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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第三話 再会


「あ~あ。いい加減この階層達のモンスターも飽きてきたぜ」

シュウがSAOにインして一週間が経った。
シュウの武器レベルと自身のレベルは25とハイランクに達していた。これもモンスターを狩り続けた結果と言っても良いだろう。

「それにしても・・・キリトの奴あれ以来全然連絡がねえじゃねえか。あいつ何やってんだ?」

シュウが一人で『はじまりの町』のベンチでのんびりしていると何やら噂話が聞こえてきた。

「なあ。今日第1層の攻略が始まったみたいだぜ!!」

「マジかよ!ボス部屋はあのディアベルさんが調べたのか!?」

「ああ。で人数揃えて攻略に行ったみたいだぜ!!」

それを聞いていたシュウは・・・

「ちょっと待ったぁぁぁ!!!」「「っ!?」」

噂を話していた二人組みにシュウは詰め寄る。

「その話。間違いねぇんだな!!」「「あ、ああ」」

「サンキュー!!」

シュウは思い当たる場所を思い出し、その場にから消えるように居なくなった。その噂をしていた二人組みは嵐にあったかのような表情を浮かべ、こう呟いていた。

「「何だったんだ?あいつ」」

~~~~~~~~~~~~

場所は変わり第1層の最深部。

そこでは第1層のボス、巨大な体と斧とバックラーが印象的な【イルファング・ザ・コボルド・ロード】との戦闘が繰り広げられていた。序盤は指揮を取っていたディアベルと言う人物がいて優勢だったが、その指揮官がやられたせいで体勢はバラバラになり苦戦をしいられていた。キリトも剣を持ち、戦っていた。そして彼のパーティメンバーの・・・

「アスナ!スイッチ!!」

「うん!!」

アスナと連携を取り、戦っていたがボスが一瞬の隙を突き、キリトを斬り飛ばし、アスナも巻き添えに吹き飛んでしまう。

「し、しまっ・・・ぐわっ!!」「きゃっ!!」

今の攻撃でキリトのHPは半分まで削られてしまった。そして体勢を立て直そうとしたが目の前にはボスが巨大な剣を振り上げていた。そしてそれを無慈悲に振り下ろす。

「くっ!!」アスナはキリトの代わりその斬撃を受け止めようとした。ガキン!!金属と金属がぶつかり合う音は聞こえたがアスナ自身に重みが襲ってこなかった。そして見た者は・・・

「ようやく見つけたぜ?ア・ス・ナ」

「えっ!?」

ボスを背に、巨大な剣を右手に持った銀色に光る大剣で受け止めていた真紅のコートを纏った一人の男子が立っていた。そしてその男子はキリトを見ると・・・

「おいおい、キリト。お前、何でこんな楽しそうなパーティに呼んでくれねぇんだ?」

そう言うとシュウはリベリオンでボスの剣を弾くと回し蹴りを腹に叩き込み吹き飛ばす。ボスは体勢を立て直し、シュウを睨みつける。

「シュ・・・シュウ!!」

「と、話は後か・・・アスナ。お前はキリトを回復させる事を優先しろ!!」

「どうして私の名前・・・もしかして・・・貴方は」

アスナがシュウに問いかけるがシュウはそれを無視してボスにリベリオンを向け、台詞を放つ。

「Though a fight every now and again does make life more interesting.Don't ya think?」

「シュウ・・・何て言ってるんだ?英語だけど早口で分からなかった。でもあの台詞・・・何処かで」

キリトが疑問な声を上げていたが変わりにキリトを回復しながら、シュウの事を良く知っているアスナが答えた。

「『刺激があるから、人生は楽しい・・・そう思わないか?』って」

アスナの翻訳を終えるとシュウが先手必勝なのか【スティンガー】で距離を縮め、強力な突きを放つ。そしてそのまま巨大な肉体を斬り上げる。ボスはそれに怯んだ。

「キリト!アスナ!止めはお前達で刺しな!!」「「ああ(了解)!!」」

回復が終了したキリトとアスナは一斉にボスに斬りかかった。アスナは無数の突きを刻み込み、キリトは叫び声ともにボスの体を一刀両断する勢いで、斬り崩した。そしてボスはそのままガラスが割れるように消えていった。

「スタイリッシュだぜ!!キリト!!」

「シュウが来てくれて、助かったよ」

キリトとシュウが話していると黒いハゲの男性とアスナが寄ってきた。

「見事な剣技だったぜ!コングラクトレイション!!」

「あれ?エギルじゃねえか!!お前も来てたのかよ」

「いきなり乱入して来たと思えばシュウじゃねえか。なるほどお前ならあの強さも納得だぜ」

シュウとエギルが挨拶を交わすとエギルはキリトを見る。

「そしてこの勝利はアンタのモンだ!!」

「いや・・・俺は」

「堅い事は言いっこなしだぜ?キリト。ここは素直に喜んだら良いんだ!!」

シュウがキリトの肩に腕を回し、そう促す。歓喜に沸いていた周りもキリトやシュウに拍手を放つ。

「なんでや!」

しかしその一言で良い空気が一変した。

「何でディアベルはんを見殺しにしたんや!」

「見殺し?」

「自分はボスの使う技知っとったやろうが!最初からそのことをディアベルはんに伝えておけばディアベルはんは死なんかったんや!しかも!あんたもや!何でもっと早う来てくれんのや!!」

関西弁が特徴的な男子がそう言った瞬間に回りの空気がさらに悪化した。

「きっとあいつ元βテスターだ!だからボスの攻撃パターンも知ってたんだ!知ってて隠してたんだ!他にも居るんだろβテスターども!出てこいよ!」

「くくく、はははは、くははははははは」

「くっははははは!!!」

キリトが笑い出すと元βテスターだったシュウも笑い出す。

「な、何が可笑しいんや!!」

「お前ら・・・本当にバカだな?」

シュウが関西弁の男子に言い放つとさらにキリトが続ける。

「まったくだぜ!俺たちをあんな素人連中と一緒にしないでほしいな」

「な!なんやと!」

「βテスター達は基本動作もままならないド素人の溜まり場だったぜ?今の連中の方が100倍マシだぜ?」

キリトとシュウは関西弁の男子・・・キバオウに寄りながら自分たちの意見を言い放つ。

「でも、俺達二人はあんな奴らとは違う。俺達はβテスト中に他の誰も到達できなかった層まで上った!要するにボスの刀スキルを知ってたのは上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ」

続いてシュウが言い放つ。

「他にも色々知ってるぜ?情報やなんて問題にならないくらいな!!」

「な、なんやそれ、そんなんもうβテスターどころやないやん!もうチートやん!チーターやないか!!」

「そうだ!チーターだ!」「だから【ビーター】だ!」


キバオウの叫びに周りの人間達は次々と便乗していくがそれがキリトとシュウの思惑だった。

「ビーター、いい呼び名だな」

「ビーターか・・・イカすネーミングだぜ!気に入った!!」

キリトはアイテム欄の中からボスのラストアタックボーナスの【ミッドナイトコート】を装備しながら、シュウと隣り合うように立つ。
黒のコートのキリト、そして真紅のコートのシュウ。それはビーターを思わせるような威圧を放っていた。

「そうだ。俺達はビーターだ。これからはあんな元テスターたちと一緒にするな」

「それとこれは忠告だ。そんな馬鹿げた考えしてっと・・・お前達・・・死ぬぜ?」

キリトとシュウはそれだけを言い放つと次の階層の門へと足を運ぶ。しかし・・・

「待って」

振り向くと先ほどキリトと一緒に戦っていたアスナがいた。何でも何故自分の名前を知っているのかと言う疑問をキリトに問いかけたのだった。その問いはすぐに晴れた。パーティメンバー欄の上に載っていたアスナの名前をただ呼んでいたみたいだった。その事にアスナは笑みを零す。

「ふふ、な~んだ。こんなところにずっと書いてあったのね」シュウは「本当に気付かなかったのかよ・・・」と心の中で溜め息を付きながら聞いていた。

「君は強くなれる。だからもし信頼できる人にギルドに誘われたら断るなよ?ソロプレイには絶対的な限界があるから」

キリトはそれだけを言うと門を潜り、その場から居なくなった。そしてシュウはアスナと向き合った。

「もしかして・・・修也・・・お兄ちゃん?」

「この・・・」

「えっ!?」

「バカアスナーー!!」

シュウの叫び声と共にアスナの頭目掛けて拳骨が振り下ろされる。そして良い音がフロアに広がる。

「痛った!いきなり何するのよ!!」

「うるせえ!!俺がどれだけ心配したと思ってやがるんだ!!」

「そ、そんなの修也お兄ちゃんには関係ないじゃない!!」

その言葉にシュウはキレた・・・

「関係ないだと?アスナ。今関係ないって言ったのか?良いかアスナ!!俺は確かにチャラチャラした変人かもしれねえ!けどな!!妹の心配をしない兄が何処に居るってんだ!!ああっ!?」

アスナも普段見せたこと無い真剣な修也の表情を見て、息を呑む。
そしてシュウはアスナを抱き締める。そしてアスナも自分を此処まで思ってくれている事を実感し始め、涙を流す。この時アスナの画面には【倫理コード】を解除していなかったため、如何わしい行動を取り締まるための【ハラスメントコード】が表示されていたが、アスナはゆっくりと問題ないと言う『NO』のボタンを押す。

「本当に世話のやける妹だよ・・・お前は」

「ゴメン・・・なさい、修也お兄ちゃん」

素直に謝ったアスナをシュウは一旦離すと頭を撫でる。

「まあ・・・お前が生きているって事は分かったし。これで一安心だな。俺のアドレスだけは教えておくからよ。後は自分の好きにして良いぜ。ギルドに入るも良し。ソロも良し。自分で良く考えるんだな」

「お兄ちゃんは・・・どうするの?」

「ビーターの俺が居ちゃ、アスナに迷惑が掛かるだろう?俺はしばらくキリトと同様にソロをやってるさ。でも何か困った時は何時でも呼んで良いからな?アスナ」

「うん・・・」

アスナは少し寂びそうな表情を浮べていたので、シュウは少しからかいをかける。

「やっとちゃんと話してくれたな、お兄ちゃんは嬉しいぜ」

「なっ!?もう、本当に調子が良いんだから・・・」

アスナは頬を膨らませながら、明後日の方を向く。しかしその顔には笑顔が混じっているようにシュウは見えたみたいだった。

「アスナ・・・。このチャンスを絶対にモノしろよ?じゃあ、あばよ」

「えっ!?」

シュウはそれだけを言い残し、その場から消え去った。 
 

 
後書き
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