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金木犀の許嫁

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第十四話 真田家の人その十一

「どの方も十五年位生きておられたそうよ」
「そうだったの」
「それで薩摩で殆ど同じ年にね」
「お亡くなりになってるのね」
「そうだったから」
 だからだというのだ。
「どの人も結構なお歳でね」
「お亡くなりになってるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「多分ね」
「そうだったのね」
「何でも死ぬ時死ぬ場所は一緒と誓い合ったそうよ」
「幸村様と十勇士の方々は」
「主従だけれど義兄弟で友人同士ってね」
 その様にというのだ。
「誓い合っていてね」
「それでなのね」
「ずっと一緒だったけれど」
「大体同じ年になのね」
「十一人全員続いてね」
 そうした感じでというのだ。
「お亡くなりになったのよ。ただ後藤又兵衛さんはね」
「幸村様の親友で同士で」
「一緒に戦ったこの人は」
「確か生きていたけれど」
「奈良の方によ」
 そちらにというのだ。
「落ち延びておられたのよ」
「そうみたいね」
「宇陀の方にそうして」
 落ち延びてというのだ。
「そこでよ」
「天寿を全うされたのよね」
「それでね」 
 真昼はさらに話した。
「あちらでは又兵衛桜ってあるのよ」
「その又兵衛さんの桜ね」
「あそこまで落ち延びてね」
 奈良県の大宇陀の方にそうした桜があるのだ、そうしてそのうえで観光地の一つになっているのだ。
「天寿をよ」
「真っ当したのね」
「そうなの」
 こう話した。
「あの人はね」
「そうだったのよね」
「ええ、ただこの人のことも」 
 後藤又兵衛のこともというのだ。
「公ではね」
「死んだことになってるのね」
「大坂の陣でね」
「それが実はにはなのね」
「ならないわ」
「幸村様と同じね」
「ご先祖様達ともね」
 こう妹に話した、そしてだった。
 姉妹は佐京それに白華とも幸せに過ごした、そうして姉妹はまた一つ出会いを迎えることになるのだった。


第十四話   完


                    2024・2・15 
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