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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第九話 蛇の力その三

「全く」
「何ですの?何かありまして?」
「貴女、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわ。わたくしがいれば」
 自分ではわかっていない。そのうえでの言葉だ。
「この程度の敵なぞ造作もありませんわ」
「又兵衛、どうしてもならじゃ」
 ここでまた幸村が言う。
「オロチより先にその五月蝿いのを始末せよ」
「そうしてもいいのですね」
「別に構わん」
 幸村は平気な顔で言い切る。
「頭が悪くて足手まといになるよりましじゃ」
「ちょっと、どういう意味ですの」
「言った通りじゃ」
 兼続自身にも言い切ってみせる。
「御主は邪魔をするな」
「うう、私の力を甘く見ていますわね」
「甘く見てもらいたくなければちゃんとせよ」
 幸村はとにかく普通にしろというのだ。
「オロチの相手をせよ」
「うう、二軍だからといって」
 そうは言いながらもだった。兼続は又兵衛と共に戦うのだった。
 そしてだ。幸村もだ。首の一つを見て宗朗に言う。
「ではじゃ」
「うん、残る首はね」
「三つじゃ」
「じゃあ後の三つは」
「一つはわらわが引き受ける」
 幸村が一人で首を一つ引き受けるというのだ。
「そしてじゃ」
「僕も一つだね」
「そうするべきか」
「待つがいい」
 しかしだ。ここでだった。
 十兵衛が出て来てだ。そうして二人に言ってきた。
「わしがもう一つを引き受けよう」
「御主が一つか」
「宗朗は鬼の御仁と共に真ん中のと戦うがいい」
 見ればだ。八つの首の中にとりわけ大きな首がある。その首を見てだ。十兵衛は幸村と宗朗に対してこう話したのである。
「よいな。あれがとりわけ手強いからな」
「ふふふ、それがわかるか」
「見ただけでわかる」
 それで充分だとだ。十兵衛もオロチ、即ちスサノオに返す。
「だからこそじゃ」
「流石と言っておくべきか。それならばだ」
「行くぞ」
「わし等が二つ受け持つ」
 一人ずつだ。そうするというのだ。
「わらわ達ならば何とかなるだろう」
「マスターサムライのこの力で、いや」
「勝ってみせる」
「御主のその力にだ」
「その考えだ」
 オロチもだ。二人のその考えを聞いて述べた。肯定の言葉だった。
「さもなければ面白くとも何ともない」
「ふん、やはり御主は戦いから楽しみを見出すか」
「人を見ているのだな」
「何度も言おう。その通りだ」
 スサノオ自身もこのことを隠しはしない。
「では来るのだ」
「行くぞ!」
「その人というものを見せてやろう」
 二人は飛んだ。そのうえでそれぞれの相手となる首に向かい戦いに入る。そしてだった。
 響鬼と宗朗は二人並んでだ。その一際大きな首に対して言うのだった。
「それならな」
「貴方の相手は僕達だ」
「見せてもらう」
 オロチの、その一際大きな首が二人を見下ろして言ってきた。
「人というものをな」
「まあ幾らでも見せてやるさ」
「戦いを通じて」
「鬼、いや人のその力」
「そして心を」
「いいことだ。そうでなければ面白くとも何ともない」
 戦いあってこそだというのである。オロチも。
 こう話してだ。早速だった。その巨大な首が急降下してきて二人を襲う。 
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