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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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2-8話

「くぅ!これはガウマンの役目だろうに!」
 ホースがジェガンを捉える。そして、すかさず命綱を切ると飛び移る。盾であるから連邦兵の小銃弾は効かない。

 片膝をついているコックピットの前にあるジェガンの腕に飛ぶ。3メートルは落ちて痛いことこの上ないが早く乗らねば死ぬ。

 地上にいる兵士たちに狙われて俺は怒りを抑えられなかった。

「ビルから飛び降りるなど、軽業師か道化にでも任せれば良いというものを!いや、今の俺は道化ではあるか!ならば、その運命!マフティー・エリンが正してみせる!やらねば分からぬのならば、やれば分かるということだ!だとすればジョージ・ジョンソンがやった事が正しいかは未来を見なくてもわかる!虐殺が正しいのならば、地球にある生命体を全てエネルギーに変えてまで銀河に飛び立ち、宇宙旅行がしたいようなオーガニックに逆らったその過ちを誰かが指摘をしてやらねばいかぬ!たとえば、俺でもいいわけだ!過ちは過ちと認めねば、過ちと気が付いても人は過ちを犯し続ける!繰り返される地球環境を考えた戦争で何故気が付かない!その先にあるのは黒歴史の始まりだぞ!」
 兵士たちが発砲する中でコックピットに潜り込み、スピーカをオンにする。もう怒った!お前ら、好き勝手をしやがって。だったら、俺だって好き勝手してやるよ!その銀河の果てに何があろうともお前らが償えよ!

「連邦市民に申し上げる!もはや、地球連邦政府の民主主義は消え去った!民主主義は死んだ!連邦兵が守るはずの市民を殺し、市民を市民として扱わなくなった!これは民主主義の死である!宇宙世紀が始まる前はさまざまな国が乱立し、市民は民主主義を守ろうとした!その子孫である君たちがそれが出来ない訳はない!今こそ、市民は歌え!武器を持て!皆、マフティーのもとへ集え!」
 反乱起こしてやるからな!更地に変えてやる。月光蝶みたいなことをしてやる!文化・文明をリセットしてやるよ。怖くて宇宙世紀の人間が引けない引き金を引いてやる!ジェガンを立ち上がらせず、マンハンターの装甲車をバルカンで爆発させる。

「市民は歌い、兵士の前に立て!一人が死のうとも後ろの人間が必ず、地球連邦軍なる蛮族に鉄槌を下すだろう。恐れることはない!奪われることもない!ただ、今の一瞬が最も民主主義を民主主義足らしめて、地球連邦は地球連邦として蘇るのだ!腐らせるのは腐らせ、生かすものは生かす!それこそがいま必要なことなのだ!今この一瞬、抗うことができる人間こそがマフティーであり、魂の躍動、生命の衝動!進化の前の淘汰であり、救いだ!立ち上がれ、地球連邦市民!」
 煽りに煽ってやる。もう知った事じゃないよ!フットペダルを深く踏み足の裏のブースターを吹かすと、その熱風で集まってきたマンハンターを焼き、マンハンターたちのジェガンに向かい殴りつけ投げ飛ばす。流石のキンバレー隊も同士討ちになりそうで来れない。

「今、地球連邦軍が市民を殺す!貴様らも地球連邦市民だろうに!命は大事なものなのにそうやって簡単に引き金を引く!引き金を引くからには、引かれる覚悟を持て!死ねよや!」
 近付いてきたキンバレー隊のグスタフ・カールに、シールドクローを叩きつけ、腕の内側に隠していたボックスタイプビームサーベルを入れて一瞬で相手の機体を焼き、そのまま、マンハンターたちの防衛ラインに投げ飛ばす。

 すかさず、俺はショットガンを撃ち込む。
「力無いものにしか強くなれないとお前らは思っているだろう!しかし、違う。数千年以上市民は、市民としていかなる過酷な国家や環境にも順応してきた!ならば、市民は強者であるのだ!人類の未来は神や運命とかそういうオーガニック的なモノに対して強靭で抗う。それこそがアクシズショックが見せた人類の可能性であり、人類の光だ!例え、お前らがどんなに弾圧してみせても人類はそれだって越えるはずだ!いや、越えてみせろ!サイコフレームなんかに頼らなくても、サイコフレームの輝きや星の輝きよりも、こんなにも輝くのが君たち、連邦市民だ!」
 飛びかかってきた別のグスタフ・カールには半円を描くようなステップで後ろに周り、そのままメインカメラをもぎ、蹴り飛ばし、ショットガンを数発撃ち込む。

「市民よ!立つべきときが来たのだ!」
 何人かがマンハンターの死体から銃を奪い、応戦を開始する。そして、空の上からオエンベリ軍が舞い降りた。ハサウェイはどこだ!ブライトもだ。

 ハサウェイを見てみるとオエンベリ軍のMS先行隊が守り、ハサウェイがブライトと共にZガンダムに乗り込むのが見えた。アーガマにあのペーネロペーがあるのだろう。

「させはしないぞ!」
 Zガンダムを狙っていたジェガンを後ろから殴り倒し、マウントを取るとコックピットをめがけて、マニピュレータの親指を立てて貫く。

『諸君、マフティー・ナビーユ・エリンにより、地球連邦政府首相は死に至った!非常事態宣言を発令する。並びに戒厳令を敷く。この事態により、首相継承順位1位である弟君よりも、この場にいた私が一時的に指揮を取る。今入った情報によると弟君もマフティーの凶弾に倒れたと聞く。到底許される事ではなく、地球連邦政府への重大な挑戦であり、ひいては民主主義の破壊である。今こそ、民主主義を取り戻す為に、地球連邦軍はさらなる奮闘を求めるものである。非常事態ゆえに疑わしきは罰せよ。マフティーを一人でも生かしたら、より被害が出る。必要な犠牲である。テロリストは許さない、臨時首相就任発表をこれにて済ませる。』
 無茶苦茶だ。ジョージ・ジョンソンは臨時首相就任からの議会の信任を待たずに非常事態宣言、そして戒厳令とは。ここにマスクが居たら独裁者と言っている。でも、アイツ被害者意識が強い加害者だからな。悪いやつでも無いし、どちらかと言えば姫様の方が度し難いような?パイロットセンスもないのに戦場に出てしまう。政治と演説が上手くなったカガリのような?
 
「どうだっていいことだ!政府が政府として機能してないから、市民は市民として戦わないといけなくなって戦うんでしょうが!自由と平和を規制して市民が生き残れるのなら間違いないが、市民が一番に犠牲になるのならそれは自由と権利を奪った奴隷だと言うのだ!それを許さないのなら、やってみせろよ!マフティー!なんとでもなるはずさ!思いだけでも力だけでも駄目だから、インテリは急速に変化をさせようとして世捨て人になる!」
 近付いてきたジェガンとグスタフ・カールとビームサーベルで切り結ぶとボックタイプビームサーベルを起動させ、不意打ちで相手の胴体を凪ぐ。グスタフ・カールは致命傷にならずよろめくだけだったが、よろめいた隙に腰部ワイヤークローを撃ち込み撃破する。

「綺麗事はインテリのお家芸だな!人間は他人を信じないのなら、信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思い始める。人間を間違わせるのだ。そんなにインテリは人を信じられないのか!憎しみは憎しみを呼ぶだけだって分かれ!自らが戦わずに手に血がつかない人殺しでは痛みはわからないから、そうやって簡単に義務だとか権利だとか責任だとかを無視できる。MSで非武装の市民を踏み潰して!これじゃあシャア・アズナブル以下じゃないか!自然のために今や未来の大多数の人間を殺すというのなら、人間も自然の一部だと、またオーガニックな存在だと理解できていないから人間が自然を左右出来ると思い上がる。現に水中都市すら作れない人間は地球の表面に寄生する寄生虫に過ぎないと知れ!」
 グスタフ・カールから奪ったマシンガンで、市民を攻撃しているジェガンのコックピットを狙い撃つ。

「寄生虫で、人類が全員弱者でしかないからこそ、自然の一部だからこそ、人類は希望や理想を持てる!弱者、故に人々は、人類は様々な選択が出来て数を増やせたんだ!人間は捨てたものじゃない!インテリが考えるほど人類は弱くも無ければ強くもない!人々は絶望しちゃいない!なのに押し通そうとするのなら、それはエゴと知れ!重力に魂を惹かれて、重力井戸を保護できると思い上がって、自然の為に人類という自然の一部を殺すのなら、俺は‥‥ガンダムになってやる!現実は現実!理想は理想!政治は‥‥人々の営みは、遊びでやってるんじゃないんだよ!わかるか!人々の悲鳴が!地球の泣き声が!宇宙の意思が!インテリとそれらが地続きで無くなってしまったからこうなったのだ!ツケを払え!ジョージ・ジョンソン!」
 マシンガンを撃ち尽くすと、ハサウェイがペーネロペーに乗り、グスタフ・カール達を殲滅する。

『地球連邦市民各位に申し上げる!我々、反地球連邦組織マフティーは、これより地球連邦と袂を分かち、地球と宇宙の憎しみから連邦市民を解放する解放市民軍マフティーとなる!深い憎しみも深い悲しみもマフティーは粛清をし、皆が笑って手を取り合い争いと不理解をなくし、今より少しだけ良い社会を目指す!エゴが人を殺すのならエゴが人を生かすこともある!憎しみを超えて、虹を越えて、人々は約束された安住の地を目指す!』
 ハサウェイ、えっ、なに市民軍とか意味わからないけど。

『俺、いや、僕自身がニュータイプに憧れがあった!しかし、憧れゆえに理解をせず、不理解を持って憎しみを育てていたかもしれない!憧れ、望み、なれればなりたいという様なその気持ちがアースノイドとスペースノイドを産んで、地球に魂を縛られるのなら、ニュータイプになろうとしてなるのは愚かだ!ニュータイプはなるべくしてなるのであって、羨ましいとかなりたいとかいうその浅ましい感情こそが人々をニュータイプにさせないのだ!だから、宣言しよう!ハサウェイ・ノアとして、なりたいと願わずにニュータイプになると!そうすることで真のニュータイプ、トゥルー・ニュータイプになれる!今、マフティー・エリンが言った様に人類は弱者だから弱者と自覚しなければならない!ニュータイプもまた弱者なのだ!』

 怖いよ、口から怪文書垂れ流すなよ。アニメならいいよ、そりゃあ。画面越しだからさ。でも、違うじゃない。現実でそんなことを言われてもだな。だが、少し立ち直ったのは評価するぞハサウェイ。

『これより、このアーガマ級はブライト・ノアが指揮をする!私も虹に見せつけられた情けない父親だった!ハサウェイはそんな私すら助けに来てくれたのだから、私は私の成すべきことをなさねばならない。オエンベリのマフティー軍、いや、市民軍よ。みんなの命をくれ!今は地球連邦が沈むか沈まないかの瀬戸際なんだ!頼む!』
 ブライトにも伝播した!?ふざけるなよ!いや、このままブライトを旗印にすればいい。悲しいけどこれ、戦争なんだよ。クワトロの代わりに旗印になってエゥーゴを指揮するような真似をしてくれよブライト・ノア!

 そう思っているうちにスタークジェガンがSFSで飛んでくるのを感じたので瓦礫を投げSFSを破壊すると、落ちてくるところを予想してジェガンから奪ったバズーカを撃ち込み撃破する。背中に殺気を感じて振り向きざまにバズーカを撃ち込めば、グスタフ・カールが無惨な骸を晒す。

 ヒヤリとして頭が膨張したような感覚を感じ、耳鳴りがする。バックステップを踏めばジェガン・スナイパーが元いた場所を狙い撃っていた。そちらはハサウェイのファンネル・ミサイルに沈められる。

「うん!?それだ!」
 ショットガンをスラッグ弾に変えて、曲射をしながら相手の逃げる範囲を狭めれば、曲射に吸い込まれるジェガン。ジェガンを盾にグスタフ・カールが居るのはわかっている。黒い三連星もどきは通用しない!チェーン・マインを投げてヒート・クナイを投擲し、ビームダガーに持ち替えて一気に近づくと1機、2機、3機とグスタフ・カールが崩れ落ちる。

「しつこい!」
 背面ではなく地下から気配を感じる。地下駐車場にMSを隠していたのだろう。巨大な光の奔流が晒され、そこには‥‥。

「モビル‥‥アーマー!?」
 塗装が連邦軍カラーにし直されているが間違いない!こいつの名は‥‥。

「クシャトリヤ!?何故だ!プルシリーズでも蘇ったとでも言うのか!アクシズの亡霊はアクシズに帰れ!」
 ビームは弾かれる。おそらくはメガ粒子砲を数個潰してまでIフィールドを強化してるのだろう。誰の仕業かは知らないがふざけるんじゃない!乗っているのは強化人間だろうが。

「やれるのか?俺!」
自問自答をするとクシャトリヤが動き出し、視界の端に何かが高速で接近するのが見えた。



 
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