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色々一発ネタ

作者:七織
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切嗣さんが可愛いお姉さんを召喚しましたー

 
前書き
四次IF物。
これもなろう時代にレギオスの後書きで載っけたやつ 

 
「聖遺物が届いていない?」
「ええ。どうやら、雪で配送が遅れていて今日中に届かなくなってしまったって」
「それはまた、アハト翁も手配の悪いことで……」
「まったくよね……はぁ」

 溜息を吐く妻のアイリを見ながら、少し思考し立ち上がる

「……いや、ある意味では有り難いかもしれない」
「どうして?」
「今日届く、という事で僕達は準備していた。陣も描いて、だ。なら、届かなくなったという事を理由に、先に召喚の儀をしてしまってもある程度は言い訳できるだろう? 陣が勝手に起動したとか適当に言えばいい。自分に合わないサーヴァントを与えられる位なら、触媒なしでした方がずっといい。僕が呼ぶならきっと、アサシンかキャスター辺りが宛がわれるだろうからね」

 触媒を無しで召喚した際、サーヴァントは召喚者に似た物が呼ばれると言われている
 きっと自分が呼べば、その通りのクラスが与えられることだろう
 これが酷い屁理屈の類だという事は理解している。確実に、アハト翁は激怒するだろう
 だがそれでも、自分と会わないような勇猛果敢な英雄様を押し付けられるのは出来れば御免したい
 自分が望むのはあくまでも誇りを捨て、倫理の外れた下法にも手を貸してくれるような道具の類
 だが、頭の固い翁はそんなこと理解を示さず、あくまでも性能だけで見た豪傑を、ほぼ確実だがセイバーのランクを寄越すだろう
 ならば先に喚んでしまえばいい。怒りは後で受けよう

「おじい様、きっと怒るわよ?」
「分かっているよ。だがそれでも、御綺麗な英雄様を宛がわれるよりは、よっぽどましな結果になるはずさ。そもそも、性能だけで選ぶのならば僕がマスターになる意味が無い」

 数値だけで見てサーヴァントを与えるのなら、自分はマスターなどでなく、あくまでも協力者で十分なはず
 それだというのにわざわざマスターにし、合わない英雄を与えるだなんて意味が無い
 あの翁は相性という物を理解していない。紙の上だけで物事を決める。実地を知らない、と切嗣は小さく溜息を溢す

 アイリと共に喚ぶための工房へと向かう
 既にそこには水銀で描かれた円を基本とした召喚の陣が描かれている
それは今朝、ほんの二、三時間前に描かれたばかりの物。後は、中央に今日運ばれてくるはずだった触媒を捧げるだけ
 アイリが一歩下がるのを確認し、中央に何も置かないまま、切嗣は回路を起動。魔力を通す
 
「告げる―――」

 言葉と鳴動するように陣が輝き始める
 体の中の回路は魔力を貪り、もはや人体のパーツからはかけ離れた、一個の機会として脈を打ち始める

「誓いを此処に。我は常世全ての善となる者。我は常世全ての悪を敷く者―――」

 本来人間の体にあるはずのない器官が、全身に張り巡らされた回路が鈍い痛みを寄越す
 神秘を成すための行い。それをなす呪文と共に脈打つ心臓
 もはや自分は、神秘を成すための一つの機械
 只々紡ぐ言葉に集中し、辺りなど意識から外す
 廻り巡らす魔力。自然と紡ぎ、紡がれる言葉を連ねる
 
「汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ――――」

 アイリの姿が視界から消える
 視界が黒に染まる
 今この場にいるは己のみ
 機械と成したこの身が今、奇跡を起こす

「――――天秤の守り手よ―――!」

 風逆巻き稲妻が轟く
 光が、満ちた





 一つ、話をしよう
 ある王国の、王女だった女性の話だ
 彼女は探求者だった
 叔母から魔術教えられ、元からあった自身の才を持って高みを目指していた
 魔術師の悲願。根源への到達を目指して
 しかしある時、彼女はその心臓に一本の矢を射られてしまう
 それは恋の矢。ある女神が、贔屓する一人の男性を助けるために放った神の呪い
 この時、彼女がこれを拒み切れていれば、恋に飲まれずにいれば彼女は全てを失わずにすんでいたであろう
 だが彼女はそれによって呪いにかかり、男性への恋慕に身を焦がれてしまう
 そしてその愛によって彼女は、愚かな選択をしてしまう
 それは肉親を殺すほどの。全てを失うほどの選択を
 それは、彼女が目指していた高みを挿げ替えてしまうほど
 悲願を達成するための魔術を、唯の道具にまで落とさせるほど呪い
 彼女を、魔術師から魔術使いにまで叩き落とした
 
心に刻まれた呪いに従い、彼女はそれまでに修めた魔術の知を用い、男性を助け始めた
 男性の望みを助け、国の宝を持ち出すことを助けた
 追っ手を止めるために、身内を殺した
 しかし、その余りの過激さに男性は、彼女を捨て新しい女性と結ばれようとした
 彼女はそれに怒り、その彼女を殺した。それどことか、男性との間にいた自らの子も殺した
 そして彼女は男に捨てられ、嘆きに飲み込まれた

 呪いに心とらわれ、男を見捨てられないが故に全てを失った悲劇の女性
 悲願を利用され、その知を持って悲劇の路を歩いて行った、魔術使いとなった女性
 利を捨て身内の情を捨て、呪いに身を捧げた哀れな犠牲者
 全てに恨まれながらも呪いに突き動かされた、「裏切り」の名を冠された稀代の魔女
 全ての魔術的繋がりを“切り”離す、一つの礼装を持った神代の魔導師

 英雄などとは程遠い、反英雄とされた堕ちた魔術使いの話だ





 光が満ち、稲妻が轟く中、描かれた陣の中央から一つの影が浮かび上がる
 その場にいる二人、切嗣とアイリは理解した
 これは、本来人間が使役できるものなどではないと 
 使役して良いはずの物ではないと
 その身に満ちた神秘は至上の物。ただそこにあるだけが奇蹟の存在
 ただ目の前にするだけ、その存在を思い知らされるだけの威圧を備えた神秘の塊だと
 それをなした、なすこと可能にした聖杯という物に再度畏怖の念を持たざるを得ない
 
 出てきた影は、既にその身を表した
 顔元を隠すフードに、長いローブ
 微かに見える口元が、不敵な微笑みを有すその唇がゆっくりと音を紡ぎだす

「問おう―――」

 不思議な艶を有した、蠱惑的な声がその空間に響き渡る

「―――汝が我を招きしマスターか」


 今、第四次聖杯戦争の火蓋が切って落とされる
 
 

 
後書き
紅茶さんじゃない理由は一応ある。屁理屈だけどね。

他にも桜ルートを通ったセイバーがワンモアチャンスで四次に来て事情全部知ってるからやたらと理解ある話とかも考えてる。考えてるだけだけど。 
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