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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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3-5話

 第一次マフティー内閣(2回目)と書かれた記事には、俺が選んだメンバーが紹介されている。

 大統領 マフティー・ナビーユ・エリン
 副大統領 レイニー・ゴールドマン
 首相 マフティー・ナビーユ・エリン
 副首相 モナハン・バハロ
 国防大臣 モナハン・バハロ
 財務大臣 マーサ・ビスト・カーバイン
 国務大臣 マーサ・ビスト・カーバイン
 保健衛生大臣 ハイラム・メッシャー
 通信大臣 サウリ・ストールベリ
 建設大臣 メラニー・ヒュー・カーバイン
 復興大臣 シュウ・ヤシマ
 軍需大臣 カール・エインスタイン
 文化教育振興大臣 ローガン・マクガバン
 地球連邦軍総司令 ブライト・ノア
 地球連邦軍参謀総長 ケネス・スレッグ
 地上軍軍政長官 ジーン・コリニー
 宇宙軍軍政長官 マニティ・マンデラ
 宇宙移民解決大臣 ハンドリー・ヨクサン
 自治統括長官 ローナン・マーセナス
 地球連邦議会議長 マフティー・ナビーユ・エリン
 などなどが選ばれた。大統領補佐官と首相補佐官には恩赦されたエルランやナカッハ・ナカトやメッチャー・ムチャなど、大統領府分析官にゲイス・H・ヒューゲストが選ばれていた。

 そして、ジョン・バウアーやジョン・コーウェン、アンリ・シュレッサー、セシリア・アイリーンなど21人に対する捜索命令を出した。こと、この事態はやはり、ジオン・連邦の勢力に所属していた人間ではないと出来はしない。つまり、地球連邦軍とジオン軍の共同戦線だったのだろう。バハロも行方は知らない人間が何人もいる。トラヴィス・カークランドとヴィンセント親子、そしてアンネローゼとクロエ・クローチェだ。

 傭兵まがいの事をされていたら困るが‥‥‥。

『マフティー・ナビーユ・エリン大統領、軍部から報告があります。脱走したソロモン艦隊残党やルナツー艦隊残党が治安維持活動と称してジョージ・ジョンソン軍やA.G.E.に属する艦隊にデブリ帯で海賊行為をしていたようですが完全に沈黙したようです。ラー・カイラム級とドゴス・ギア級を旗艦とする彼等が破られたのがどうにも奇妙です。月面基地からファントムスイープ隊が派遣されましたが彼等の消息も不明です。規模は縮小されましたがサラブレッドやアルビオンなどが配備されていて、サラミスだって居ますから戦力的には十分です。MS隊の隊長ボッシュ大尉は、アナハイムから提供されたペーネロペー3番機を与えたので負けるはずは無いです。Gバードなる新武装を試していたので不調があったのかもしれません。』
 いや、何してくれてるんだお前!ボッシュにガンダムを与えたら、これがガンダム!悪魔の力よとか言って独立するだろ。はぁ?何をするんだお前!月面司令官は誰だ?テッド・アヤチ!お前か!

「それで、ジョージ・ジョンソン軍の中身はわかっているのか?」
 ボッシュの中身がアクシズの虹で頭いっぱい、胸いっぱい、ガンダムガンダムガンダムとかなってるガンダム電波虹野郎とか誰もわかるはずないしな。

『ハッ!キンバレー・ヘイマンが総司令で幕僚長がメジナウム・グッゲンハイム、参謀総長がリチャード・クレッシェンド、実働艦隊司令官がチャン・ヤーかハイファンだと判明しております。奴らの旗艦はベクトラ、ラー・カイラム級が3隻、クラップ級8隻、マゼラン級11隻、サラミス級28隻、鹵獲していたグワダン級1隻以上を所有していると思われます。彼らは殆どが一年戦争組で巧みな戦術を使うでしょう。一部の諜報部の話によるとゲーツ・キャパなどと言われるティターンズの元強化人間が集められているとか。』
 強化人間がこうやって決起に参加するのは彼らが戦闘兵器として作られて戦争するしかなくなってしまったからだろう。地球連邦政府はティターンズや地球連邦軍が犯した罪を隠す為に彼らを放り出したのだろうがその結果がこれだよ。

『そして、ルナツーには掃いて捨てるほどの核弾頭があります。奴らとの全面戦争は核戦争みたいなものです。お気を付けを。』
 通信が切られた。案外と無能ではないんだろうなテッド。しかし、それにしてもだ。イカれた紅茶のマッド・ティーパーティーなんて言うのは聞いてはいない。それにボッシュも気になる。そして、ウモン・サモンがいない事も気になりはするが。

「ティターンズの残した地雷と地球連邦軍の退役軍人の福祉による弊害か。」
 強化人間のケアも無しに放っといて、戦傷軍人をほっといた結果、A.G.E.やらジョージ・ジョンソン軍の参加者が増えるとか誰が予測しただろうか?ふざけた話だよ。全くな。退役軍人会が奴らの味方をしている。地球連邦政府が地球連邦政府として軍人年金や傷病手当や遺族年金を切ったせいだ。敗戦したジオンに賠償金をサイド3にかけたのもあって元ジオン軍人も多くが路頭に迷いテロリストやら海賊やら傭兵になる事を余儀なくされた。

 その社会不安を解決するために地球連邦軍やサイド3の再軍備が行われたが、地球連邦政府やバハロもインフラによる経済効果のほうが高いために軍備をそこそこに抑え、マンハンターが流行りだすと軍縮をして不良軍人をマンハンターに送り込んだりとか失業者対策としてマンハンターに吸収させたから愚連隊となり、自分達は軍だと勘違いしだしたのだろう。当初のやる気がある役人や軍人などによる清廉な組織は次々に放り込まれたものにより変わった。高級なスコッチもカストリ酒で割って行ったらやがてはカストリ酒になるのだ。軍縮によって治安が悪化するなんて皮肉な話である。

 マンハンターを廃止できないのは治安維持のための不良軍人墓場だったからなんて皮肉以外のなにものでもない。彼らには復興や水質浄化島にスペースデブリの除去をやる建設会社に雇わせて大規模な環境改善策を考えている。地球環境ばかりが取り沙汰されるが、宇宙環境も悪い。スペースデブリを片付けなければコロニーにデブリがぶつかったり、輸送船にデブリがぶつかったりで宇宙は衰退するだろう。

 宇宙戦国時代が負けていったのは、満ちたスペースデブリとマスドライバーすら作れなくなっていった技術の衰退からだろう。しかし、アナハイムが謎の技術で完成させたEカーボンがこちらにはある。地球に惑星軌道エレベーターを作ってやろう。月にもだ。そして、太陽電池、電池モジュールの加速をさせていく。エネルギー開発とEカーボンは水素を定着化させてフレーム自体が燃料タンクになる。次世代への開発を加速させる。

 人々を減らせば地球では様々な発電ができる。そして、コロニー建設や本格的な火星や金星のテラフォーミングを加速させ、ここにも軌道エレベーターを作り上げる。

 金星はコロニーレーザーなどで加熱をして、気温を下げ、アスタロスによる光合成の促進をすればいい。二酸化炭素が下がれば気温も下がる。20年から30年で可能だと地球連邦政府案にも書いてある。金星と火星への開発により失業者は大いに減るだろう。もしかしたら予算がなくなるかもしれないが地球連邦の統治能力からしたら微々たる問題であり、閉塞感がある現状を打破するにはこれしかない。

「新たな開発計画はどうなっている?」
 電話を外宇宙開発局にかける。

『はい、大統領が言うようにティターンズのデータを確認していたところ、多数のテラフォーミング研究がなされていたのがわかりました。むしろ、ティターンズがテラフォーミング研究に傾倒していなければあそこまで負けなかったのではないかと今は言われる程です。HLVを使った環境改善策など彼らは環境を考えております。』
 そうだろうな。正規軍による環境テロリストがティターンズだからな。宇宙世紀は基本が環境テロリストだから始末に負えない。戦争をしたら環境を省みる余力すら奪うだろうに。インテリ頭のテロリズムは机で弾き出したTRPGの様な演算を信じるからそうなる。人には人の感情があり、それが品性をもたらすんだ。感情は大事なものであってそれを隠す、隠しているから品性が出るわけじゃない。

 その上で言うが‥‥宇宙世紀人に品性を求めるのは絶望的だろ。なんだこいつら!次から次へとそれに問題が問題を起こし続けている。雪だるま式の雪崩だ。

『カロッゾ・ビゲンゾンを中心とする外宇宙開発機体の開発が進んでいます。ティターンズの技術はすごいとしか言えませんね。もしかすれば星間飛行が単独で出来る機体が作れるかもしれません。協力してくれているエリオット・レム博士はミノフスキー・ドライブなる推進剤を必要としない新たな新機軸をマフティー・ナビーユ・エリンの発言で得た今から開発に取り掛かっていると言っております。』
 カロッゾ・ビゲンゾン!?鉄仮面じゃねーか!まだ結婚する前の鉄仮面か。外宇宙開発のロマンを夢見る色白の美青年らしい。その妻となるナディア・ロナは、浮気地雷夢見がちな金持ち女というとてもガンダムらしい女である。

 少女をそのまま母親にしたとオブラートに包んで見れば、ケネス・スレッグに「だから女はだめなんだよ。」って言われそうだ。まぁ、鉄仮面が鉄仮面を被らなくて済むようになるのならそれはそれで良いだろう。身勝手な女と身勝手なロナの論理で精神を破壊された男が、精神を破壊されないのはきっと宇宙世紀にとって良いはずなのだ。やっぱり、ロマンとクソみたいな現実で夢破れたインテリの末路だろ。

 アムロの「革命はインテリが〜」がどの時代も刺さる時点で一種の喜劇であり悲劇なのは間違いはない。地雷解除をすれば俺の危険は免れる。鉄仮面が鉄仮面にならなければラフレシアもバグもありはしない。それがなければ鉄仮面は無くなる。

「そうか、わかった。」

 俺は一眠りをする。月面から飛び立つ自分が乗るこのラー・カイラム級リカルド・マーセナスの姿を飛んで上から見ているような錯覚に包まれた。そして、艦橋にはブライトとオットー・ミタスが居るように見えた。ラー・カイラム級2隻、クラップ級5隻、レウルーラ級2隻、エンドラ級4隻、アウーラ級1隻にサラミスが18隻の大艦隊だ。
 
 そして、それらが蒼い宇宙を進み、地球へと向かう。地球近くの決闘のポイントを目指して。

 それを見送ると俺は鳥になり、世界を駆け巡る。あれは青く光って高速で動いている。彗星かな?いや、彗星ならもっと‥‥フェネクスだろあれ!外宇宙から戻ってくるな!暗黒の世界に帰れ!遊戯王の手札誘発カードより害悪だ。サイコフレームに反応してデッキ・手札・墓地・除外から誘発効果でフィールドに戻ってくるようなぶっ壊れ効果持ってるだろ。

 そして、木星から鋭い気配を感じる。これは巨大なオーラ、あれはディビニダド!?まさか完成していたのか!?巨大すぎる機体が地球圏に向かい飛翔していた。緑色の光、GN粒子とミノフスキー・ドライブの輝きか!?良くわかりはしない。

 そして、その後ろにいる艦隊にはブッホのエンブレムであり、あれはまさか若いときのカガチか!その青年が率いる60隻以上の艦隊が列を成して地球へと向かう。

 そして、ロナ家用のカラーをしたモビルスーツも飛んでいる。火星からもモビルスーツが出ている。これは一体?しかし、これは夢なのだから事実とは限らない。夢は夢なので現実は違うだろう。俺はニュータイプではなく、オールドタイプなのだ。そこに白鳥が現れた。

「もう、わかっているのでしょう。貴方はニュータイプなのよ。なら、ニュータイプの責任を果たして、ニュータイプは戦いの道具ではないことを示して、宇宙世紀の楔を断ち切るのよ。断ち切らなければ巨大な蝶が来るわ。蝶の羽ばたきが歴史を塗り替える。その巨大な蝶ではなくても今の貴方は蝶ではあるのだから変えなくてはならないのよ。」
 うるさい黙れ!鳥が!いや、ララァ・スンの亡霊が!死者が生者の世界に干渉して良い道理などはない!死人は死んでいろ!死人が死んでいないからハサウェイだってあぁなるんだよ!

 しかも、人の夢にむざむざと入ってきて何かをやれだとかなんだとか無理を言う。そんな存在は俺は一番嫌いだ。おまえがやりたい事とやる事は別だ!オールバックと天パにちやほやされてるのを楽しんでいるのがお似合いの女風情が何をほざく!

「変えようが変わるまいが俺は‥‥‥人間の可能性を信じる!お前が‥‥ララァ・スンがなんと言おうとも人間はそんなものだって乗り越えられるとアムロ・レイは言った!シャア・アズナブルは人が持つ柔らかな光に負けたのだ!ならたかが黒歴史を葬る蝶の一匹や二匹!その人類の可能性で押し返してやる!それが人類の‥‥人の定めというものだろう!やってみるさ!だから、宇宙世紀の作り出した宇宙の冷たいところに帰るんだな、ララァ・スン!」

 変な夢を見て、目が覚める頃にはエゥーゴ残党の艦隊との合流地点だった。 
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