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八条学園騒動記

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第七百五十一話 本名じゃないその七

「自分の諱使ってないかって」
「豊臣家の本姓も」
「別に名前を切って呪詛してるとか言わなくて」
「考えてみたら小さいわよね」
 ベスも言ってきた。
「言いがかりにしても」
「家康さんってそんな小さい人か」
「違うわよね」
「そんなことで戦争もね」
「しないわね」
「だから理由は他にあったから」
 キリスト教の件でというのだ。
「家康さんもね」
「戦争したのね」
「そうよ、むしろもう天下は定まってて」
 家康のものになっていてというのだ。
「後は大坂が欲しかっただけだったのよ」
「豊臣家がいた」
「もうかなり露骨だったから」
 家康が大坂を手に入れるんとする姿はだ、それは江戸と大坂、東国と西国のそれぞれの軸として天下を治めたかったからである。
「自分の兵で占領したり天守閣築いたり」
「天守閣もなの」
「そうしたの」
 本丸に既にあったが西の丸に築こうとしたのだ。
「関ケ原前にね」
「あの戦いの前にそうしたことしてたの」
「その淀殿さんと結婚しようとしたり」
 正室に迎えようとしていたのだ。
「もうね」
「かなり露骨になのね」
「大坂手に入れようとしていたのよ」
「だから秀頼さんに大坂から出ろって言ってたのね」
「ええ、天下を治める為にね」
 大坂を西国統治の拠点にする為にだ、事実幕府は後に大坂を直轄地としてそのうえで大坂城代という西国監視それも老中に匹敵する役職を置いている。
「そうだったのよ」
「じゃあ秀頼さん大坂から出したら」
「大坂は豊かでお城も凄いけれど」
「もう出たらなのね」
「力もなくなるから」
 このこともあってというのだ。
「特にね」
「攻めるつもりなかったのね」
「後は監視付けて」
 秀頼にというのだ。
「それでね」
「残すつもりだったのね」
「そうだったみたいよ」
「滅ぼすつもりはなかったの」
「大坂から出たらもう力ないから」
 豊臣家はというのだ。
「日本ってそこで終わるからね」
「敵はとことんまで滅ぼさない国なのよね、日本って」
 メグもそれはと言ってきた。
「これが」
「そう。だからね」
 ジョーは姉に答えた。
「家康さんもね」
「そこで済ませるつもりだったの」
「けれどね」
「キリスト教のことは見逃せなかったのね」
「侵略されるし」
 日本がというのだ。
「民の人達奴隷にされるし」
「絶対に許せないわね、確かに」
「秀吉さんも奴隷反対論者で」
 このことは織田信長からだったという、時として残虐と言われる彼だが民を慈しみ善政を敷きかつ民からも慕われていたのだ。 
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