| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

情報の使い方。

<ラダトーム>

「僕達はね…オルテガさんの事をよく知る人に会ってきた。………それは家族だ!オルテガさんの息子さんに会ってきたんだよ!」
少しだけ言い辛そうであったが、いざ言うとなればハッキリと告げるリュカ。
アルルの目を真っ直ぐ見つめて真実を語り出す…

「…え?む、息子…さん!?」
「うん。ってもまだ2歳の子供だけどね!だから正確には息子さんのお母さんに、話を聞いてきたんだよ!」
ティミー達は、リュカが人気のない場所へ移動したがったワケを理解した。

「え!?な、何よ!?息子?お母さん!?どういう………?」
しかし、いきなりの事で思考が追いつかないアルル…
ティミー達もリュカの言っている意味が分かるのだが、それを説明する勇気は出ないらしく、アルルから目を逸らして黙り、そして2.3歩遠ざかる。

「………はぁ~…つまりね、アルルパパには現地妻が居たんだよ。表の世界と、この裏の世界…正妻1人に、現地妻2人!子供も各1人ずつで計3人だ…やったね、この冒険を通して弟が2人も出来たよ(笑)」
リュカ的には気を使い、なるべく明るい言い方をしたのだが…
(パシン!!)
「ふ、ふざけんな!!クソオヤジが!!いい加減にしろコノヤロウ!!」
強烈な平手打ちを喰らい、罵詈雑言を浴びせられる。

「ちょ…ぼ、僕は関係ないじゃん!ぶたれる意味分かんない…」
左頬に大きな紅葉マークを付けたリュカが、少し涙ぐみなから呟く。
「うるさい!お前等男は……………」


{かなりの錯乱状態の為、聞くに堪えない言葉(ぼうげん)を連呼しております。暫くお持ち頂くと共に、リュカ達が仕入れた情報をお伝えしておきます。}


リュカ達はアルル等とは別方向に町を進み、色々な情報を収集していた。
ビアンカ・ハツキは勿論、新加入のラングストンも人々から話を聞き、情報収集に励んでいたのだが、若干1名だけが『美女発見!』っと、ナンパだけをしていたのだ…
だが、このナンパ男こそが重要な情報に到達するのだ。

何と妻が側に居るのにも拘わらず、懸命に口説いた女性はオルテガと関係を持っており、手を引き一緒に歩いている子供が、オルテガの息子だというのだ!(つか、子連れの女を口説くなよ!)
因みに、その女性がオルテガの愛人と知った時のリュカの一言が、「やっぱりアルルパパは女の趣味が良い!僕と同じ趣味だよね!」と、ラングストンに語りかけたという…

そして、そこで聞いたオルテガの情報とは…
数年前に表の世界から落下してきたオルテガは、ラダトームの人々により手厚く介抱された。
この現地妻…もとい『シオン』も、オルテガを介抱した者の1人で、何時の間にか恋に落ちていたという。
そして2年前にオルテガとの子…『トライ』を授かったのだ。
オルテガと言えば、丁度その2年前くらいから、鈍った体を戻す為に、ラダトーム周辺でモンスター討伐などして特訓をしていたらしく、何れは大魔王ゾーマを倒すべく、虎視眈々と準備をして居たのだという。

そして数ヶ月前に、ゾーマを倒しに旅立った…丁度その前に日に、もしかしたら永遠の別れになるかもしれないシオンとオルテガは、ラダトームの町をデートしていたのだが、どっかのバカ盗賊がサイフをスろうとして捕まったという。(あれ?アリアハンでの状況と似てね?)

尚、オルテガがゾーマの島まで渡った方法は知らないらしい。
オルテガが言うには『正式な方法が分からなかったから、危険な方法をとる!誰にも真似させたくないから、方法は秘匿する!』と言う事らしい。
その為、今現在は何処にいるのかは分かっていない…



「はぁ………男って、1人にすると碌な事しないわね…ビアンカさんが躍起になってリュカさんを追いかけてきた理由が分かりました…」
「い、いや…私はそう言う理由じゃ無いんだけどね………」
静かな裏路地をアルルの大声だけが支配していた30分…
やっと落ち着いたが、ビアンカの呟きは聞こえていない様だ。

因みに騒いでいる間に、リュカは3度程アルルに殴られた。(勿論、半分八つ当たり)
「何で僕が殴られなきゃならないの?(涙)」
この呟きは聞こえていたのだが、聞こえないふりをして向き直るアルル。
「お、お母さんには私から話します!勝手な事を言わないでくださいよ!」
「勿論そのつもりだよ…つか、嫌だよこんな事を何度も話すのは!」
頬を押さえながら辟易した目でアルルを見据えるリュカ。
今回得た情報は全部アルルに託すつもりらしい。

「………最初からそのつもりだったのに、何でワザワザ人気のない場所で話したのよ!やっぱり2度手間じゃないの!」
自ら母へは話すと言ったのに、最初からそのつもりだったリュカを見て、不快な事を押し付ける怒りが込み上げてくるアルル。
「2度手間じゃ無いよ!先にアルルに話さなければならない事なんだから…」
「何でよ!」

「自覚無いの?この30分間、どんだけ大騒ぎしたと思ってんの?アメリアさんは、この事を聞いても取り乱さない…苛つきはするだろうけど、伝えた相手を3発も殴る程取り乱しはしない!」
殴られた事をちょっと根に持った口調のリュカ。

「う゛…だ、だって…」
「僕はアルルの取り乱した姿をアメリアさんに見せない為に、気を使ったんだよ。はぁ~…そう言う気遣いが分かってもらえないとは…悲しいなぁ………」
必要以上に落ち込むリュカ…
「ぐっ…わ、悪かったわよ…そんなに言う事無いでしょ!むかつくオッサンね!」
「オッサンじゃない!イケメンお兄さん…もしくはイケメンパパって呼べ!」
そして一行は宿屋へと帰って行く…
リュカの言葉に「はいはい」的な、対応をしながら…


ラダトーム城下町の宿屋は、町の正門付近に存在し、大魔王討伐の拠点とされている町の宿屋だけあって、かなりの施設になっている。
宿に入り、受付ロビーを抜けると、直ぐに大食堂が併設されており、多数の人々が食事を行えるのだ。
そして、その大食堂から大騒ぎする声が聞こえてくる…
アルル達は戻って早々に留守番組を集めて会議をするつもりだったのだが、尋常ならざる騒ぎが気になり、リュカ達と共に大食堂へと入っていった。

そこで目にしたのは、自分の仲間が巻き起こす騒ぎ事だった!
開いた口が塞がらないアルルとティミー…
満面の笑みになるリュカとラングストン…
果たして何が起こっているのだろうか?



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧