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オズのエマおばさん

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第三幕その八

「身体の悪いものが全部出るわ」
「全くだね」
 カルロスも満面の笑顔です。
「サウナもよかったよ」
「サウナ気に入ってくれて嬉しいわ」
 おばさんも笑顔で応えました。
「私も好きなのよ、サウナ」
「わしもだよ」
 おじさんも言います。
「うんと汗をかいてな」
「身体の悪いものが出るからね」
「湯舟もいいが」
「サウナもいいのよね」
「そうですね、しかし水風呂ですけれど」
 カルロスはお二人にこちらのお風呂のお話もしました。
「温泉の水風呂一気に冷えましたね」
「そうでしょ、あそこの水風呂はとても冷たくて」
 そうしてとです、おばさんはカルロスに答えました。
「入ると一気に冷えるのよ」
「それでまたサウナやお湯に入られるんですね」
「いつもあったまって」
 サウナやお湯に入ってというのです。
「そうしてね」
「水風呂に入って冷えて」
「また入るのよ」
「そうですよね」
「山の麓の街にもいいお風呂屋さんがあるわ」
 ドロシーがおばさんににこりと笑ってお話しました。
「スーパー銭湯がね」
「それがあるのね」
「そう、漁港でもそうだったけれど」
「あちらの街にもあるのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「そちらも楽しんでね」
「わかったわ」
「絶対に楽しい旅行になるから」
 満面の笑顔で、です。ドロシーはおばさんにお話しました。
「安心してね」
「それじゃあね」
「じゃあ明日ね」
「ええ、出発ね」
「明日の朝ヘリコプターが来てくれるから」
「カドリングの国からよね」
「そう、街があるね」 
 自分達が行くその街がというのです。
「そのカドリングのヘリコプターよ」
「ヘリコプターに乗るなんて」 
 まさにとです、おばさんは信じられないというお顔で言うのでした。
「想像もしなかったわ」
「いや、カンザスにいた時は飛行機すら滅多に見なかったのに」
 それでもと言うおじさんでした。
「それがだよ」
「ヘリコプターに乗るなんて」
「信じられないよ」
「そうよね」
「いや、カンザスにいた時は何もなくて」
「大平原の中で暮らしていたわね」
「それがだよ」
 今やというのです。
「電気や水道があって」
「テレビもパソコンもあって」
「冷蔵庫もスマートフォンもある」
「お風呂も普通に毎日入られてね」
「夢みたいだよ」
「魔法もあって」
 そうしてというのです。
「科学だけでもこんなにあるのよ」
「夢みたいだよ」
「というか科学だけでも」 
 おばさんは言いました。 
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