| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

〜独白〜黒衣の除霊師……ゴミ置き場

作者:wood12
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

針供養

「今日は、12月8日よ」
「黒板に書いてあるな」

「事八日よ」
「稲刈り終わりだな」

「仕事納めね」
「ああ」


 古来、稲刈りとはこの日付までやって、次の年の2月8日にまた始める………んな習慣だった気がする。


「……………………」
「……………………」

「…………もっと、何かない」
「ん……?2月に仕事始めって事だろ?」

「他に何か無いって事?」
「………何かあったか?」


 眠い頭をに鞭打って、すこし強引に捻ってみる………


「物忌み………?」
「……妖怪が出やすくなる日でもあるわね」


 季節の移り変わり目でもある、この日にはそんな言い伝えが昔からあったんだよな………


「早く帰って寝ないと、妖怪に出会っちまうな」
「さっき、(学校に)来たばっかでしょ……!と言うより、ここでもいつも寝てるじゃない」

「例えばの話だよ……」
「もっと他に無いの?」


 随分食い下がるな。

 日々、オカルトに関わってると言ってもそこまで詳しい訳じゃない。

 鍛錬を積んで、それに合わせて知識も吸収してるけど、それもあってか俺達の知識は身体や霊気操作に偏重してる。

 なので、俺は両手を上げて愛子の質問に降参の意を示す。


「わかんね……何があるんだ?」
「もぅ……今日は『針供養』とも言って、使えなくなった針を豆腐に刺して労ってあげるのよ」

「……何で、豆腐に刺すの?」
「労るって、言ったでしょ。刺すのは、『こんにゃく』とかでも良いけど、要は今まで硬い物ばかり刺して頑張って来たから、最後は柔らかい物を刺させて「御苦労様」って伝えてあげるのよ」

「なるほど……」
「物を大切(・・)にしなきゃいけないって言う、ありがたい習慣よ♪」


 得意気なだな……

 少し胸をと顎を反らせて、鼻高々なポーズを取ってる。これがピノキオだったら、鼻がピーンと伸びるんだろうか?

 まぁ、それはそれとして………


「お前……針なんか使ってたか?」


 何故、それをこのタイミングで言ったのか解らない。それとも、俺が見てないだけで普段から裁縫でもしてるのか?


「それをしてあげないと、針に怨念が宿って『付喪神』として人間に悪戯しちゃうのよ」
「痛そうだな……」


 色んな所から、針が生えて来てチクチクと体に刺さる。

 余り楽しい、想像とは言えねぇな……


「物を大切(・・)にしなきゃいけない良い教訓よね♪だから__」
「お前を大事にしろってか……?」

「そう♪」
「皆、お前を大切にしてるぞ……」


 多分………


「あなたが言うと、余り説得力がないわね……」
「何故………?」

「(机に)ヨダレ垂らして寝てるのを見ると、彼が可哀想になるのよ」
「(俺の机)こいつ、男なの?」

「女の子かもしれないわね」
「どっちなんだよ?」

「どっちでも、大切にして欲しいの!せめて、ヨダレは綺麗に拭いてあげて」
「今は、垂らしてないだろ……」


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧