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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第十一話 転校生とキャストオフとメイクアップその十

「死にはしないんだな」
「そうだ。この学園の生徒は零点になれば補習だが」
 戦いを終えた鉄人がその風間に話す。
「だがワーム達はだ」
「何処かに消えるんだな」
「そうだ。何処かで補習を受けているのだろう」
 これは鉄人の推測である。
「そのスサノオとやらにな」
「成程。そうなのか」
「それでだが」
 鉄人はここで風間をよく見た。そのうえでの言葉は。
「君は何もないか」
「特に深い傷は受けていない」
「そうだな。あれだけの戦闘を経てもか」
「これでも大学を卒業してるんでね」
 風間は笑って鉄人にもこのことを話す。
「城北大学だ。こっちの世界にはないか」
「存在しないが中々レベルの高い大学の様だな」
「仮面ライダーでそこの卒業生は多いんだよ」
 風間はさらに話す。
「まあそういうことでな」
「そうか。事情はわかった」
「で、他の子達は」
「はい、無事です」
「何ともありません」
 明久と美波が応える。見れば全員補習は免れている。
「僕達に来たのは普通のワームばかりでしたし」
「それも大半が風間さんにいっちゃいましたから」
「そうか。それは何よりだ」
 風間は彼等の言葉を聞いて爽やかな笑みになった。その彼にだ。
 美晴がだ。ふとした感じで言ってきたのだった。
「あの」
「どうしたんだ、今度は」
「実は聞きそびれていたんですけれど」
 こうだ。風間にそっと近寄りながら尋ねたのである。
「風間さんがいつも背負っているそのバイオリンケースは」
「ああ、これか」
「それって何なんですか?」
 その黒いバイオリンケースを見ながら尋ねていく。
「風間さんは芸術学部ですけれど音楽は」
「ああ、歌うけれどバイオリンは弾かない」
 それは風間自身が言う。
「楽器はギターだな」
「それで何でバイオリンなんですか?」
「俺の商売道具が入ってるんだよ」
 風間は微笑んでこう美晴に話す。
「ここにな」
「バイオリンケースにですか」
「俺の職業はメイクアップアーチスト」
 このことはこの世界では実ははじめて話すことだった。
「この中には化粧道具が全部入っている」
「そうだったんですか」
「試しに見てみるか?俺のメイクアップ。名付けて」
 不敵な笑みにもなってみせてだ。風間は話す。
「風間流メイクアップを」
「けれどお金かかりますよね」
 美晴はこう言って断ろうとした。少なくともプロのメイクアップなぞしては高校生の小遣いでは払いきれないと思ってだ。それで断ろうとしたのである。
 だがここでだ。風間はこう言ったのだった。
「いや、ここでは金はいい」
「いいんですか?」
「君達は仲間だからな。金は貰わないさ」
「仲間だからですか」
「それに君達はまだ高校生だ」
 子供だということも踏まえての言葉だった。
「いいさ。メイクアップして欲しい娘は一歩前に出てくれ」
「一歩ですか」
「そう、一歩でいい」
 こう美晴に話す。
「誰でもいい」
「ええと。それじゃあ」
 まずだ。美晴が応えてだ。
「お姉様に少しでも奇麗な顔を見せたいですし」
「何か面白そうじゃない」
 愛子は興味から一歩前に出た。
「僕もお願いします」
「ううんと。うちもやっぱり」
「女の子ですから」
 美波と瑞希は少しだけ理由をつけてだった。
 
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