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神々の塔

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第六十四話 終わらないものはないその十

「ご理解頂ければ嬉しいです」
「わかったわ、人と同じところもあるんやな」
「不老不死であられ」
 そうしてというのだ。
「極めて大きな力をお持ちですが」
「人と同じ部分もあるな」
「はい、あとです」
 料理人はさらに話した。
「ゼウス様達は本来はお身体が大きいです」
「あっ、巨人やね」
 綾乃が応えた。
「そやったね」
「はい、実は」
「本来のお姿は人より遥かに大きい」
「巨人です」
「ティターン神族の息子さんで」
「ギリシアの神々はそうなのです」
 その血筋からというのだ。
「お身体が非常にです」
「大きいね」
「どの方も」
「そやったね」
「それ他の神界の神様もやな」
 シェリルは綾乃にこう話した。
「北欧もケルトも」
「実は、やね」
「北欧の神々も実はな」
「巨人族やさかい」
「その血はな」
「実際元々巨人の神様もいてはるし」
 海の神エーギル等がそうである、実のところオーディンも巨人から兄弟達と共に生まれている。ロキが有名だが彼だけでなく他の神々もそうであるのだ。
「その実はね」
「巨人や」
「そうやね、そういえば日本でも」
 綾乃は自分達の国の神々の話もした。
「素戔嗚尊も」
「あの神様もかいな」
「頭に虱やなくて百足いはったから」
「百足が寄生虫になる位の大きさか」
「そやったかも知れんわ」
「日本の神様は巨人に思えんかったけどな」
 シェリルは綾乃のその話を聞いて述べた。
「その実はかいな」
「そうかも知れへんわ」
「そやねんな」
「まあ百足がおるとか」
 頭に寄生虫としてだ。
「めっちゃ嫌やけど」
「それも一匹やないな」
「むっちゃ多くて」
 素戔嗚尊が娘を持ってからの話である。
「髪の毛とわからん位やったみたいやで」
「すぐに洗うべきやな」
 シェリルは極めて暗い顔になって述べた。
「ほんまな」
「そやね」
「虱でも嫌やのにな」
「百足なんて」
「絶対嫌や」
「ほんまやね」
「神々は非常に奇麗好きでして」
 また料理人が話してきた。
「毎日入浴や水浴びをです」
「されてはるんやね」
「それぞれお気に入りの石鹸やシャンプーもおありで」
 そうであってというのだ。
「お風呂を楽しまれています。ヘラクレル様はサウナがお好きです」
「そうなんやね」
「毎日入られて」
 サウナにというのだ。
「水風呂もです」
「入られてるんやね」
「左様です」 
「サウナ私も好きやけど」
 シェリルはワインを飲みつつ自分のことも話した。
「そこも人と同じやな」
「その為非常に清潔でして」 
 それでというのだ。
「蚤や虱もです」
「いてはらへんね」
「はい、ただ何でも昔一時ケジラミに苦しめられたとか」
「ああ、原因はわかるわ」
 シェイルは聞いて即座に察した。
「それはな」
「何と言いますか」
「気を付けんとな」
「病気にならずとも」
「ほんまな」
「あまり、です」
「奇麗好きでない人とな」
 察したものをそのまま話した。 
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