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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその十七

「よくない」
「では連合がまとまり」
「対するべきだ」
「義統様はいつもそう言われますね」
 由良は八条は今はプライベートの時間なので長官と呼ばなかった、だから八条も今はプライベートの口調であるのだ。
「左様ですね」
「そうだ、私は集権派だ」
「まさに」
「その考えだ」
 自らこう言った。
「連合は今以上にだ」
「中央政府の力が強くなり」
「そうしてだ」
「一つにまとまるべきですね」
「確かに各国政府の権限は充分に守られるべきだが」
「それでもですね」
「今以上にな」
 中央政府の権限が強くなってというのだ。
「まとまるべきだ」
「そして一つになってですね」
「エウロパにも対抗すべきだ、連合はあまりにもだ」
「各国の権限が強く」
「まとまりに欠いている」
「それが連合の特色になっていますね」
「問題点でな、各国がまとまるどころかな」 
 それどころかというのだ。
「互いに争うことが常だ」
「そして中央政府とも」
「そう話している今もだ」
「争っていますね」
「各国政府の権限の保障と拡大を主張してな」 
 その各国政府がだ。
「そのうえでな」
「そうした状況ですね」
「これではだ」
 どうにもというのだ。
「連合はエウロパにまともに対することが出来ない」
「国力差こそ圧倒的ですが」
「あの国に対するよりもだ」
「互いに争っていますね」
「それが千年続いている」
 まさに連合建国以来のことである、連合はエウロパに対するよりもその中でいがみ合い政治や経済において争い続けているのだ。
「こうした状況を少しでも改善してだ」
「エウロパに対するべきですか」
「私が思うにな、しかし連合は分権国家でだ」
「国家連合ですね」
「私も日本の政治家だった時はな」
「日本の国益を考えていましたね」
「そうしていた、国益を考えずにだ」
 それなくしてというのだ。
「政治家ではない」
「左様ですね」
「二十世紀後半から二十一世紀初頭の左翼政党の政治家達は違った」
 彼等はというのだ。
「国益を考えてはならない」
「むしろそう言っていましたね」
「そうだった、地球のことや憲法のことや平和のことをと言っていたが」
「それを口実にして」
「国益を考えずにだ」
「日本を共産主義国家にすることだけを考えていましたね」
「そうだった、何でも反対でだ」
 与党の政策に対してだ。 
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