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八条学園騒動記

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第七百四十六話 ベーグルその一

                ベーグル
 ラビの人、穏やかそうなアジア系と欧州系が混血した感じのその人はアン達に微笑んで言ってきた。
「ベーグルはどうでしょうか」
「ベーグルですか」
「丁度信者の方からいただきまして」
 それでとアンに話した。
「ミルクもありますし」
「それと一緒にですね」
「如何でしょうか」
「いただいていいんですか」
「暫くこのシナゴーグにいるのは私一人ですが」 
 それでもというのだ。
「他に食べるものもあって」
「ベーグルはですか」
「多くてこのままではです」
「余ってですか」
「いたみかねないので」
 だからだというのだ。
「皆さんもです」
「ベーグルをですね」
「如何でしょうか」
「それなら。ただベーグルは日持ちしますよね」
 アンはここでこのことを思い出した。
「そうですね」
「それがお菓子の様なです」
「ああ、ドーナツみたいなベーグルですね」
「そうです」
 まさにという返事だった。
「生クリームや果物をたっぷりと使った」
「ああ、ケーキですね」
「ドーナツというよりは」
「そうしたベーグルならですね」
 アンもそれならと頷いた。
「確かにです」
「日持ちしませんね」
「ですから」 
 その為にというのだ。
「正直どうしたものかと思っていましたが」
「ここに私達がいるので」
「渡りに舟です」
 そうしたものであってというのだ。
「そうでした」
「そうだったんですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「皆さんにもです」
「ベーグルをですね」
「飲みものは牛乳があるので」
「その牛乳を一緒にですね」
「如何でしょうか」
「そこまで言ってくれるなら、それに」
 アンはラビの人に確かな声で答えた。
「食べものは残してはいけないですね」
「食べものを残すことは悪行です」
 ラビの人ははっきりと言い切った。
「まさに」
「そうですよね」
「出されたものはしっかりとです」
「残さず食べることですね」
「そうしないといけないですね」
「では腐らせるよりは」
「太っても後で運動すればいいのです」
 その分のカロリーを消費すればいいというのだ。
「ですから」
「ここはですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「四人で」
「いただくことですね」
「そうしてくれますか」
「僕達もなんですね」 
 セドリックはここで言った。 
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