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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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最終決戦くらい、真面目に頑張ろうよ…

「大丈夫ですかティミーさん!?」
何やら大技を行った若い勇者カップルに近付き、心配気に確認する気が利く男・ウルフ。
自慢じゃ無いが私の彼氏よ!

「あ…ああ、僕は何ともないよ…でもアルルが怪我を…すまないがウルフ君。ベホマで回復してもらえないか?」
良く見ると至る所から出血しているお二人…
本当に大丈夫なの!?

「ティミーさんが治してあげた方が良いのでは?」
でも気が利く(ウルフ)は、彼女の治療は彼氏が行うべきでは?と遠慮してみせる。
治療と言いつつエッチな事も出来るしね。

「出来ればそうしたいよ。アルルは僕が守るんだから…でも、もう魔法力がないんだ…本来ならもっと大勢で唱えるミナデインを、2人で使用したから魔法力が底を尽きたんだ…」
さっきの爆音はミナデインだったの…
バラモスゾンビにしてみれば、たまったもんじゃないわね…DQ3には存在しない魔法でやられては…

「そ、そんなムリをして…アルルは大丈夫?」
「ま…魔法力を一気に使いすぎて…つ、疲れた…」
ウルフのベホイミを受けながら、座り込み呟くアルルさん…
多分、術者のお兄ちゃんの方が疲労は大きいのだろうけど、プライドからなのか平然としたフリをしている。

「おいおい…中ボス如きに全力出し切るなよ………まだ一番厄介なのが残ってるんだぜ!どうすんの…勇者2人がその様で?」
イラッとする…
最も何もしていない人が、最も尤もな意見を言ってくる。

「すみません父さん……でも、あの兄弟は強敵でしたよ。僕等も全力を出さないと、とてもじゃないが倒せなかったですよ」
「全力って…お前等だけだろ…全力だったのは?全力ウサギですかお前達は?」
『全力ウサギ』!?…マジックペンでキリリと眉毛を描くぞ!

「ウサギ?……今一意味が解りませんが、僕等だけではないですよ全力だったのは!ウルフ君もマリーもいっぱいいっぱいで、もう魔法力が尽きかけていますから!」
ドラゴンの杖でグリグリ突かれながらお兄ちゃんが話を此方へ振ってくる。

「え!?べ、別に私は(モガ!)「そうなんですよ!俺もマリーもへとへとです!」
私は戦闘の大半を賢者の石使用で費やしたので、魔法力は勿論・体力面でもオールグリーンなのだが、出来る男ウルフが私の口を手で塞ぎお兄ちゃんに話を合わせる。
一体…?

「はぁ!?何だお前等…ふざけてるのか?ここまで来たのにゾーマ討伐を諦めるのか?」
「諦めませんよ…でも約束しましたよね。『最後くらいは僕も戦闘に参加するよ!』って言いましたよねリュカさんは!?」
なるほど…丸投げへの第一歩って事ですね(ニヤリ)

「う………い、言った…言ったよ…でも………ねぇ…」
お父さんも気付いたのか、アルルさんの発言にタジタジする…
他の人達を見渡しても『ゾーマとの戦いはタイマンでやれ!』と言う感じで誰も援護しない。

「ず、ずるい!何で僕一人で戦わなきゃならないんだ!?」
「今まで碌に戦わなかったからです!」
元愛人に突き放される。

「ハ、ハツキぃ~…そんな事言わずに一緒にがんばろ!?」
「ムリで~す!私、リュカさんの愛人を辞めてから、体力が落ちたみたいで、もうへとへとで~す!」
ぷっ…つまり、床運動で体力アップしていたのね(笑)

「カ、カンダタはまだ戦えるだろ!?お前嘘吐くとぶっ飛ばすぞ!」
「いやぁ~戦いたいのは山々なんだけどよぉ…さっきの戦闘で骨をやられちまって…だからムリッス!」
空気の読めるカンダタは私達側に着く。正しい判断だ!

「テメー…後で憶えてろ!………ラングは平気だろ!?」
「いえ。私も先程の戦闘時、アルル殿とティミー殿が放った雷撃の影響が出てまして、体中が痺れております!諦めやがって、大人しく一人で戦ってきてください!」
直訳すると『最後はお前が戦うって約束なのだから、諦めて行け!』って事。

「くっそ~………ビ、ビアンカ~……みんなが苛めるよぉ~!」
「よしよし可哀想に…でもね、偶にはみんなの為に一人で戦ってきなさい!私は早くグランバニアへ帰りたいのだから、アナタが最後はキメて来なさい!いいわね!!」
お母さんに泣き付くも、優しく突き放され助けてくれない。

「くっ…嫁も敵か!………オ、オルテガっち!一緒に戦ってくれるよね!?だってオルテガっちはゾーマを倒す為に、一人でここまで来たんだろ?だったら………」
知り合って間もない大親友に援護を依頼するも…

「すまんなリュカちん。俺もお前の戦いぶりを見てみたいんだ!一人の戦士として…」
「な………何で僕が……戦士じゃないし……普通、王様ってこう言う事しなくていい役職だよね?…何で僕が………」
普通の王様だったらそうだけど、お父さんは普通じゃないからねぇ…

「諦めてください…僕だって王子だけど、前線で戦ってますよ!」
「お前は自ら戦いに身を投じてるじゃんか!」
あはははは…
確かにそうだわ…でもいい加減納得して欲しいわね!

「うっさいオッサンね!いい加減に諦めなさいよ…ゾーマちゃんが奥で待ってるわよ…さっさと行け!」
「オッサンじゃない!イケメンお兄…つか、マリーはお父さんと呼べ!もしくはパパ!」
何でツッコむ所がそこなのよ!?

「一人で行ってゾーマを倒してきたら元の呼び方に戻したげる……ほれ行けって!!」
あ~…本当に面白い家族よね。
私の言葉+お母さんに押される+皆さんからの冷たくも暖かい瞳を受け、渋々ゾーマの方へと歩いて行く。

お父さんの真上にあるレミーラの光玉が、哀愁漂う一人の男の背中を照らし続ける。
その男は、屈強なる戦士で、偉大なる国王で、悲劇の主人公で、そして私達のお父さんだ。
見てて飽きない私達のリーダーだ!



 
 

 
後書き
本当は前話とセットで1話だったのですが、前話はしんみりムードで終わらせようと思い、2話に分けました。
リュカのツッコミ所が好きです。

次話は遂に最終決戦です。
正面から正々堂々と戦う、とっても卑怯な戦闘です。 
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