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八条学園騒動記

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第七百四十三話 十支族の謎その九

「今に至るのよ」
「そういうことね」
「一滴位は絶対に入ってるから」
「古代ヘブライ人の」
「もっと言えばラテン系やゲルマン系の血もね」
「入ってるわね」
「エウロパのね」
 即ち白人のというのだ。
「ケルトもスラブも」
「本当に白人ね」
「そっちの血の方が圧倒的によ」
 今のイスラエル人はというのだ。
「白人なのよ」
「成程ね」
「それで建国以来ね」
「イスラエル市民の中で結婚して」
「ちなみに不倫はね」 
 アンはこちらの話もした。
「わかるでしょ」
「イスラエルだと重罪ね」
「姦淫するなかれで」
 十戒のこの言葉も出した。
「それでね」
「不倫なんてしたら」
「死刑もね」
 これもというのだ。
「あるわよ」
「そうしたお国柄よね」
「だからね」
「混血しないのね」
「ユダヤ教徒同士の不倫でこうだから」 
 死刑があるというのだ。
「宗教が違ったら」
「確実ね」
「そうよ、だからね」
「余計に他の国の人とそうならなくて」
「血がね」
「白人のままなのね」
「そうなの、いや本当に」
 まさにというのだ。
「古代ヘブライ人とはね」
「違ってるわね」
「どう見てもね、私自身ね」
 アンは自分のことも話した。
「わかるでしょ」
「古代ヘブライ人って言われても」
 セドリックが応えた。
「ちょっとね」
「ちょっとじゃないでしょ」
「ほぼね」
 アンに言われて自分の言葉を訂正させた。
「覆えないよ」
「そうよね」
「やっぱり混血してるんだね」
「白人でね、ただその混血を」
「今のイスラエル人は保ってるんだ」
「意識してじゃないけれど」
 結果論だがというのだ。
「そうしてるわ」
「そうだね」
「ええ、しかしね」
 ここでだ、アンは微妙な顔になって言った。
「元々アジア系かそれに近い筈なのに白人至上主義になるって」
「その頃のイスラエル人はね」
「ちょっとおかしいわね」
「建国当初でね」
「二十世紀のことでも」
「絶対にはじまりは白人じゃないからね」
 ヘブライ人はというのだ。 
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