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夢幻水滸伝

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第三百四十七話 オクラホマの攻防その七

「ほんまにな」
「全部使って」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「撤退するんや、霧で目晦ましをしてる」 
 スタインベックとオニールが率いている敵軍に対してというのだ。
「他の術も使ってな」
「そうしてですね」
「術が効いている間にですね」
「撤退しますね」
「そうしますね」
「これで敵軍自体は動けん、ただな」
 それでもともだ、ガーランドは話した。
「あの二人はちゃう」
「スタインベック様とオニール様は」
「あのお二方はですね」
「例えガーランド様の術でも」
「晦ませられませんか」
「そやからな」
 そうなるからだというのだ。
「ここはな」
「お二方には気を付け」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「撤退するで、足止めはな」 
 敵に対するそちらの話もした。
「即席でもバリケードなり置いてな」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「障害として」
「足止めをしますね」
「そうするで、ほな撤退や」 
 こう言ってだった。
 ガーランドは自分が率いる州境を守っていた軍をオクラホマシチーにまで撤退させた、当然敵であるスタインベック達も追撃にかかったが。
「事前に用意していただけあってな」
「速いですね」
「ああ、それでな」
 スタインベックは合流したオニールに話した、ガーランドとの一騎打ちが終わってすぐに彼のところに向かったのだ。
「敵は障害物も置いてるし」
「中々進まれへんです」
「そやな」
「この追撃は」
「これ以上下手にしてもな」
 そうしてもというのだ。
「かえって痛い目に遭うかもな」
「敵が地雷等を置いていて」
「そうしたこともあるやろ」
「マキビシを撒く位も出来ますしね」
「追撃は確かに大事や」
 戦においてというのだ。
「逃げる敵が一番攻めやすい」
「敵に大きなダメージを与える好機です」
「絶好のな、しかしな」
「迂闊に行うとですね」
「敵もそうした時は必死になるしな」 
 自分達が最も危うい時だとわかっているからだ、撤退戦は困難なものであると自覚するとそこで動きも変わるのだ。
「それでな」
「ここはですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「迂闊にはや」
「攻めへんことですね」
「ガーランドもアホやないわ」
「撤退に際して」
「色々してるわ、ここは今の状況で満足して」
 そうしてというのだ。 
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