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神々の塔

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第六十三話 過ちを犯した神霊その七

「いや、お見事」
「流石のお強さです」
「そのお強さなら大丈夫ですね」
「世界を託すことが出来るとです」
「神霊の方々も言われます」
「それやったら何よりや、しかしな」
 トウェインはコボルトの兵達に話した。
「自分等随分お洒落してるな」
「そうでしょうか」
「ただ軍服を着ているだけですが」
「そうして戦っているだけですが」
「軍服にはアイロンあててな」
 トウェインはまずそちらのことを話した。
「ブーツも磨いてて馬も奇麗にしてる」
「だからですか」
「我等はお洒落ですか」
「そう言われますか」
「自分等自身そうやしな」
 見ればどのコボルトも奇麗な毛並みでコロンの香りさえする、毎日風呂に入ったうえで香水まで用いているのは明らかだ。
「ええ感じや」
「いや、身だしなみは気をつけろとです」
「いつも主に言われているので」
「我等の」
「その主は誰や」
 トウェインはそのことを問うた。
「一体」
「フォレスト大佐です」
「あの方です」
「真面目で公平は方です」
「そしてとても清潔な方です」
「そやねんな、やっぱり大佐は確かな人やな」
 トウェインはコボルトの兵達の言葉を聞いてこのことをあらためて理解した。
「そやねんな」
「はい、非常に立派な方です」
「この世界のことを常に考えておられます」
「そうした方です」
「それは何よりやな、ほなその人に仕えつつ」
 兵達に言うのだった。
「これからもやってくな」
「そうします」
「この世界の為に」
「我等の主の手足となります」
「そうするか、主がええと兵もええ」
 トウェインは噛み締める様にして述べた。
「そうやな」
「そう言って頂き何よりです」
「では我等はこれでお暇しますが」
「先に進まれて下さい」
「ご活躍を期待しています」
「ほなな」
 トウェインは最後も微笑んで応えた、そうしてだった。
 彼等が去ってからあらためて先に進んだ、そして神霊達との戦の前に宿屋に入ったがここでだった。
 宿屋の中で豚や羊の料理を出されてだった、その中に豚の耳に羊の脛肉をじっくり煮込んだものを見てだった。
 メルヴィルは笑ってだ、仲間達に話した。
「どれも美味そうやな」
「ああ、ほんまな」
 トウェインもその顔で応えた。
「デザートもな」
「アイスとバナナにシロップかけてるな」
「たっぷりとな、ちなみに豚の耳はキング牧師の好物でな」
 そうであってというのだ。
「後の二つはマルコムエックスさんの好物やった」
「そやったか」
「ああ、特にマルコムさんはな」
 この人物はというのだ。 
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