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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその二十一

「こうした事例は多い」
「間違った人物を選んでしまう」
「そうしたことはな」
「民主主義の常ですね」
「連合は中央政府でも各国でも多くの間違えた政権を選んできた」
「千年の間で」
「中には同じ様な間違いもあった」
 以前選んで失敗した人物と同じタイプを選んでしまったというのだ。
「そしてだ」
「市民も国家もでしたね」
「苦しんだ、選挙で間違った人物を選ぶと」
「それはそのまま選んだ市民に帰り」
「国家に帰る」
「左様ですね」
「もっと言うと連合で間違えなかった国は存在しない」
 選挙においてというのだ。
「一つもな」
「どの国もですね」
「一度はいや何度もな」
「間違えていますね」
「そうしてきてな」
「国力を失い地位を落としたこともありました」
「選挙は考えて投票することだ」
 このことが大事だというのだ。
「はっきり言えば確かな識見を持ってだ」
「おかしな人には投票しない」
「例え目立つ人でもな」
「それが大事ですね」
「間違っても自分のことしか考えない様な」
「そうした人は選んではいけないですね」
「絶対にだ」
 何があってもというのだ。
「それはそのまま選んだ有権者と国家の不幸になるからな」
「今お話した通りに」
「そうすべきだ、しかしギルフォード総統はよく出て来たものだ」 
 八条は無花果を食べつつ苦い顔で言った、無花果の甘さも今は連合から見たギルフォードの苦さに負けた。
「今のエウロパにな」
「まるでヒーローですね」
「ピンチの時に現れるな」
「そうした存在ですね」
「エウロパは騎士が存在している」 
 これは階級としてではなく精神である。
「騎士は人が困っているとだ」
「領民や婦人がですね」
「そこに颯爽と現れるな」
「あちらの騎士物語では常にそうですね」
「その様にな」
「あの総統殿は登場した」
「以前からイギリス政界では知られていた」
 つまり昨日今日出て来た人物ではないのだ、連合でも既に知っている者はいたのだ。
「そしてエウロパ戦役でもな」
「活躍しましたね」
「その為急に出て来た人ではないが」
「それでもですね」
「まさにな」
「今ですね」
「出て来たものだ」
 そのどうして出て来たのかもだ、八条は話した。
「総統にな」
「連合にとっては厄介なことに」
「私はエウロパは復興するとは思っていた」
 エウロパ戦役のダメージからだ。 
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