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金木犀の許嫁

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第十二話 驕る平家は久しからずその八

「本当にね」
「駄目ですね」
「暴力受けていいことないから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「離れて」
「そしてだよ」
 そのうえでというのだ。
「他のいい人からね」
「教わることですね」
「そんな人に教わる位なら」
 それならというのだ。
「独学の方がね」
「いいですか」
「だって暴力受けないから」
 部長は強い声で言った。
「いいよ」
「暴力は論外ですね」
「こんなもの教育でも何でもないよ」
 部長は強い声でこうも言った。
「生徒を傷付けて怯えさせたら」
「もうその時点で、ですね」
「失格だから」
「先生として」
「人間としてもね」
 こう佐京に断ったのだった。
「失格だからね」
「そんな先生のいる部活はですね」
「もうそんな先生だってわかったら」
 その時点でというのだ。
「避けるべきだよ」
「若し間違って入ったら」
「すぐに辞めるべきだよ」
 部長は断言した。
「いていいことはないから」
「だからですね」
「今話している剣道部の先生まだあってね」
「酷いお話が」
「試合に負けた部員全員に丸坊主を強制したんだ」
「体罰ですよね」
「うん、体罰だよ」
 紛れもなくとだ、部長も答えた。
「自分はしなくてね」
「自分の指導に問題があるとか考えなくて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「してきた生徒が少ないって怒って部員に突きを入れまくったんだ」
「突きですか」
「中学生では体格が出来ていないからしたら駄目だけれど」
 その為突きは高校生からとなっているのだ、喉を狙う非常に危険な技であることは意識しておくことである。
「その次をね」
「やっていたんですね」
「それも試合でやったら問題視される」 
 そうしたというのだ。
「シャベル突きなんてリンチ技をね」
「部員に浴びせていたんですね」
「そうなんだ、こんな先生のところにはね」
「いていいことはないので」
「間違って入ってもね」 
 そうであってもというのだ。
「すぐにだよ」
「辞めるべきですね」
「いていいことは絶対にないから」
 部長はまた断言した。
「まともな指導なんて考えられないし暴力で傷も負うよ」
「身体にですか」
「心にもね」
「トラウマですね」
「そんな暴力見て受けたら」
 そうしたらというのだ。 
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