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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその十四

「その場合はな」
「そうなりますね」
「確かに何度も信じる人もいるが」
「多いと思わないことですね」
「それが嘘だ、嘘を信じ続ける人は少ない」
 それも非常にというのだ。
「実はな、だからな」
「ギルフォード総統について偽の情報を流しても」
「やがてわかる、だがギルフォード総統はスキャンダルとはな」
 こちらのことはというと。
「無縁の御仁の様だな」
「カミュ首相と違い」
「カミュ首相は賄賂を取り女性関係も派手だ」
「浮名も流しています」
「だから攻められるが」
「それでもですね」
「スキャンダルに存外強い人物だ」
 カミュはというのだ。
「こちらが幾ら流してもな」
「外務省がそうしていますね」
「工作部門がな、しかしな」
「幾らスキャンダルがわかっても」
「これが中々だ」
 実にというのだ。
「難しい」
「左様ですね」
「彼には何を仕掛けてもな」
 それでもというのだ。
「随分とだ」
「スキャンダルに強く」
「そもそも法律に触れない様にだ」
「していますね」
「それが強い、だがギルフォード総統は」
 彼はというと。
「そのスキャンダル自体がだ」
「ないですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「外務省も嘆いている」
「スキャンダルがないと」
「攻めるべき点がな」
「そこが問題ですか」
「まことに捏造ではな」
「意味がないので」
 嘘がわかるからというのだ。
「それで、ですね」
「困っている様だ」
「そうですか」
「あの御仁の失脚を計れなくてな」
「スキャンダルによるそれを」
「金銭も人事も女性関係も男性関係もだ」
 そのどれもがというのだ。
「むしろ連合の基準ではまさに清廉潔白というまでにな」
「無縁の御仁ですか」
「清廉潔白で有能な敵程厄介な敵はいないというが」
「それがあの総統殿ですか」
「そういうことだ、だがそれならだ」
 ギルフォードがそうした人物ならというのだ。
「私はそれでいいと思う」
「こちらはこちらの為すべきことをしていく」
「そうしていくまでだ」
 あくまでというのだ。
「それでいいと思う」
「連合が大国になっていくことですね」
「これまで以上にな」
「巨大になることですね」
「それが一番だ」
 これが八条の考えだった。
「教育についてもな」
「彼等が改革で優れた人材を多く擁するなら」
「我々もだ」
 連合もというのだ。 
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