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八条学園騒動記

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第七百四十五話 清潔な場所その三

「それでね」
「いいのね」
「そうよ、それでお家はいつも清潔に」
「そうもしないといけなくて」
「シナゴーグもね」
 今自分達がいる場所もというのだ。
「この通りよ」
「清潔なのね」
「床も壁も窓もね」
 そうした場所を見回しながら話した。
「いつもね」
「お掃除しているのね」
「清潔であることは」
「やっぱり絶対ね」
「このことは他の宗教と同じで」
 それでというのだ。
「ユダヤ教もね」
「いつも清潔にしているのね」
「そう、だからシナゴーグもね」
「いつもお掃除してるのね」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「それで塵一つもね」
「許さないのね」
「そこまで厳しいのよ」
「じゃああれだね」 
 セドリックは塵一つも許さないと聞いて言った。
「お掃除した後指でつーーーーっと触って」
「塵が指の先に付いてたら怒るのね」
 アンも話を聞いてそれはと返した。
「エウロパ貴族みたいにね」
「そうそう、エウロパ貴族ってね」
「使用人の人達がお掃除したら」
「そうしてチェックして」
「付いていなくても」
 それでもというのだ。
「怒ってね」
「虐待するんだよね」
「あいつ等はね」
 アンはそうだと頷いた、だがそれは連合の都市伝説でそうしたことをするエウロパ貴族は存在しない。掃除のチェックはそもそも貴族自らせず使用人の上司達が行うものであり注意はするが虐待なぞ
絶対にない。
「そうした連中よね」
「貴族の嗜みでね」
「そんなことするのよね」
「最低な連中だね」
「本当にね」 
 アンはその都市伝説を真実と確信しているがセドリックもウェンディもそして連合市民の殆どが同じである。
「あいつ等は」
「屑の中の屑だからね」
「ザ=屑だからね」
「エウロパ貴族っていうとね」
「そんなこともするけれど」
 アンはセドリックにあらためて答えた。
「チェックでね」
「するんだ」
「連合の鬼姑って言われてるでしょ」
「イスラエルはね」
「そこまであれだって言われてるだけあって」
 それ故にというのだ。
「そうしたこともね」
「するんだ」
「けれどもう一度やれって言う位で」 
 掃除をというのだ。
「別にね」
「虐待はしないんだ」
「しないわよ」
 絶対にというのだ。
「だから安心してね」
「それは何よりだよ」
「ええ、虐待はしないから」
「厳しくても」
「厳しいのと虐待は違うでしょ」
 そもそもというのだ。
「そうでしょ」
「ええ、厳しいのは細かく指摘したりすることで」
 そうしたものでとだ、ウェンディは答えた。 
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