオン。

「……は?」

私は固まる。

「何それ」

雷牙、踏み込む。

ぬるぬるを無理やり引きちぎる。

「邪魔だ!!」

ドンッ!!

一歩で床が揺れる。

オーラが、唸る。

ライオンが咆哮するみたいに。

「うおおお!!」

腕を振る。

ぴちぴちぴち

魚モンスターが弾ける。

消し飛ぶ。

周囲、一気に吹き飛ぶ。

「……え」

陽菜、呆然。

息吹も止まる。

アキラ、目を輝かせる。

「すげえ……!」

雷牙、前に出る。

「全部まとめて来い!!」

完全に別物。

さっきまでの拘束が、嘘みたいにほどけていく。

(なにこれ)

ヒロシが低く言う。

「魔法じゃない……」

「別系統だ」

(いやもう何でもありかよ)

私は一歩下がる。

でも。

目が離せない。

黄金のライオンが、そこにいた。
 

 
雷牙のオーラが膨らむ。

バチバチバチッ!!

「まとめて消えろ!!」

ドンッ!!

電撃が走る。

教室全体に広がる。

ぴちぴちぴちぴち

魚モンスター、まとめて痙攣。

弾ける。

床に落ちる。

動きが止まる。

「……っ!」

私は思わず声を上げる。

「しびれるー!」

体、ビリビリする。

「私たちにも当たってるよ!!」

(加減しろ!!)

でも。

その横で。

アキラと陽菜。

「雷牙さぁん!ふぅ……///」

「はぁ……///」

(え?)

二人とも、妙に息が荒い。

顔、赤い。

「……」

(喜んでない?)

一瞬、理解が止まる。

そのとき。

「み、みんな……!」

机の影から、ひょこっと顔が出る。

沢。

(隠れてたんだ)

「ごめんね……!」

おろおろしながら出てくる。

「回復するね……!」

両手を前に出す。

淡い光。

ふわっ

霧みたいに広がる。

教室全体を包む。

「……あ」

温かい。

さっきのビリビリが、すっと消える。

体、軽くなる。

「気持ちいい……」

思わずつぶやく。

陽菜もほっとした顔。

「助かった……」

アキラも深呼吸。

「すげえなこれ……」

雷牙も肩を回す。

「いい感じだな」

ヒロシが頷く。

「立て直したな」

(なんとか助かった……)

私は少し力を抜く。

でも。

その瞬間。

ぐちゃっ

嫌な音。

床の上。

さっき倒した魚モンスター。

その残骸。

ぬるっ

動く。

「……え?」

ぐにゃ

ぐにゃぐにゃ

集まる。

絡む。

膨らむ。

「ちょっと待って」

「それやばいやつじゃない?」

次の瞬間。

ドンッ!!

巨大な塊が立ち上がる。

魚。

でも。

足、カエルみたい。

体、ぐちゃぐちゃに合体してる。

目、いっぱい。

口、でかい。

「……」

「……キモ」

誰かが言う。

完全に同意。

ヒロシが低く言う。

「融合型……」

「群体の上位か」

(強そうな言い方やめて)

モンスターが一歩踏み出す。

ドンッ

床が揺れる。

空気が変わる。

「……っ」

さっきまでとは、明らかに違う。

私は息を飲む。

(これ)

(さっきのよりヤバい)

雷牙、前に出る。

オーラ、まだ出てる。

「いいじゃねえか」

(いやよくない)

陽菜も構える。

「やるしかねえな」

息吹も炎を強める。

「望むところだ」

アキラ、拳を握る。

「今度こそぶっ飛ばす!」

沢、後ろで支える。

「大丈夫……きっと……!」

ヒロシ、目を細める。

「……ここからが本番か」

私は小さくつぶやく。

「……はあ」

「やっぱりそうなるよね」

さっきまでの平和、終了。

完全に。

第二ラウンド、開始だった。
 
 

 
後書き
## (同時刻・闇乃サイド)

トイレ。

個室。

※見せられません

「……っ」

ぐったり。

闇乃、便座に座ったまま動かない。

顔色、最悪。

「……なめてたわ」

ぽつり。

「冷却効率を……優先しすぎた」

(ただの飲みすぎ)

壁に頭を預ける。

「……ふふ」

弱々しい笑い。

「戦場では……判断ミスが命取り……」

(いや日常でやらかしてるだけ)

ゴロ……

遠くで雷の音。

闇乃、ゆっくり目を開ける。

「……来てるわね」

少しだけ、眉をひそめる。

でも。

立たない。

立てない。

「……今は……無理……」

(そりゃそう)

深く息を吐く。

「……5分」

小さく呟く。

「それくらいなら……持つでしょう」

完全に他人任せ。

でも。

信じている。

「……頑張りなさい」

ぼそっと。

誰にともなく言う。

そして。

再び目を閉じる。

「……ふふ」

弱い声。

でも。

どこか楽しそうでもあった。

(メインヒロインとは)

外では――

すでに修羅場だった。



(久遠さん……)

私は巨大モンスターから距離を取りながら思う。

(あのピーー女)

ぬるっ

足元をかすめる。

「うわっ!」

ギリで避ける。

(肝心な時にいない)

さっきまでいたのに。

一番必要なタイミングで。

消える。

(なんで!?)

雷牙が前で殴ってる。

陽菜と息吹が炎で応戦。

アキラが光を撃つ。

沢が回復。

ヒロシが指示。

(みんな頑張ってるけど)

(やっぱり一枚足りない)

あの、理不尽な制圧力。

全部まとめて終わらせるやつ。

それがない。

(……いや)

私は首を振る。

(ないならないでやるしかない)

目の前。

巨大な魚カエルモンスター。

ぬるぬるしてる。

でかい。

キモい。

(ほんとキモいなこれ)

私は深く息を吸う。

「……ないない」

「そんなのあり得ない」

でも――

ある。

そして今回は。

その“あり得ない”を、

自分たちでどうにかしないといけない。

(……やるしかないか)

私は一歩、前に出た。



 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧