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故郷は大空にあり

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第二章 ミッションEX : 肩にある傷
  第二十話 大空へ

 
前書き
提督とF/A18は、一部始終を話した。
話したあと、結局鎮守府に戻ることに… 

 
「はぁ…つまり、敵はここにはおらず、ここで無駄に物資を使うよりかは、
鎮守府を守り、前線を拡大した方がいいってことですよね?先輩」

yak-131が状況をまとめ説明、
確認を行う。それに対してF/A18が返答する。

「うん。」

「まぁ、一理ありますね。ここまで来るのに燃料もかなり使っちゃいましたし…」

「そう。無駄に物資使うより、戻った方が人類のためにもなるし、
大本営からの評価もいい。」

「人類と言われると、スケールがデカすぎる気がするけど…」

「まあ、実質的にはそうなんだよ。移動の準備をしよう。」

──────────────────────

「ご登場ありがとうございます~…当機は離陸体制に入ります、
銃火器や背もたれは元の位置にお戻しくださーい。
現地の天気は…多分晴れだと思います!」

「提督、それが最後のアナウンスにならないようにね。」

「わあーってる。」

「SI003、離陸を許可します。グッドラック」

スロットルレバーを一定推力で固定し、エンジンをしらべる。

「スタビラーイ」

「OK、セッツテイクオフスラスト!」

スロットルレバが一気に押し込まれ、小型機の小さいエンジンが
甲高い音を上げながら加速する。
椅子に押し付けられるほどの急加速、ロケットスタートだ。

飛行機は順調に加速する。

「エイティー!」

「チェック!」

«V1»


「ローテート!」

操縦桿を引き上げて、機首がゆっくりと浮上し、やがて全体が浮上する。
エンジンの出力をゆっくり下げる。

「ポジティブクライム」

「了解、ギアアップ」

「ギアアップ」

エンジンの音にかき消されながらも、ギアが大きな音を出しながら格納される。
ランプがたしかに消灯し、格納されたのを確認した。

「SI003、ディパーチャー管制にコンタクトしてください。良い旅を」

「了解、コンタクトします。さようなら」

「さようなら。」

周波数を切り替え、管制を切り替えた。
順次飛行プランに沿い、飛行していく。

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「巡航高度到達、しばらく大丈夫。」

「ありがとう、F/A18。分かった」

「私は少し席を外すよ。」

スタスタ…

「気をつけてね」

「分かってるよ」

コックピットのドアを開ける音がして、外へ出ていった。
オートパイロットを今一度確認し、一安心する。
コックピットのドアがゆっくり開く。

「異常なしだってさ。今回のフライトは大丈夫そうだね」

「なんかフラグ…何があるか検討もつかないし、警戒はとくべきじゃないよ。」

「たしかにね。」

ぐらぐらと、少し飛行機が揺れた。
この程度なら、激しい乱気流程度だと思った。
ジェットコースターのように、ふわっとした感覚を楽しむ余裕さえあった程だ。

「揺れるね…立て直そう。」

そうF/A18が操縦桿を傾けた時。
傾けた方向とは逆に機体がかなり大きく傾いた。
約75°にも及ぶバンク角で、機体は急降下し始めた。

「提督!くっ、Gが」

視界が強烈なGに勝てず、ぼんやりと薄れて行った。
最後に見えたのは、F/A18が必死に復旧作業を行うところだった。

───────────────────
───────────────────

◇◇◇

強いGに圧倒されながらも、機体のバンク角をゆっくりと戻し、
15°程度まで戻すことが出来た。
15°まで傾けると、揚力により、少し機体が浮かび上がるような感覚を覚えた。

操縦桿を精一杯引き上げ、機体を水平状態にまで戻す。
高度計はわずか500mを示していた。
完全にバンク角を戻そうとすると、機体が応答しない。
旋回はラダーのみで行うことになるのかもしれない。

失速に気をつけながら、機体をゆっくりと、引き上げる。
高度は少しずつ上がり始めた。

不安定な飛行をしながらも、機体をたて戻した。
コックピットのドアを勢いよく開ける音が聞こえた。

「F/A18!なにがあった…?」

yak-131だ。さっきのことを聞きに来たのだろう。

「提督は…」

「そこにいるよ。Gで気絶してる。
ごめん、予想外のことだった。今は姿勢を維持するので大変。」

「大丈夫…とりあえず、みんなを落ち着かせてくる。」

「気をつけてね」

「うん。」

コックピットのドアをゆっくりと閉めた音がした。
操縦桿をいつまでも長く、強く握り、機体の安定飛行を継続させる。
 
 

 
後書き
あああ…投稿遅すぎて死んだとも思われてそう。
死んでません、ピンピンです 
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