ウルトラマンメビウス　ウルトラ兄弟最大の戦い

「しかし」
「しかし！？」
「果たしてそれだけだと思うかね」
「何っ！？」
「ふふふ、私達がどうして今ここに集結したと思うかね」
「何が言いたい」
「君もわかっている筈だ」
　メフィラス星人は言う。
「我々の様な顔触れが一度にこれだけ集まるなどとは有り得ないことを」
「確かに」
　メビウスもそれに頷く。
「御前達の様な顔ぶれは滅多には」
「ふふふ」
　メフィラス星人は不敵な笑みを浮かべる。
「だからだ。私達にしてもだ」
「何かあるというのか」
「さてな。どちらにしろ君達にはここで敗れてもらう」
　彼は言った。
「地球を我々のものとする為に」
「そうはさせないっ」
　メビウスも引かない。
「ならばここで」
「ほう。ならば」
　メフィラス星人はその言葉を聞いてまた笑ってきた。そしてさらに言う。
「見事退かせられるかな？我々を」
「ならばっ！」
　今メビウスはその左腕にメビュームナイトブレードを出してきた。それで決着をつけるつもりであった。
「これで！」
「そうか、剣か」
　しかしメフィラス星人はそれを見てもまだ臆してはいなかった。
「そう来るか。偵察通りだな」
「これを知っていても防げる筈が！」
「いや、君は私を甘く見ているな」
「何っ」
「私も宇宙に栄華を誇るメフィラス星人だ」
　メフィラス星人は宇宙に覇を唱える宇宙人達の中でも多くの支配下の惑星を持ちそれ等を実に巧妙に統治していることで知られている。それだけでなくその戦闘力も見事なものでかつてはウルトラマンと互角に渡り合ったことでも知られている。やはり口だけの実力があるのである。
「それならば私も出せる」
　そう言って左手に剣を出してきた。それはサーベルであった。
「さて」
　まずはそれを顔の前に掲げる。それから構えを取ってきた。
「では相手になろう。それでいいな」
「御前も剣を持っていたのか」
「何を驚いているのかね？」
　メフィラス星人はメビウスに尋ねる。
「私が剣を持っていることがそれ程おかしいかね？」
「くっ」
「自分が持っているものは相手も持っている可能性がある」
　彼はこう言ってきた。
「そう考えた方がいいことを忠告しておこう」
「まさかそれを出すとは」
「ではウルトラマンメビウスよ」
　メフィラス星人はまた彼に声をかける。
「参る」
　そのまますすす、と前に出る。そして地球で言うフェシングの要領でメビウスに攻撃を仕掛けてきた。見事な剣捌きを見せてきた。
「むむっ」
「筋はいい」
　メフィラス星人はメビウスの動きを見て言う。メビウスは左右に身体を捻って攻撃をかわしていた。
「スピードもフットワークもある。しかしだ」
　ここで一歩踏み込んできた。そして胸に突きを出してきた。
「くっ！」
　それはソードで払った。サーベルが横にぶれる。
「ほう、今のをかわしたか」
　メフィラス星人はそれを見て目を細めてきた。
「私の予想以上だ。しかし」
　また突きを入れてきた。今度はかわしきれず肩をかすめてしまった。
「まだ若い。動きに無駄があるな」
「何て速さだ」
　メビウスはそれを受けた後で言った。
「これが剣だというのか」
「さて、どうするかね」
　メフィラス星人はメビウスに問う。