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スーパー戦隊総決戦

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第九話 天使達の降臨その七

「しかし奈良か。面白いのう」
「面白いですか」
「うむ、面白い」
 シャーフーは実際にかなり楽しげにランに話した。
「このままどうなるかじゃな」
「どうなるかですか」
「楽しみじゃ」
 こんなことも言うのであった。
「果たして聖杯があるかどうかじゃな」
「ですがおかしなことにです」
 さくらはここでも真面目であった。探査の機械を見ながら話している。
「反応はありませんでした。日本全土に範囲を拡げていますが」
「それでもない?」
「どういうことなの?それって」
「わかりません。ただ」
 ここでさくらはさらに言う。
「聖杯は反応しないのでしょうか」
「あれだけのプレシャスが?」
 蒼太はさくらの言葉に首を傾げさせて述べた。
「反応がないって?」
「それはおかしくないか?」
 真墨も怪訝な顔になっている。
「プレシャスが反応しないなんて今までなかった」
「じゃああれかしら」
 菜月はふと言った。
「隠れてるとか?」
「いや、それはかなり」
「ないんじゃ」
 他の面々は菜月の今の言葉に首を捻った。
「聖杯っていったらかなりのものだし」
「それがないというのは」
「そうよね」
 こう話すのであった。
「けれどないのは」
「有り得ないし」
「古都にあるのは間違いないらしいから」
「だったら」
「反応が及ばない程とてつもないプレシャスなのかもな」
 暁はこんなことを言った。
「それでわからないのかも知れない」
「そうなのですか」
「可能性としてはある」
 いぶかしむ顔のままのさくらにも話した。二人は隣同士の席にいる。
「聖杯はこれまで以上に力のあるプレシャスなのは間違いないからな」
「だから機械にも反応しない」
「それでなの」
「少なくとも奈良に行けばまた話が動く」
 暁はそれだけでもいいとした。
「確実にな」
「そうだよな。まずは」
「奈良に」
「行くか」
 こう話して全員で京都に向かうのだった。そして同じ駅では。
「ううむ、いい駅だな」
「そうだな」
 特急のプラットホームから見て一番端のホームにヴァッフォとミゲラがいた。他の面々もである。
「さて、今から奈良か」
「楽しみだな」
「いい場所らしいわね」
 フラビージョも能天気に言う。全員変装なぞ全くしていない。
「まずは電車での旅を楽しめるし」
「ビール買ったぞ」
「つまみもだ」
「あとはお菓子もな」
 全員完全にそのつもりである。その彼等を子供達が後ろ指を指して笑っている。
「あはは、仮装行列だよ」
「何かすっごい頭悪そうなのばかりだよね」
「そうだよね」
「誰が馬鹿なりか」
「失礼な子供達ぞよ」
 ヨゴシュタインとキタネイダスはこう言いはするがあまり怒ってはいない。どうやらこうしたことにはもうとっくの昔に慣れているらしい。
「しかし。奈良といえば鹿」
「せんと君に会えるな」
 ガジャとリュウオーンはそれを楽しみにしていた。
 
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