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ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い

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第六話 決戦!宇宙人連合その十

「ヤプールなぞ仲間にすることはない」
「そうだ。奴等は言うならば悪意の集合体」
 ガッツ星人も言う。
「その様な者達を仲間にしたらいずれ寝首をかかれるに決まっている」
「流石にわかってるみたいだな」
 テッペイはそれを聞いて妙に頷いていた。
「やっぱり」
「ヤプールってあれでしょ」
 マリナがそれを聞いてテッペイに言ってきた。
「異次元人だったわよね」
「そうだよ。やること為すこととにかく卑劣でね」
 テッペイも顔を顰めさせていた。
「あそこにいる連中のどれよりも卑劣で陰湿なんだよ」
「それって最悪じゃないですか」
 コノミがそれを聞いて言う。
「そんなのが若し出て来たら」
「だから不吉なことは言わんでくれ給え」
 補佐官がコノミにそう念を押してきた。
「三日前に倒されてこっちはほっとしておるんだからね」
「だからか」
「そうだ」
 ガッツ星人はウルトラマンの言葉に答えた。
「封印したままだったのだ。そのまま諸君等を倒してくれると思ったのだったがな」
「その計算は外れてしまった」
 またナックル星人が言う。
「しかしだ」
 だがナックル星人は構えを取ってからまた言ってきた。
「我々の手で諸君等を倒せばいいだけだ」
「手加減はしない」
「そうか」
 ウルトラマンはガッツ星人の言葉を受けて言う。
「無論こちらも」
「地球を守る為に」
 ジャックもそこにいる。ウルトラマンとジャックはガッツ星人、ナックル星人という強豪達と渡り合っていた。
 そしてセブンもまた。テンペラー星人を相手にしていた。
「ハハハハハハハハハハハ!」
 テンペラー星人は縦横無尽に鞭を振り回す。セブンはそれを左右に跳びかわしている。
「どうしたウルトラセブンよ!わしの攻撃の前に為す術もないか!」
「いや」
 だがセブンの顔は劣勢にある者のそれではなかった。
「まだだ、この程度で」
「ふむ」
 テンペラー星人はそれを見て言葉を出す。
「何か考えがあるというのか?歴戦のウルトラ戦士よ」
「あればどうするつもりだ」
「叩き潰すまで」
 テンペラー星人の言葉は実に明瞭なものであった。彼らしいと言えば彼らしい。
「それがわしのやり方だ」
「そうなのか」
「そうだ、だからこそだ」
 彼はさらに言う。
「ここで貴様を倒す。覚悟するがいい」
 そして鞭を振るってきた。だがそこでセブンのアイスラッガーが飛んだ。
「ムンッ!」
「ムッ!」
 それはブーメランの様に飛びテンペラー星人の鞭を切ってしまった。それでテンペラー星人の武器を奪ったのであった。
「ほほう、これがか」
「いや、まだだ」 
 アイスラッガーを頭に戻したセブンは言葉を返す。
「私とてこれだけで貴様を倒せるとは思っていない」
「そうか」
「そうだ。ではあらためて行くぞ」
「相手にとって不足はない」
 テンペラー星人は余裕の笑みさえそこに浮かべていた。
「ではな。参る」
 今度は両手から光線を放ちそれをセブンに向ける。だがセブンはそれをかわしまた彼に立ち向かうのであった。
 ゾフィーはメフィラス星人の弟と闘っている。こちらは互角の勝負であった。
「噂以上か」
 ゾフィーは彼の光線を自身のスペシウム光線で相殺してから述べた。
「やはり怪獣達を率いる立場にあるだけはある」
「ふふふ」
 弟はゾフィーのその言葉に対して不敵に笑ってきた。
「わしを侮っては困るな。仮にも軍団を預かる身」
「やはり」
「もっとも兄者ではないがな」
「兄・・・・・・そうか」
「いいのか、ウルトラマンゾフィーよ」
 彼はソフィーに対して問うてきた。
「何がだ?」
「貴様が兄者に向かわなくてだ。あの二人に兄者とヒッポリトの相手は酷ぞ」
「大丈夫だ」
 だが彼はこう返した。
「あの二人ならばな」
「ふむ」
 弟はそれを聞いて愚弄したように笑い返す。彼の言葉を頭から馬鹿にしていた。
「ならば精々任せるのだな」
 彼はまた愚弄してきた。
「それで敗れるがいい」
「果たしてそう上手くいくかな」
 しかしゾフィーは彼等を信じていた。今目の前でとりわけ強大な二人の宇宙人に向かう彼等を。温かく見守っていたのであった。


第六話   完


                                   2006・12・27
 
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