〜独白〜黒衣の除霊師……ゴミ置き場
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針供養
「今日は、12月8日よ」
「黒板に書いてあるな」
「事八日よ」
「稲刈り終わりだな」
「仕事納めね」
「ああ」
古来、稲刈りとはこの日付までやって、次の年の2月8日にまた始める………んな習慣だった気がする。
「……………………」
「……………………」
「…………もっと、何かない」
「ん……?2月に仕事始めって事だろ?」
「他に何か無いって事?」
「………何かあったか?」
眠い頭をに鞭打って、すこし強引に捻ってみる………
「物忌み………?」
「……妖怪が出やすくなる日でもあるわね」
季節の移り変わり目でもある、この日にはそんな言い伝えが昔からあったんだよな………
「早く帰って寝ないと、妖怪に出会っちまうな」
「さっき、(学校に)来たばっかでしょ……!と言うより、ここでもいつも寝てるじゃない」
「例えばの話だよ……」
「もっと他に無いの?」
随分食い下がるな。
日々、オカルトに関わってると言ってもそこまで詳しい訳じゃない。
鍛錬を積んで、それに合わせて知識も吸収してるけど、それもあってか俺達の知識は身体や霊気操作に偏重してる。
なので、俺は両手を上げて愛子の質問に降参の意を示す。
「わかんね……何があるんだ?」
「もぅ……今日は『針供養』とも言って、使えなくなった針を豆腐に刺して労ってあげるのよ」
「……何で、豆腐に刺すの?」
「労るって、言ったでしょ。刺すのは、『こんにゃく』とかでも良いけど、要は今まで硬い物ばかり刺して頑張って来たから、最後は柔らかい物を刺させて「御苦労様」って伝えてあげるのよ」
「なるほど……」
「物を大切にしなきゃいけないって言う、ありがたい習慣よ♪」
得意気なだな……
少し胸をと顎を反らせて、鼻高々なポーズを取ってる。これがピノキオだったら、鼻がピーンと伸びるんだろうか?
まぁ、それはそれとして………
「お前……針なんか使ってたか?」
何故、それをこのタイミングで言ったのか解らない。それとも、俺が見てないだけで普段から裁縫でもしてるのか?
「それをしてあげないと、針に怨念が宿って『付喪神』として人間に悪戯しちゃうのよ」
「痛そうだな……」
色んな所から、針が生えて来てチクチクと体に刺さる。
余り楽しい、想像とは言えねぇな……
「物を大切にしなきゃいけない良い教訓よね♪だから__」
「お前を大事にしろってか……?」
「そう♪」
「皆、お前を大切にしてるぞ……」
多分………
「あなたが言うと、余り説得力がないわね……」
「何故………?」
「(机に)ヨダレ垂らして寝てるのを見ると、彼が可哀想になるのよ」
「(俺の机)こいつ、男なの?」
「女の子かもしれないわね」
「どっちなんだよ?」
「どっちでも、大切にして欲しいの!せめて、ヨダレは綺麗に拭いてあげて」
「今は、垂らしてないだろ……」
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