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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0079話

「今戻った」

 アースクレイドル内部のシャドウミラーに割り当てられた区域にある作戦室へと戻ってくると、部屋の中にいたレモンとヴィンデルへと声を掛ける。
 もちろん量産型Wも多数いて作業をしているのが、こいつらは基本的に機械のようなもので自我がない。言われた事をやるという分には優秀なんだが。

「アクセル、良くやってくれた。バンも感謝していた」
「まぁ、戦力的にはそれ程厳しくはなかったが、あの状態の機体での戦闘はあまりしたくないな。……レモン、オーバーホールを頼む」
「任せて。後、あっちのテスラ研で接収した部品を使っての強化もする予定だから楽しみにしていてね」
「こっちに転移する前に考えていた奴か?」
「そう、それ。あの時は考えてる途中で送り狼が来ちゃったから考えを途中で止められたけど、こっちに転移してきてからそれなりに時間はあったからプランは完璧よ」
「どのくらい掛かる?」
「そうね。機体のレポートを見たけど、相当酷い状況よ。ファントムも新規に製造しなきゃいけないし……最低でも10日間くらいと考えておいて頂戴」
「10日間、か。その間に出撃する場合に使える機体は何がある?」
「アクセルの操縦についていけるという事を考えると、テスラ研から接収したヴァイサーガくらいしかないわね。グルンガスト参式はW15用に調整中だし、ソウルゲインはアギュイエウスを組み込んでヴィンデルの専用機に改造中だし」

 ヴァイサーガか。個人的には好きな機体なんだが、ソウルゲインと同じく近接戦闘用の機体なんだよな。アダマン・ハルパーを使うようになってから近接戦闘もそれなりにこなすようにはなってきたが、あくまでも俺の得意分野は射撃による中~遠距離戦だ。それを考えるとちょっと難しい所なんだが……

「贅沢は言ってられない、か」
「そういう事ね。でも、アクセルなら何に乗っても大丈夫って気がするのは私だけかしら?」
「いや、私もその意見には賛成だ」
「おいヴィンデル、お前まで」
「観念しなさいな。こういう時こそ日頃の行いが物を言うのよ」

 ……劣勢だな。と言うか、この2人を相手に俺が口で勝てる訳がない。ここは話題を変えるか。

「そういえばW15はどうなった?」
「また、露骨に話題を変えてきたわね。まぁ、今回は乗って上げる。W15は現在アースクレイドルのメインコンピュータとも言えるメイガスとリンク中よ。それと併せて『ゼンガーを倒せば真のメイガスの剣となる』と目的意識を与えたのが功を奏したのか、以前のように不安定になる事はなくなったわ」
「ほう、なら使えるのか?」
「そうね。ただ、さっきも言ったけど、W15用の機体がまだ完成してないのよ。90%以上は完成してるから後は調整だけなんだけど」

 恐らくレモンの事だから、グルンガスト参式も原作のようなものではなくカスタム化されているのだろう。いや、カスタム化されてるからスレードミルゲルなのか。
 と、その時ふとアラドとゼオラの事を思い出す。
 あの2人は子供の時にメイガス・ケーナズを教育用コンピュータとして接してきただけにその辺からの連想だろう。

「今回助けに行った部隊にアラドとゼオラという2人がいたらしいが、知ってるか?」

 唐突に出された名前に疑問を感じながらも首を振るレモン。ヴィンデルも同じく知らないようで尋ねてくる。

「誰だ?」
「何でもスクールとかいう優秀なパイロットを育成する為の特殊教育機関の出身らしいんだが、それが解散した後にこのアースクレイドルで研究が進められていたらしい」
「ふむ、それで?」
「アーチボルドの部隊の指揮官に聞いた話だと、アギラとかいう研究者が引き取っているらしいんだが……そのパイロットの様子を聞いた時に妙な感じがしてな」
「妙?」
「ああ。不自然に情緒不安定と言うか、言ってる事が支離滅裂と言うか」

 アギラ、という名前を出した途端レモンの眉が不愉快げに寄せられる。

「アギラ、ねぇ。確かにあの性格なら薬物投与や暗示による精神操作なんかも平気でするかもしれないわね」

 やはり同じ科学者だけあって面識があったのだろう。だが、レモンの様子から察するにあまり好意を感じてはいないようだ。
 と言うか、あの婆さんの事を知ってるなら普通はそうなるか。

「科学者としてはそれなりに優秀と言えるのかもしれないけど、倫理観が完全に破綻しているタイプね。科学者なんて多かれ少なかれ倫理観より自分の知的好奇心が優先されるものだけど、彼女はそれが際立っているわ」
「……危険だな」

 ボソッとヴィンデルが呟く。

「その知的好奇心が自分達の研究にだけ向いていれば問題は無いが、私達はその好奇心を刺激するような技術を持ちすぎている」

 次元転移装置であるアギュイエウス、永久機関の時流エンジン、スクールのブーステッド・チルドレンと似て非なる者、Wナンバーズ。特脳研出身者という事は、レモンが開発したT-LINKシステムも危ないかもしれない。
 確かにこうして考えてみるとアギラを刺激しそうな技術のオンパレードだ。
 そして何より、俺の能力の事が知られたらまず間違いなく実験体として狙われる事になるだろう。

「不幸な事故に遭ってもらうか?」
「ふむ、それも手段としては考えられるが……レモン、そのアギラとかいう科学者、優秀は優秀なんだな?」
「ええ、そうね。ただ、彼女の研究テーマが『人間の感情が戦闘に及ぼす影響』というものなのよ。その為に色々と非人道的としか言えないような行為をしているらしいわ。……利用するつもり?」
「ああ。人格はともかく能力があるのならこちらで注意を払えば制御出来るだろう」
「私としては彼女よりもその部下のクエルボ・セロの方をお勧めするわ。科学者としての能力は多少落ちるかもしれないけど、少なくても倫理観に関して言えばアギラとは比べものにならない程に高い」

 原作でもアラドやゼオラの名前を与えたりしたのはクエルボ・セロだったな。彼の不運はアギラの下に配属された事、それに尽きる。
 取りあえず、ヴィンデルの様子を見るに早期のアギラ暗殺は難しいと考えた方がいいな。俺としてはオウカを殺す事なく無事にアラド達の下へと届けてやりたかったんだが。例えその行為が偽善であるとしても、俺の為にアインストやインスペクター等を倒して貰うのだ。そのくらいの報酬はあってしかるべきだろう。

「取りあえずそのアギラとかいうのに1度会ってみたいんだが、レモンの方から紹介して貰えるか? ヴィンデルにしても人の話だけで判断するよりも自分で実際に会ってみた方がいいだろう?」
「ふむ、それはそうだな。レモン、頼めるか?」
「ちょっと待って。今確認してみるわ」

 近くにある通信装置を取り、どこかへと連絡をする。アギラがわざわざこちらと会うのに時間を使うとも思えないし、そうなるとクエルボかフェフのとちらかだろう。

「……OK、フェフ博士から許可を貰ったわ。これからすぐになら大丈夫だそうよ」
「ふむ、では行くとするか」

 ヴィンデルの言葉に頷き、レモンの先導に従い後をついていく。





「ここよ」

 シャドウミラーに割り当てられた区画から移動する事10分程。かなり大きな部屋の前へと辿り着く。
 レモンの言葉から察するに、ここがアギラに割り当てられた施設らしい。

「失礼するわね」

 その部屋へと躊躇無く入っていくレモンの後に続き、俺達も部屋へと入る。
 部屋の中にはレモンの量産型WやWナンバーズで既に見慣れたシリンダーが所狭しと並べられている。そのうちの1つ、妙に大型なそれの前に緑の髪と長い鼻の老婆、アギラ・セトメの姿があった。
 そしてシリンダーに満ちた液体の中には水着のようなものを着たオウカの姿があり、その顔には妙な装置をつけている。恐らくあれが洗脳や暗示、記憶の書き換えをする為の装置なのだろう。

「さあ、目を覚ますんじゃアウルム1。ワシの可愛い娘。お前の出番が来たぞ」
「……母様……」
「気分はどうかえ? アウルム1」
「……悪くありません」
「そうかい。それは良かったのう、フェフェフェ」
「母様、弟や妹達は……?」
「もう目覚めておる。お前も早う支度をするんじゃ」
「はい……」

 恐らく、あの顔についていた装置が通信機能にもなっているのだろう。シリンダーの中にいる筈のオウカからの声が聞こえて来る。そして中身の液体が排出され、オウカがシリンダーから出てきた。

「母様、そちらは?」

 オウカのその声でようやくアギラは俺達に気が付いたのか、睨みつけるようにこちらへと視線を向ける。

「なんじゃい、秘密主義のお主等がワシの研究室に何の用じゃ? そもそも誰の許可を得てここにおる?」
「フェフ博士から許可は貰ってるわ」

 レモンの声にフン、と鼻で笑いつつもそれ以上文句は言わない。このアースクレイドルの実質的な責任者であるイーグレット・フェフの名前は伊達ではないのだろう。

「貴方は滅多に研究室から出てこないからまだ面識がなかったと思ってね。私の上司のヴィンデル・マウザーと、同僚のアクセル・アルマーよ」
「シャドウミラー隊の指揮を執っている、ヴィンデル・マウザーだ」
「同じく、シャドウミラー隊の実戦部隊を指揮しているアクセル・アルマーだ」
「ふん、お主等を紹介してもらったとて一銭の得にもならんわ。それとも何か? お主等が秘密主義者よろしく隠している技術でも公開する気になったのか?」

 その目がギラリと輝いたのが、アギラという人物がどのような人物なのかを如実に表している。
 自分の知識欲を満たす為なら何をやってもいい。否、許されると思い込んでいる。
 ……消すか。
 ふと発作的にそんな考えが頭をよぎる。だが、そんな俺を見て何かを感じたのだろう。オウカがアギラの前へと進み出る。

「すみませんが、調整が終わったばかりで少し疲れているのです。母様にまだ何かありますか?」
「……いや。今回はただの顔合わせとして来ただけだ。目的はもう十分果たした」
「そうですか、では私と母様はこの辺で失礼させて貰っても?」

 そう言いながらも、オウカの目は油断無く俺の一挙手一投足を警戒している。
 ここで仕掛けるのは無理だな。
 正確には無理ではないが、その場合はオウカも巻き込んでしまう事になる。オウカを救う為にオウカを殺すなんて事になっては目も当てられない。

「まぁ、いい。ワシも細かい事でグチグチとは言いたくないからの。だが次に来る時には土産の一つも持って来る事じゃな。あのW15なんかは興味深いのう」

 メイガスとリンクしているウォーダンに興味を持ったのか? まぁ、Wナンバーズに使われている技術はレモン独自のかなり高度なものだ。やはり科学者としては興味があるのだろう。

「さて、さすがにそうほいほいとこちらの技術を渡す訳にはいかないな。だがまぁ、検討はしておくとしよう。では私達はこの辺で失礼させてもらう」

 ヴィンデルの後に続き、レモンと共に研究室を出る。
 俺が部屋から出るまで背中へオウカのものと思われる視線が突き刺さっていた。

「どうだった?」

 研究室を出て数分経ち、もう話しても大丈夫だと判断したレモンが口を開く。

「そうだな。かなり危ういが使いこなす事が出来るのなら有用だろう。だが……」
「ええ、あれは諸刃の剣よ。下手をすれば使う側の私達まで怪我をする事になる」
「アクセル、お前はどう思った?」
「そうだな、個人的には好みじゃないとだけ言っておく。あの手の輩は下手に背を見せると嬉々として後ろから斬りかかってくるぞ」
「ふむ、注意しておこう。ならしばらくは様子見だな」

 ひとまずの結論が出た丁度その時、量産型Wの1人がこちらへと向かってくる。

「ヴィンデル様、バン大佐が話があるので司令室まで来て欲しいとの事です」
「分かった。すぐに向かおう。では、な」

 軽く手を振り、司令室へと向かうヴィンデル。

「私もグロウセイヴァーのオーバーホールがあるからこれで失礼させてもらうわ。アクセルはまだアースクレイドルの中を見て回ってないでしょ? この機会に見学してきたら?」
「そうだな、そうさせてもらおう」

 レモンと別れ、アースクレイドルの見学をするべくシャドウミラーの区画から出て行く。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:25
PP:135
格闘:206
射撃:224
技量:216
防御:213
回避:241
命中:263
SP:342
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:100 
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