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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その十

「それでだ」
「いいですね」
「必ず何らかの形で連合に貢献してくれる」
「連合にいれば」
「それでだ」 
 まさにというのだ。
「だからそれでいい」
「連合の中にいてそのそれぞれの能力を発揮すれば」
「それでいい、強制的に国家に貢献する人材を育てるなぞだ」
「連合に相応しくはないですね」
「エウロパのものだ、エウロパは何度も言うが中央集権的でかつ統制的だ」
 そうした国だというのだ。
「強い権限でだ」
「国家のですね」
「民主主義であってもだ」
「強権的ですね」
「国家の力が強い、かなり大きな政府だ」
 これに対して連合は小さな政府とされている、そしてそれがよく連合とエウロパの対比であるとされている。
「まさに国家が全てを統括する様な」
「中央政府が」
「そうした国だからな」
「教育制度も違う」
「その考え自体な、彼等は常に考えていることがある」
「我々を超える」
 部下は自分から言った。
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「あの国の教育はな」
「連合には導入出来ないですね」
「少なくともそのままはな」
「そうなりますね」
「若し導入するなら」
 それならというと。
「換骨奪胎してだ」
「連合に相応しいものにして」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「導入する」
「内容は詳しく吟味、検証し」
「そしてだ」
「導入しますね」
「そうする、そのまま入れてはだ」
 それこそというのだ。
「何もならない」
「かえって有害ですね」
「連合とエウロパは違う国家だからな」
「分権国家と集権国家ですね」
「その違いは大きい」
 実にという言葉だった。
「だからな」
「そのことを理解することですね」
「そうだ、そして」
「そして、ですか」
「あの国は民主主義ではある」 
 上司もこのことは認めた。
「確かにな、しかし統制的である」
「大きな政府であり」
「中央政府がその全てを担っている」
「教育も然りですね」
「特に福祉がな」
 この分野がというのだ。
「かなりだ」
「国家が動かしていますね」
「揺り篭から墓場までという言葉があるな」
「二十世紀の北欧からはじまった言葉ですね」
「スウェーデン等な」
 当時福祉国家と言われたこの国からはじまった言葉だ、高福祉政策は実はソ連に国民がなびかない為に為していった。 
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