夢幻水滸伝

「そのうえでな」
「陸からも来る」
「六十万もの大軍が」
「そうなると、ですね」
「川添いの街や村もですね」
「相当な強硬派でもないとな」
　徹底抗戦を行う様なというのだ。
「降るわ」
「だからですね」
「この度はですね」
「かなりの街や村が降りますね」
「戦わずして」
「そうなるわ、勿論降らんと攻める」
　そうするというのだ。
「その時はな」
「そうして攻め落としますね」
「そうしますね」
「降らないなら」
「そや、本気で攻めるわ」
　降らない街や村はというのだ。
「そうしてな」
「ミシシッピー川を掌握し」
「その水運を用いますね」
「戦に」
「補給や移動に」
「そうするで」
　こう言ってだった。
　エリカは自ら軍を率いて艦隊に川をさかのぼらせた、当然ニューオーリンズの守りは徹底させたうえでだ。
　その報を聞いてだ、トウェインは言った。
「ほなわい等もや」
「川添いの街や村にですね」
「軍を南下させつつな」　
　ミニーに話した。
「降伏を促していくで」
「そうしますね」
「そしてな」
　そのうえでというのだ。
「川を掌握するで」
「それからアーカンソー州とルイジアナ州の西に向かいますね」
「そうするで、まずはアーカンソーや」　
　この州だというのだ。
「今わい等がおる州をや」
「掌握しますか」
「そや、そしてな」
　アーカンソー州を掌握してからのことも話した。
「オクラホマにもや」
「軍を向けますか」
「そうするで、十万も送れば」
　アーカンソー州からオクラホマ州にというのだ。
「そうしたらな」
「オクラホマ州は攻め落とせますね」
「確実にな。戦力は集結させてやが」
　これが鉄則だがというのだ。
「しかし何倍もの戦力やとな」
「包囲する様にですね」
「多方面から攻めるとや」
「ええですね」
「戦力が二倍やと挟み撃ちにしてや」
　その様に攻めてというのだ。
「三倍やと三方向からや」
「攻めるもんですね」
「五倍十倍になるとさらにや」
「多方面から攻めて」
「一番ええのは囲むことや」
　即ち包囲することだというのだ。
「そうしたらや」
「まず確実に勝てますね」
「そうなるさかいな」
「包囲が理想ですね」
「攻める時はな、それでや」
「アーカンソー州を掌握したら」
「次はな」　
　まさにというのだ。